-行動援護を利用した外出時の支援の手順書を作成する-

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-行動援護を利用した外出時の支援の手順書を作成する- 2日目 9:30 【演習】 障害特性の理解とプランニングⅡ -行動援護を利用した外出時の支援の手順書を作成する- 【演習】障害特性の理解とプランニングⅡ ー 行動援護を利用した外出時の支援の手順書を作成する ー  をはじめます。

この時間の目的 屋内での日中活動の支援とは異なり、外出時の支援には特有の配慮が必要となります。この時間は、「高崎のぞむさん」が行動援護を利用して外出する場面を想定し、自閉症や知的障害の障害特性に配慮した外出時の「支援の手順書」を作るプロセスを学びます。 【ポイント】 アセスメントや検討した支援計画が「正しい」かどうか を問題にする時間ではありません。 外出時の支援で特に気をつけなければいけないポイント を押さえましょう。 経験の比較的浅いヘルパーに指示を出す際の留意点を整 理しましょう。 この時間の目的です。 四角い枠の中を読みます。(スライドを読む) ポイントです。(スライドを読む)

この時間の流れ 演習①:行動援護を利用した外出時を想定し、4つのプロセスから支援の方法を整理しましょう。 9:40      9:50     10:45    12:05     事例の説明   10分 演習① 55分 演習② 80分 まとめ 5分 演習①:行動援護を利用した外出時を想定し、4つのプロセスから支援の方法を整理しましょう。 演習②:立案した支援の手順書を、比較的経験の浅い職員に伝 えることを想定し、実際に他者に伝えてみましょう。 次にこの演習の構成を、簡単に紹介します。 これから「事例の説明」を10分間行います。 その後、「演習①」、「演習②」、「まとめ」の順となっています。 演習①は、行動援護を利用した外出時を想定し、4つのプロセスから支援の方法を整理します。 時間は55分間です。 演習②は、立案した支援の手順書を、比較的経験の浅い職員に伝えることを想定し、実際に他者に伝えるということを行います。 時間は80分間です。 そして最後に5分間だけ、演習のまとめを行います。

のぞむさんの休日 ある天気のいい土曜日の午後のことです。のぞむさんは行動援護 事業所のヘルパーと一緒に路線バスに乗って15分くらいのところ にある大学構内に散歩に出かけました。 あまり人のいない静かな構内の散歩道を歩き、学生食堂前にある 自動販売機でジュースと小さなお菓子を買う。乗り物好きで食べ ることも大好きなのぞむさんの、休日のささやかな楽しみです。 長年続いていた週末のドライブがお父さんのケガで続けられなく なったのをきっかけに、継続可能な週末の過ごし方を考えようと、 この散歩を取り入れてから早2ヶ月が経ちました。 毎回、出発時に外出の流れを写真カードを使いながら丁寧に説明 していることもあり、のぞむさんもだいぶ慣れたようです。今で はヘルパーが訪問すると、嬉しそうにリュックサックを背負って 家から出てくるようになりました。 ここから事例の説明です。 のぞむさんの休日。スライドを読みます。(スライドを読む)

のぞむさんの外出|バスのルート 自宅 乗車時間:約15分 目的地 (大学) 寺尾 一丁目 三丁目 和田橋 市役所 市民 病院前 のぞみ 大学前 和田橋 一丁目 のぞむさんは、寺尾3丁目のバス停でバスに乗り、和田橋、市役所、市民病院前を通り過ぎ、のぞみ大学前で降車します。乗車時間はだいたい15分ぐらいです。

のぞむさんの外出|大学構内の様子 左上:バス停 右上:食堂前の広場 左下:自動販売機 のぞみ大学構内の写真です。 左上がバス停。右上が食堂前の広場。一面芝生で、ゆっくりと過ごせるように椅子が置かれています。 左下が、いつも散歩の時にジュースを買っている自動販売機です。ちなみにこの奥に売店があります。そこで小さなお菓子を買います。 バスに乗って、大学構内を散歩し、ジュースと小さなお菓子を買う。のぞむさんの休日の一コマが想像できたでしょうか。

