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09S1-051 若佐菜摘 1. 銀河 巨大銀河 (B バンドの絶対等級で約 -18 等より明るい ) 矮小銀河 (B バンドの絶対等級で約 -18 等より暗い ) ※ B バンドとは … 観測に用いる波長帯 ( バンド ) に固有の名前がつけられており B バンドは可視光の波長 0.445μ mが中心のバンドである。
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Presentation transcript:

太陽・惑星コーナー 星空コーナー 銀河宇宙コーナー 明星大学 宇宙天文クイズ 太陽・惑星コーナー 星空コーナー 銀河宇宙コーナー 2010年夏休み科学体験教室 (プロジェクトⅠ参加者作成)

クイズ 答 その訳、考察、 トピックス -1-

太陽系 -2-

空が青いわけは? 大気による太陽光の散乱が色によって異なるため -3 - 青い空の秘密は「散乱」という現象。光や電波などの波が、物体に当たって四方八方に広がっていく現象のこと。太陽の光も空気中の塵などの粒子によって散乱される。光は波長が短いほど(青いほど)散乱されやすい。昼間、空が青いのはこの散乱した光を見ているからである。  ところが夕方になると太陽光は斜めに入ってくるため大気の層をよりたくさん通過するので、青い光は散乱されてしまって私たちに届かず、赤い光が残って見えるので、夕焼けは赤く見える。  火星では重力が小さく、砂漠化しているので砂粒が空に舞い上がっている。砂粒のような大きな粒子は赤い光も散乱するので、火星で見る空の色はピンク色である。  月のように空気のない星では、太陽の光は散乱しない。月面から昼間、空を見上げると、黒い空の中に白い太陽が輝いて見える。 -3 -

地球の直径は? 約12756km  長さの単位であるメートルを定めるとき、赤道の一周を40000kmと決めた。したがって直径は40000/π=12756 km に等しい。 稚内~那覇間が約2400kmなので日本を五つ並べた分くらいの直径。 -4-

 地球の回転速度は? 赤道では時速約1666km   速度=道のり÷時間。道のりは地球の円周40000キロ。これを1日=24時間で割ると時速になる。つまり、速度=40000÷24=1666.7km/h。東京は緯度35度なので、道のりは少し短く32800km、従って私たちは32800÷24時間=時速1360kmで東向きに回転している。  ジェット機に乗って時速1000kmくらいで東へ飛ぶときは地球の回転も入れると2400km/h。西へ飛ぶときは逆で360km/h、地球の自転を打ち消して太陽を追いかけるように飛ぶので一日が長くなる。逆に東へ飛ぶと短くなる。 -5-

地球はまん丸? ほぼ球体だが、わずかに扁平な回転楕円体。  地球はまん丸? ほぼ球体だが、わずかに扁平な回転楕円体。 地球は正確には完全な球ではなく、自転しているため遠心力によって、赤道が膨らんだ回転楕円体という格好をしています。そのため赤道上で経度に沿った距離は、緯度に沿った距離よりわずかに長くなります。一般に恒星や惑星は回転(自転)しているため、回転楕円体という形をしています。特に木星などは自転が速いので写真を見ただけでも扁平に見えます。   -6-

地球や惑星はなぜ丸いの? 地球や惑星、太陽内部は流体(ガス)なので、表面全体の重力が均等になる形状になるため。  地球や惑星はなぜ丸いの? 地球や惑星、太陽内部は流体(ガス)なので、表面全体の重力が均等になる形状になるため。 地球は自分の質量が作る重力(万有引力)のわりには「やわらかい」ので流体(液体)とみなすことができるので、丸い形(自然の形=平衡形状)に落ち着きます。凹凸があると高い所から低いところに流れ込んで球形を保とうとします。  国際天文学連合総会において「太陽系の惑星の定義」が、 ①自己重力が静水圧平衡の形状(ほぼ球形)をとるのに十分な質量があり、 ②恒星の周りを巡る軌道にあって、かつ恒星でも衛星でもない ③その軌道周辺で他の天体を一掃してしまっているもの と規定されました。 ①のように丸くないものは惑星とは呼びません。小惑星など硬いもの(固体)は重力に抗して変形しにくいので球形でないものもありあります。木星や土星のようなガス惑星は綺麗な円形(自転の遠心力で少し扁平です。  -7-