あるヘルパーの悩み のぞむさんの外出を担当しているヘルパーにはとても困っている ことがあります。それは、のぞむさんが降りる停留所ではないの に降車ボタンを押してしまうことです。 ボタンを押してしまうと降りずにはいられません。仕方なく手前 のバス停で降りることになり、混乱するのぞむさんを目の前にし て途方にくれたこともあります。 今のところ、その場しのぎでボタンを隠したり遮ったりもしてい ますが、のぞむさんがイライラするだけであまり効果はありませ ん。ただ座って着くのを待つのが苦手なようで、着くのを今か今 かと待っている様子も見られます。 のぞむさんは子どもの声も苦手です。バスの中でうまく過ごせず イライラしているときに、もしバスに小さな子どもが乗ってきた ら…。悩む日々が続いています。 ただ、外出につきそうヘルパーには悩みがありました。 スライドを読みます。(スライドを読む)

演習①|バス内の過ごし方を考える テキストに沿って、のぞむさんのバスの中での過ごし方につい て4つのプロセスを作成しましょう。 「司会」を①、「発表」を②「記録」を③の人が行います。 【演習の流れ】 【使用する情報】 情報シート (P1-P9) スライド「あるヘルパーの悩み」 ヒントシート   演習の説明 5分 〔グループ〕 4つのプロセス を作成 30分 発表 10分 まとめ これから、演習①を行います。 ここでは、行動援護利用時のバスの中での過ごし方について、プランニングⅠで学んだ4つのプロセスを整理し、それぞれの欄をまとめます。 「司会」を①、「発表者」を②「記録」を③の人が行います。 演習の流れです。今行っている「演習の説明」が5分。グループで「支援内容の検討」が30分。発表が10分。最後に演習①のまとめが10分です。 使用する情報は、    1. 情報シート (P1-P9)  2.スライド「あるヘルパーの悩み」  3.ヒントシート の3つです。それぞれの場所を確認してください。

演習①|4つのプロセスの作成 ①~④のステップに沿って、グループで話し合いながら4つのプロ セスを作成しましょう。ワークシート(WS-3)を使ってください。 これからグループで、話し合いながら4つのプロセスをまとめていきますが、生じている問題、生じうるリスクは、 ■目的地より手前のバス停で降車ボタンを押し、実際にそのバス停で降りてしまう ■小さな子どもが乗ってきたときに、声に反応して押す・声を上げる等の行動が出るおそれがある 、の2つです。 「司会」を①、「発表者」を②「記録」を③の人が行います。 司会者の方は、タイムキープもお願いします。それでは始めてください。 (30分経過)それではやめてください。

演習①|発表とまとめ(20分) 2~3グループに発表してもらいます。 発表者は、4つのプロセスに沿って、どのような結論 になったのかを簡潔に報告してください。 2~3のグループに発表して頂きます。それでは挙手をお願いします。 ※発表時間は概ね10分間。 演習①のまとめが10分間。

生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載 演習①|記入例Ⅰ いつまで乗っていればよいか分からない(いつまで、どこまで乗るのかが分からない)。 何もしないで待つことが難しい(車内で待つための方法が用意されていない)。 子どもの声が苦手(子どもが乗ってくることが予期できず、静かにしてもらうこともできない) いつまで乗るのか(先の見通し)が視覚的に示されていれば理解しやすい。 5~50分近く、余暇を過ごすことができる。 落ち着いた声、単語であれば理解しやすい タイマーの理解ができる 家では余暇グッズを使って、余暇を過ごしている   ⇒ 短いもので5分、長いもので約50分過ごす ことができる。 乗車後タイマーをセットし(15分)、押してもらう。 車中は、余暇グッズを選んでもらい、待ち時間を過ごす(ミニカー、雑誌、CDプレーヤーを準備)。 降りる前にタイマーを確認 降車の「ボタンを押します」と声をかける。 目的地より手前のバス停で降車ボタンを押し、実際にそのバス停で降りてしまう。 小さな子どもが乗ってきたときに、声に反応して押す・声をあげる等の行動が出るおそれがある。 生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載 ①背景の障害特性を推測|氷山モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換 ③他の場面から「強み」のリスト追加 ④「強み」を活かした新たな環境 演習①の例示です。あくまでも例です。 ※記入例Ⅰの説明(①から④の順で説明) ③他の場面から「強み」のリスト追加 ●タイマー   :情報シートP6 ●余暇グッズ :情報シートP7 ●単語指示 :情報シートP6