月の大きさが変わるように見えるのはなぜ? 周囲の物体との比較による錯覚で生ずる現象である。 月が昇ってくるとき「あれ、今日の月って大きくない?」とか感じたり、天頂近くの月は小さく見える気がする。それは目の錯覚である。月の軌道は楕円を描いているので、地球に少し近づいているときと、地球から少し離れているときがある。でもその差はほんのわずかで、月の見かけの大きさはほとんど変わらない。  月が地平線に近くにあって、ビルや山、木など他に高さのあるものと大きさを比較できると、より大きく感じる。逆にまわりが広大な空だけだと小さく感じる。  5円玉を手に持って腕をいっぱいに伸ばし、その穴から月を覗いてみよう。月は大きいように思えるときでも小さいように思えるときでもいつでも、5円玉の穴の中にすっぽりとおさまる、同じ大きさなのが分かるはずだ。 -8-

月のうさぎ模様がいつも地球に向いているのは、なぜ? 山本 月のうさぎ模様がいつも地球に向いているのは、なぜ? 月が1回自転するのにかかる時間(自転周期)が、月が地球をひとまわりする時間(公転周期)と一緒だから。 月の模様は、日本では、うさぎが餅つきをしているような見方を用いることが多いが外国では、どうだろう。 -9-

宇宙への輸送手段としてロケットを使わず地上と静止衛星を繋ぐエレベーターですが、実際に作ることは難しいと思われます。  宇宙エレベーターは可能か? 宇宙への輸送手段としてロケットを使わず地上と静止衛星を繋ぐエレベーターですが、実際に作ることは難しいと思われます。  SFなどにでてくる考えですが、重力や遠心力、角運動量といった物理学にもとづいて考えると、現実的には可能とは言えないでしょう。静止衛星と地上に縄ばしごをかけるような構造だと、縄と荷物の重さで衛星が地球に引かれ、角運動量保存の法則で、衛星はより速く回転しだして、静止していられません。またエレベータ自身を固い構造物で作ると、その重心が静止軌道になくてはなりません。地上から固定した建造物だと、高さ数万kmの建物と同じことで、地球が丸くなる理屈と同じでつぶれてしまいます。  ただ、宇宙空間で、近くにある衛星同士や、小惑星など重力が小さく、回転が遅い場合には可能でしょう。 宇宙エレベーター想像図 -10-

地球の周りの宇宙空間は真空なの? 真空ではなくて、希薄なプラズマなどで満たされています。さらに遠い星間空間は水素ガスなどで満たされています。  宇宙空間(星も含む宇宙全て)は、真空ではなく、希薄なガス(気体)に満たされている。ガスは低温の星間空間では原子や分子になっていて星間ガスとよばれる。  太陽系内の地球周辺の宇宙空間は、太陽から吹き出した高温のガス(太陽風)が、プラズマとなって押し寄せて、地球の磁気圏に吹き付けている。プラズマとは、原子が正のイオン(陽子)と電子に分離された状態のガスのこと  -11-

同じものだが、観測(観察)される状態によって呼び方が違う。  隕石と流れ星は、違うもの? 同じものだが、観測(観察)される状態によって呼び方が違う。 流れ星(流星)は、宇宙塵という砂粒くらいの物が大気圏に突入して高温に熱せられたときに発光する現象。隕石は、燃え尽きずに地上まで落ちてきた流星のこと。観測(観察)の仕方によって高温で輝いている場合と、地上で冷えた場合で、違った呼び方をしているが中身は同じもの。 -12-