生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載 演習①|記入例Ⅱ 言葉の理解が難しい(降りるバス停とそうでないバス停の区別が視覚的に示されていない、「押してはダメ」等と否定的な指示が言葉で伝えられている)。 何もしないで待つことが難しい(車内で待つための方法が用意されていない)。 子どもの声が苦手(子どもが乗ってくることが予期できず、静かにしてもらうこともできない) 降りるバス停までの見通しが視覚的に示されていれば理解できる。 視覚的に伝えられれば理解しやすい。 肯定的で短い言葉(「次ですよ」等)で伝えられれば抵抗なく受け入れられる。 好きなことをしていれば30分以上は待てる。 家では、ヘッドフォンを使って音楽を聞いて過ごしており、お気に入りの曲であれば30分程度は聞いていられる。 スケジュールでの予定の把握が可能 落ち着いた声、単語であれば理解しやすい バス停を通過する毎に「バス停の写真」を剥がしていくスケジュールを作り、視覚的に見通しを持たせる。 車中は好きな音楽をイヤホンで聞く。 降りるときには、スケジュールの降車ボタンカードを示して、「次ですよ」と声をかける。 目的地より手前のバス停で降車ボタンを押し、実際にそのバス停で降りてしまう。 小さな子どもが乗ってきたときに、声に反応して押す・声をあげる等の行動が出るおそれがある。 生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載 ①背景の障害特性を推測|氷山モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換 ③他の場面から「強み」のリスト追加 ④「強み」を活かした新たな環境 記入例Ⅱです。 記入例Ⅰと違う箇所を赤字にしています。 ※記入例Ⅱの説明(①から④の順で説明) ③他の場面から「強み」のリスト追加 ●ヘッドフォン :情報シートP7 ●スケジュール :情報シートP6 ※休憩を挟んでも良いかも

演習②|支援の計画を伝える 3人の小グループに分かれて、それぞれのグループが4つのプ ロセスから得られた結果を「支援の手順書」にまとめます。 2つの小グループが、「支援の手順書」を互いに伝達し合います。 6人グループで、支援手順を伝える際のポイントや、留意点な どについてディスカッションします 【演習の流れ】   演習の説明 5分 〔小グループ〕 作戦タイム 30分 ロールプレイ 10分 〔グループ〕 ディスカッション 15分 発表 まとめ これから、演習②を行います。 演習②の流れです。 今行っている「演習の説明」が5分。 その後、スライドに書いてある「作戦タイム」に移ります。 今6人で1グループとなっていますが、3人1グループに分かれます。それぞれのグループで、演習①でまとめた4つのプロセスから支援の手順書を作成し、相手グループへ説明する準備をします。時間は40分です。 作戦タイム終了後、相手グループへ支援の手順書を伝えあう「ロールプレイ」を行います。時間は15分です。 ロールプレイ終了後、グループ「ディスカッション」を行います。時間は15分です。 その後、「発表」、「まとめ」となります。