 太陽と地球の距離は? 1.496×1011 m  (1億4960万km) 太陽と地球の距離のことを1天文単位(AU)とよび、およそ1億5千万kmです。宇宙の物差しの最も基本的な長さで、±数mの精度で測られています。天文学の単位であるパーセック(1pc)を定めるのに使います。1pcは、1天文単位つまり地球と太陽が、角度にして1秒に見える距離のことで、およそ3光年です。 1AUは光の速度では8.3分かかります。新幹線が時速200kmとすると約 85.38年 かかることになります。日本人男性の平均寿命よりも長いですね。 -13-

太陽の光が地球に届くのにかかる時間は? 太陽ー地球間は8.3分 太陽から地球の距離が1天文単位=1.5億kmで、光の速さが秒速30万キロなので、届くのにかかる時間は、8.3分。 時間=150000000km÷300000km/s=500s(秒)=500(秒)÷60(秒)=8.3(分)。 一番遠い惑星である海王星までは30天文単位(45億km)なので、およそ4時間。 となりの星までは4.3年かかります。光が1年に進む距離のことを1光年といいます。となりの星は4.3光年のところにあります。 -14-

太陽系の惑星は何個? 8個 水、金、地球、火星、木星、土星、海王星、天王星の8個が惑星。冥王星は、太陽系外縁天体(冥王星型天体、準惑星ともよばれる)として、惑星になることができなかった、原始太陽系円盤の名残の小天体に分類されます(図:NASA) -15-

(準惑星、冥王星型天体などとも呼ばれる) 冥王星はいま何と呼ばれているの? 太陽系外縁天体 (準惑星、冥王星型天体などとも呼ばれる) 2006年8月に開かれた国際天文学連合(IAU)総会で、それまで明確でなかった惑星の定義を定めるとともに、「dwarf planet」(準惑星)という分類を新設することが採択されたため、準惑星になった。また太陽系の構造をより深く理解されるようになり、冥王星型天体、あるいは太陽系外縁天体とも呼ばれる。 -16-

太陽活動が地球にもたらす影響は? フレアからの高エネルギー粒子で磁気嵐や電波障害を起こす。人工衛星や有人活動への影響も大きい。   太陽活動が地球にもたらす影響は? フレアからの高エネルギー粒子で磁気嵐や電波障害を起こす。人工衛星や有人活動への影響も大きい。  太陽は11年周期で活動している。活発なときを極大期、静かなときを極小期という。活動期(極大期)には磁力線の束が黒点となって表面に現れ、その周辺でフレア(爆発現象)など高エネルギーの爆発現象が頻発する。  フレアが発生すると高エネルギー粒子(宇宙線など光速に近い荷電粒子)が加速され、太陽風(プラズマ)よりも速く(光速で)地球に押し寄せる。地球磁気圏で食い止められるが、磁気圏を乱して電波障害を起こしたり、大気を励起してオーロラが発生したりする。  1989年の極大期には激しい磁器嵐がカナダのケベック州の電力システムを破壊し、9時間にわったて停電した。最近の極大期は2000年であったが、活動は弱く、また非常に静かな極小期は長く続いた。このためエネルギーがためこまれているとする説もあり、2012年の極大期に活動が異常に活発になるだろう予測する人もいる。 -17-

木星、土星、天王星など磁気圏と大気がある惑星や衛星で見ることができます。 地球のほかにオーロラ が見える惑星は?  木星、土星、天王星など磁気圏と大気がある惑星や衛星で見ることができます。 オーロラ(aurora)は、惑星の磁場に沿って流れるプラズマ粒子が地球の大気に  衝突することによって発生します。 火星や木星などの惑星は大気と惑星全体を包む磁場を持っているので、オーロラの発生が期待できます。水星は磁場をもっていますが、大気をもっていないのでオーロラを見る ことはできません。  -18-