演習②|作戦タイム(30分) 小グループと役割の確認 支援の手順書を作成し、相手グループへの説明準備 奇数番号の小グループと、偶数番号の小グループを作ります。 支援の手順書を作成し、相手グループへの説明準備 演習①で考えた4つのプロセスをもとに、支援の手順書を作成 しましょう。ワークシート(WS-4) を使ってください。 3分間で相手グループのヘルパーに支援の手順が説明できるよ う、ワークシートの括弧内に必要事項を記載してください。 小グループには「報告者(③④)」「ヘルパーA(⑤⑥)」「ヘルパーB(①②)」の3つの役割があります。 事前準備が大切です・時間に余裕があるグループは、支援で必要と考えられる支援ツールを作成してください。 では、作戦タイムに入ります。時間は30分です。 先ず、小グループに別れ、役割の確認を行ってください。 ■奇数の番号の小グループ(①③⑤)と、偶数の番号の小グループ(②④⑥)を作ります。 ■小グループには、「報告者(③④)」「ヘルパーA(⑤⑥)」「ヘルパーB(①②)」の3つの役割があります。 役割については、演習開始後、小グループ内で決めてください。 演習の内容です。 ここでは、支援の手順書を作成し、相手グループへの説明準備を行います。 ■演習①で考えた4つのプロセスをもとに、支援の手順書を作成しましょう。ワークシート(WS-4) を使ってください。 ■時間に余裕があるグループは、支援で必要と考えられるカードやスケジュール、道具を作成してください。 次に、 ■3分間で相手グループに支援の手順が説明できるよう、ワークシートのカッコ内に必要事項を記載し、準備をしてください。 支援手順書の作成と、支援手順書を伝える準備、この2つが、ここでの課題です。タイムキープは、ヘルパーAが行ってください。 「報告者」は、相手グループへ支援の手順を説明します。サービス管理責任者、あるいはサービス提供責任者の立場で、ヘルパーに説明を行ってください。 それでは、はじめてください (30分経過)それではやめてください。 ※休憩を挟んでも良いかも。 「ヘルパーA」はタイムキープを行ってください。 「報告者」はサービス管理(提供)責任者として説明を行います。

WS-4 ①支援手順書の概要を記載 ②支援手順書の内容を記載 ③ その他、想定される場面と対応方法、支援結果の記録方法、緊急時の連絡先を記載 先ず、支援手順書の概要を記載します。 その後、支援手順書を作成しましょう。 支援手順書が記載できたら、想定される場面や、そのときの対応方法、支援結果の記録方法、緊急時の連絡先などを記載しましょう。 この後、ヘルパーに説明を行います。相手が理解しやすいように作成して下さい。

演習②|ロールプレイ(10分) 奇数から偶数グループへ、偶数から奇数グループへ報告します。 報告者は、作戦どおりに相手グループのヘルパーに説明をしま しょう。時間は3分間です。(タイムキープは講師が担当) 報告を受けた小グループのヘルパーは、報告者に対して質問や 確認をしましょう。報告者は質問に対して簡潔に答えましょう。 ヘルパーA:具体的な状況をあげて、トラブルが起きたときの対応       について質問しましょう。        例)急に腹痛になった時にはどうしたらいいですか? ヘルパーB:支援の手順について整理して、「◯◯ということですね」       と確認をしましょう。 小グループを交代して、同じように2~3を行ってください。 それでは、これからロールプレイを行います。 これから行う内容です。スライドを読みます。(スライドを読む)

演習②|支援手順を伝える(3分間) 報告者 ①手順の説明 ④内容の確認 ②予想されるトラ ブルへの質問等 奇数グループ 偶数グループ  ブルへの質問等 ヘルパーA ヘルパーB 報告者 (中堅) 奇数グループ 偶数グループ (③質問への返答) 先ず、奇数グループから、偶数グループへ報告を行います。時間は3分です。 3分の報告時間が終わった後、偶数グループのヘルパーAは、「予想されるトラブルが起きたときの対応方法など」について質問をします。質問を受けた奇数グループの報告者は、簡潔に回答します。 回答後、偶数グループのヘルパーBは、支援手順書の内容を整理して、奇数グループへ内容を確認しましょう。 タイムキープは私が行います。 報告者、準備は良いでしょうか?それでは、はじめてください。 (3分経過)はい、やめてください。 では、偶数グループのヘルパーAは予想されるトラブルへの質問を、報告者は質問に対しての返答、ヘルパーBは支援手順の内容の確認を行ってください。 (1~2分程度)はい、やめてください。 今度は奇数グループと偶数グループの役割をチェンジします。