金星は太陽が西からのぼって東にしずむ。大気はあるが地球よりも高温で住みにくい。  金星と地球の違いは?  金星は太陽が西からのぼって東にしずむ。大気はあるが地球よりも高温で住みにくい。 金星の赤道傾斜角(自転転軸と惑星の公転軸の角度)は178度であり(0度だと同じ向き、地球は23度)、自転軸がほぼ完全に倒立していて、他の惑星と逆方向に自転していることになる。  そのため、地球など金星以外の惑星では太陽が東から昇り西に沈むが、金星では西から昇って東に沈む。自転がなぜ逆転をしているのかはわかっていないが、おそらく大きな星との衝突の結果と考えられている。金星の赤道は、黄道面と2度ぐらいしか傾いていないので、自転軸が倒立しているとは言え、金星から見た太陽は常に赤道上にある。このため、地球などに見られるような気象現象の季節変化はほとんどないと推測されている。  金星は地球よりも太陽に近いため、太陽熱による加熱が大きく、また大気の温室効果のため、気温は地球よりもはるかに高い。水などが蒸発し、生命には厳しい環境のようである。 -19-

金星の姿は未来の地球ってホント? 太陽に近いため高温で、地球とは違う気候条件なので、地球の未来予測には使えません。  金星の姿は未来の地球ってホント? 太陽に近いため高温で、地球とは違う気候条件なので、地球の未来予測には使えません。  金星は地球とほぼ同じ大きさの惑星ですが、地球の内側の軌道を回り、地球より太陽に近かったことが全く違う歴史を刻むことになりました。金星の気温が地球よりずっと高かったため、原始の地球のように雨を降らせて海を形成し、二酸化炭素を大気から取り除くことができませんでした。二酸化炭素は金星に大きな温室効果をもたらしました。温室効果は太陽に暖められた熱を大気中に閉じ込め、宇宙に逃がしませんでした。いまや金星の表面温度は太陽に一番近い水星より高温の470度になってしまいました。いま地球では、人間がつくり出した音室効果が、地球の温度を上昇させているわけです。  -20-

火星はなぜ赤いの? 表面が赤い土でおおわれているため  火星はなぜ赤いの? 表面が赤い土でおおわれているため  火星の表面には明るい赤褐色の地域と色彩のはっきりしない暗い地域がありますが、表面の7割以上は赤褐色の地域でしめられています。つまり、火星の表面は赤い土でおおわれていることが赤く輝く理由なのです。  1976年のバイキング探査機は火星の砂や土をくわしく分析し、赤褐色は酸化第二鉄などの鉄の酸化物、すなわち鉄サビの色であることをつきとめました。火星は鉄サビでおおわれていたのです。  火星には地球の百分の1以下の薄い大気がありますが、その95%は二酸化炭素でできています。表面気温は、夏は平均-60℃、冬は-120℃です。また強い風により、ときどき砂あらしが起こりますが、この時まき上げられた細かい砂のため、火星の空はピンク色になっています。この砂あらしにより、薄暗い模様の濃淡も変化することがあるのです。 -21-

オリンポス山 火星にある太陽系最大の火山の名前は? 周囲の地表から約27,000mまで山体が立ち上がっている。これはエベレストの3倍程度に相当する。火星の標高基準面(地面)からの高度は25,000mである。斜面の最大傾斜角度は数度しかなく、裾野(山のふもとに広がった野原)の直径550km以上もある。また、そのカルデラには富士山がほぼ収まってしまう。これほど巨大化したのは火星ではプレート移動が起こらないため、ホットスポット(プレートより下のマントルに生成源があると推定されるマグマが吹きあがってくる場所)上に火口が留まり続けたためではないかと考えられている。 -22-