演習②|支援手順を伝える(3分間) 報告者 ①手順の説明 ④内容の確認 ②予想されるトラ ブルへの質問等 奇数グループ 偶数グループ  ブルへの質問等 ヘルパーA ヘルパーB 報告者 (中堅) 奇数グループ 偶数グループ (③質問への返答) 今度は、偶数グループから、奇数グループへ報告を行います。時間は同じく3分です。 報告後は、奇数グループのヘルパーAより質問、ヘルパーBから内容の確認を行います。 今回は途中で止めません。ヘルパーBの内容の確認まで通しで行ってください。 準備は良いでしょうか?それでは始めてください。 (4分経過)はい、やめてください。

演習②|ディスカッション(15分) 小グループから6人グループに戻り、ディスカッションを行い ます。引き続き、「司会」①、「発表」②、「記録」③の方が 担当します。 議論する内容は、次の3点です。記録者は、発表者が発表しや すいように、簡潔にまとめてください。 ① ヘルパー役の人は、 相手の説明で「分かりやすかった点・        良かった点」をあげてください(説明方法)。 ② 報告者役の人は、報告するうえで「難しかった点」をあげ   てください。 ③ もう一度報告するとしたら、どの点を改善するかを考えて   みましょう。 ここからは、15分間のディスカッションです。(スライドを読む) タイムキープを「司会」の方、お願いします。それでははじめてください。 (15分経過)はい、やめてください。

演習②|発表(10分) 2~3グループに発表してもらいます。 発表者は各グループで話し合われた内容を全体に報告 してください。  ① 相手の説明で「分かりやすかった点・良かった点」  ② 報告するうえで「難しかった点」  ③ もう一度報告するとしたら、どの点を改善するか 2~3のグループに発表して頂きます。 発表する内容は、 ① 相手の説明で「分かりやすかった点・良かった点」 ② 報告するうえで「難しかった点」 ③ もう一度報告するとしたら、どの点を改善するか の3点です。 それでは挙手をお願いします。

演習②|まとめ 手順書 例えば次のような内容、流れが考えられます。 乗車から降車までのステップと、各ステップでの注意点を簡潔 に記載する。 報告者(サービス提供責任者等)が作成したプランに沿って何 回か試し、わかっていること・そうでないことを明確にする。 演習②のまとめです。はじめに手順書についてのまとめです。 手順書の作成については、 ■乗車から降車までのステップと、各ステップでの注意点を簡潔に記載することがポイントになります。 ■また実際には、サービス提供責任者等が作成した支援の手順書に沿って、何回か支援を行い、本人ができること、できないことや、より丁寧な支援を必要とするところなどを明確化し、より本人の状態にマッチした支援の手順書に更新していくことが大切です。

演習②|手順書の例1 高崎のぞむさんが週末利用している行動援護サービスの支援の手順について説明します。 説明する内容は( バスの乗車時から降車時までの過ごし方 )についてです。 特に、( 降車するバス停以外で降車ボタンを押してしまうことと、苦手な子どもの声が聞こえたときに、押す、大きな声を出すなどの行動 )が課題となっています。   バス乗車後から降車時までの支援手順は( 6 個 )に分かれています。 乗車後から降車時までの支援の手順と、その根拠、理由について簡単に説明します。

演習②|手順書の例1 支援の手順 根拠・理由 1.乗車する 2.降車口に一番近い2人掛けの座席に座る (運転席側)①必要以上の情報を入れない   2.降車口に一番近い2人掛けの座席に座る  (運転席側)①必要以上の情報を入れない  ②緊急時に、直ぐに降車できる座席位置 3.座ったら「しゅっぱつ」のカードをはがしてもらい、    音楽を聞き始める   スケジュールで予定の把握が可能。ヘッドフォン   で音楽を聴いて過ごすことができる。 4.途中のバス停を通過するごとに、そのバス停    のカードをはがしてもらう   ①降りるバス停までの見通しが視覚的に示さ   れていれば理解できる。   ②自分でスケジュールを操作することで、意識   的に「今どこか」「あとどれぐらいか」「次は何をす    るか」を理解することに繋がる。   5.のぞみ大学に到着する手前で、軽く肩を叩    いて「だいがく」カードを指差して見せ、はがし    てもらう 6.降車する

演習②|手順書の例1 なお、( 不穏な状態(ウーウー唸り声をあげる、床をドンドンと踏み鳴らす)※体調不良でも不穏になることがあります )といったことが起こる可能性も考えられます。 その時は、( 各ヘルパーの判断で途中下車させてください ※スケジュールは隠して、ヘルパーが降車ボタンを押し下車 )のように対応をお願いします。 支援結果の記録は( 支援の手順書 )に、( できた時は○、できなかった時や問題・課題があったとき×、と )記録してください。 また緊急時は( 相談支援専門員 ▲ ▲ ▲ ー▲ ▲ ▲ ▲ 、または保護者(父)●●●ー●●●● )まで連絡・報告してください。 引き継ぎは以上になります。よろしくお願いします。

演習②|手順書の例2 支援の手順 根拠・理由 1.乗車する 2.降車口に一番近い2人掛けの座席に座る (運転席側)①必要以上の情報を入れない   2.降車口に一番近い2人掛けの座席に座る  (運転席側)①必要以上の情報を入れない  ②緊急時に、直ぐに降車できる座席位置 3.「バスにのる」カードを裏返し、「音楽をきく」    カードを確認   スケジュールで予定の把握が可能。ヘッドフォン   で音楽を聴いて過ごすことができる。 4.プレーヤーを使って音楽を聴く   ①降りるバス停までの見通しが視覚的に示さ    れていれば理解できる。   ②自分でスケジュールを操作することで、意識   的に「今どこか」「あとどれぐらいか」「次は何をす    るか」を理解することに繋がる。     ③「音楽」の終わりを促す。 5.バス停を通過するごとに、バス停チェック表に    チェックを入れる 6.「市民病院前」をチェックしたら「音楽をきく」    カードを裏返す 7.プレーヤーを止めて降車準備 8.「のぞみ大学前」で降車する 9.「バスをおりる」カードを裏返し「さんぽ」カード    を確認   次の活動を、一緒に確認する。

演習②|手順書の例1、2のスケジュール スライドに出したスケジュールは、手順書の例1、2で使用する、左が、バスに乗ってのぞみ大学まで行く場面のスケジュール、右が、バス乗車から降車までのスケジュールです。 どちらも終わったらひっくり返すタイプのスケジュールとなっています。 こちらも、あくまでも例として示しています。

演習②|まとめ 説明 例えば次のような内容、流れが考えられます。 1回目は報告者が引き継ぎのヘルパーと一緒に同行して、支援 の手順を実際に示す。 可能であれば、実際に使用する支援のツール(ex.スケジュール やタイマー、余暇で過ごす物、等)を使ってモデルを示すこと で、よりイメージを持ちやすくなる。 支援手順を決めた理由と、その通りにやる重要性、緊急時対応、 留意点、記録等について補足の説明をする。 次に、説明についてのまとめです。 ■ 説明の1回目は、報告者が引き継ぎのヘルパーと一緒に同行し、支援の手順書を見てもらいながら説明をすると、実際の様子をヘルパーからも聞くことが出来、引き継ぎを受ける方も理解がしやすくなります。 ■ また可能であれば、実際に使用する支援のツールを使ってモデルを示すことで、よりイメージが持ちやすくなります。 ■ 支援の手順を決めた理由と、その通りにやる重要性、緊急時対応、留意点、記録等について補足の説明をすると、より支援内容を理解することにつながります。支援の統一だけでなく、見直し時の情報提供にもつながります。