惑星の山って? 火星のオリンポス山、 金星のマックスウェル山、 地球のエヴェレスト山など -23- 地球のエヴェレスト山など  1位 火星のオリンポス山 標高2万5000m(25km) (豆な知識):なぜここまで大きくなったのか。それは、プレートに起因していると考えられます。火星はプレート移動がないため噴火口が動かず同一の場所で噴火したものと考えられます。それと、大気が薄いので浸食されにくいのも理由の一つです。裾野の直径は700km (東京~広島まで)     2位 金星のマックスウェル山 標高1万1000m(11km) (豆な知識): 金星には海がないので、海抜で標高を表現できない。そこで、山や谷をすべてならし、金星全体を凹凸のない球体とした場合を考える。この球体の表面から、マックスウェル山山頂までの高さが、11kmなのだ。一方でマックスウェル山の裾野の直径は10kmしかない。標高よりも短いのだ。マックスウェル山は非常に縦長な山なのである。マックスウェル山のような急斜面の山が存在できるということは、金星の岩石は非常に強度を持っているのであろう。   3位 地球のエヴェレスト? 標高8844.43m(約0.88km) (豆な知識):太平洋の底から測定すると約13kmもある。なので、高低差で考えると実際は第2位である。 -23-

惑星誕生のときの原始円盤のなごり。 土星には、なぜ環があるの?        太陽ができるときにも惑星のもとになった原始太陽系円盤がありました。ガスの塊が収縮して天体が生まれるときにはその回転の勢い(角運動量)のためにかならず円盤ができます。土星の環も、その誕生のときの円盤の名残です。  木星や、土星、天王星、海王星は水素、ヘリウムを主成分とする自転が速いガス惑星で、周りにリングを形成するのが特徴。 土星: 太陽系2番目の大きさながら、水に浮くほど軽い天体(図4)。約60個もの衛星や、12本の環と6本の隙間がある。自転が速く、大気の中で風が吹いて最高時速は1800km以上にもなる。    土星の環は、彗星や小惑星が土星の衛星とぶつかってそのかけらが土星の引力によって環を形成した。輪は主にケイ酸塩、氷などの塵、小石から家までの岩などである。幅は約23万キロで、環の厚さは内側のほうが薄く、5cm~1万㎞だといわれている。 図4(ウィキペディア・参考・カッシーニ撮影) -24-

土星 太陽系の中で1番密度が低い惑星は? 水 星 5.43 1g/cm3 金 星 5.24 地 球 5.52 火 星 3.93 惑星の平均密度は 水 星 5.43 1g/cm3 金 星 5.24 地 球 5.52 火 星 3.93         (ここまで岩石型、地球型) 木 星 1.33 土 星 0.68 天王星 1,270 海王星 1,670          (木星型、ガス惑星) (冥王星 2,130) 土星は水より密度が低く、水(1g/cm3))に入れる事が出来れば浮いてしまう。 -25-

太陽は何年前に出来たの? 46億年前  太陽と地球が生まれたのは同時期なので、まず地球にある古い岩石を調べる事で地球の年齢を知り、そこから太陽の年齢を推定出来る。地球や隕石から推定される太陽系の年齢は46歳。  太陽は宇宙空間に漂う水素やヘリウムを主体とする星間ガスが集まって出来たもの。太陽の明るさ(水素やヘリウムの核反応で出てくるエネルギー)と太陽の重さから、太陽の寿命は100億年ほどで、今後50億年輝き続けることがわかる。 -26-

太陽系はどのように出来たと考えられていますか? 太陽が出来る時、回転する成分が円盤となり、その中にできた無数の小さな微惑星が次々とぶつかって、だんだん大きくなり、惑星に成長した。 星間ガスが重力で固まって太陽(恒星)が出来た時、回転する成分が周りに円盤(原始太陽系円盤)をつくった。円盤の中ではガスや塵から微小天体や微惑星が無数にでき、それらが衝突、合体をくりかえして、惑星が形成されたと考えられている。 -25-

恒星 -28-

太陽はどんなタイプの星? 自分で核エネルギーを出して輝いている恒星  太陽はどんなタイプの星? 自分で核エネルギーを出して輝いている恒星 夜空の星には大別して自分で光(エネルギー)を出して輝く恒星、太陽の光を反射して光る惑星や月(衛星)などがある。太陽は典型的な恒星でG型と分類される。銀河系には何千憶個もの恒星があり、太陽はごくありふれた恒星の一つである。 太陽質量:太陽の質量(重さ)は、地球が太陽の周りを回転(公転)するときの遠心力が、太陽の重力とつりあっていることを使って力学的に求められます。太陽質量は2x10の30乗kgです。  -29-