まとめ|(外出時の)支援のポイント 【外出で失敗しないために】 障害特性や本人の行動特性に配慮した事前準備を念入 りに 常に先手の支援で行動障害の予防 本人の疲労度に配慮    → 疲労に起因する行動障害 次回の外出に対するモチベーションに配慮 日常生活に戻るまで支援は終わらない                               etc. まとめです。外出時の支援のポイントです。 5つ紹介します。 【外出で失敗しないために】 1.障害特性や本人の行動特性に配慮した、事前準備を念入りに行うこと。 2.常に先手の支援で行動障害の予防につとめること。 3.疲労に起因する行動障害もあります。本人の疲労度に配慮し、無理のない外出(の計画)を心がけましょう。 4.次回の外出に対するモチベーションに配慮、とあります。最後の最後で嫌な思いをしてしまい、外出が嫌になることもあります。全体の内容も大切ですが、外出の終わり方も重要なポイントの一つです。「楽しかった。また外出したいな。」と思ってもらえると、こちらも嬉しいですね。 5.日常生活に戻るまで支援は終わらない。外出から帰ってから、嬉しすぎて、あるいは嫌なことがあって大興奮、大パニック、では、本人、保護者、あるいは関係者にとっても、とても辛いものです。家に戻り、引き継ぎをし、普段の日常生活に戻るまでが、広い意味での外出時の支援になります。

まとめ|伝えるときのポイント 【手順書と説明のチェックポイント】 手順はシンプルか(細か過ぎる、複雑すぎないか) 課題となる行動への対応方法は具体的に伝えられている か 手順書の意味(なぜ、そうなっているか)が伝わっているか 本人の行動と支援の流れが整理されているか 記録の内容と方法が決められているか 2人で付く場合、役割分担が決められているか                                 etc. 次に、【手順書と説明のチェックポイント】を6つ紹介します。 1.「手順はシンプルか」 細か過ぎたり、複雑すぎたりすると、支援者も手順やポイントが分からなくなってしまいます。できるだけシンプルな方が分かりやすいです。 2.課題となっている行動への具体的な対応方法が決まっていない、あるいは伝えられていないと、支援者によって対応方法はバラバラになってしまいます。また虐待の発生リスクがあがる一つの要因にもなります。事業所として具体的な対応策を検討し、支援者に統一した支援を徹底してもらうことが必要です。 3.「手順書の意味(なぜ、そうなっているか)が伝わっているか」 4.「本人の行動と支援の流れが整理されているか」 5.「記録の内容と方法が決められているか」 記録は、支援内容の検討資料の大切な根拠になるほか、「サービスをきちんと提供しましたよ。」という証拠書類にもなります。容易に、また継続的に記録ができ、必要に応じて欲しい情報を書き込めるなど、事業所毎に記録のフォームを検討し、記録を行ってください。 6.もしかすると、事業所によっては2人で支援者がつくこともあるかもしれません。2人で付く場合、役割分担が決められているかを確認しておくことで、スムーズな支援の提供につながります。

まとめ|大切なポイント 直接支援する人たちに分かりやすく伝えること、 それが私たちの仕事(求められていること)です 対象者の障害特性や環境要因を考慮し、支援の手順書を  作成する 直接支援を行うヘルパーや支援者に、正確に手順書の内容  を伝える(相手が理解できるように伝える)  支援の手順書を作成することがゴールではなく、  直接支援する人たちに分かりやすく伝えること、  それが私たちの仕事(求められていること)です 最後のスライドになりました。 この演習で沢山のことをお伝えしてきましたが、最後に2つだけ。この演習で覚えておいてほしいポイントを紹介して終わります。 1つめは、対象者の障害特性や環境要因を考慮し、支援の手順書を作成すること。 2つめは、直接支援を行うヘルパーや支援者に、相手が理解できるように正確に手順書の内容を伝えること。 実践研修終了者には、対象者の障害特性や環境要因を考慮した支援の手順書が作成できるようになることが求められています。ただし、作っておしまいではありません。作成した支援の手順書を、実際に支援する人へ正確に伝え、支援者がこちらの意図した支援内容を提供する、それが私たちに期待されていることです。 以上で演習を終わります。長時間、お疲れ様でした。