太陽表面の温度は何度? 表面は5800K (=約5500℃、中心部は1500万K)  太陽表面の温度は何度?  表面は5800K (=約5500℃、中心部は1500万K) 太陽は中心部で水素がヘリウムに変換される核融合反応によって大量のエネルギーが生み出される。エネルギーは放射(光)と対流で外側に伝わって行き、表面から宇宙空間に放出される。  太陽表面の温度は5800K(ケルビン)。Kは絶対温度の単位で、0K(絶対0度)は -273℃)。太陽表面に浮き出ている黒点は周りがとても明るいので黒く写るが、実際には4400Kもある。 -30-

およそ4000K 太陽の黒点の温度は? 黒点は普通の太陽表面温度(5,800K)に比べて、4000度と低いために暗い。 実際には黒点の部分も光を放っているが、温度が低いために弱い光なので相対的に黒く見える。もし、黒点を切り取って夜空に配置したとすると、満月よりもはるかに明るく輝く。 発生の原因は太陽の磁場によって内部からの熱の流れが抑えられるためと考えられている。 黒点は太陽の自転とともに東から西へ移動する。 -31-

コロナはなぜ太陽の表面より温度が高いの? その理由はまだ解明されていません コロナは、太陽の周りに漂う100万度という高温の希薄なガスの大気。皆既日食の時に地球上から神々しい光芒として観測される(図参照)。主体は陽子(イオン)や電子からなる電離したガス(プラズマ)で、微量の鉄やカルシウムなどの金属も含まれる。5800Kの太陽表面に接していながら100万度という高温に保たれている加熱のメカニズムはまだ解明されていない。  -32-

今は安定した主系列にいるが、50億年後には膨張して赤色巨星になる 太陽はいつまで安定して光っているの? 今は安定した主系列にいるが、50億年後には膨張して赤色巨星になる       いくつかの原子核が融合して新たな原子核ができる反応のことを核融合反応という(図)。太陽の中心部では、水素原子がヘリウム原子核に変わる核融合反応が進んでおり、その反応で少しだけ質量が奪われエネルギーに変換される。この時期を主系列の時期と言い、安定して100億年続く。太陽は46億歳なので、今後50億年は安定している。  晩期になると太陽の中心核にある水素が徐々に失われていき中心部が収縮を始め、核エネルギーに加えて重力エネルギーも熱源となる。周辺では重力と膨張しようとする力のバランスが崩れて膨張し始める。約80億年ごろには中心の温度は3億度ぐらいになり、  大きさは200倍近くになると言われている。 -33-

惑星などは反射率に応じて恒星の光を受けて光って見えるから。 星は、なぜ光っているの? 恒星は自身が光っている。 惑星などは反射率に応じて恒星の光を受けて光って見えるから。 太陽のような星の中心部では核反応によってエネルギー発生し、放射(光)や対流で表面に伝わり、表面の温度が数千度という高温のガス体になっている。するとその温度特有の光を放射して(黒体放射という)冷えようとする。こうして表面から放たれた光が私たちに届いて輝いて見える。自ら光を出して輝く天体のことを恒星という。太陽も恒星の一つ。 ・反射率: 光などの波が何かに当たった時どのぐらい跳ね返るかの度合い。 因みに、月の反射率は約7%、地球は約40%、鏡(銀)は約90%の反射率を持つ。 -34-

星は、なぜ昼に出ないの? 昼も出ているけれど見えない。  日中も星は出ているが、太陽の光で大気が明るく輝いているために、見えづらくなっている。月などは地球に近いため昼間でも見る事ができる。  反対に、夜は太陽が沈んで暗くなるので星が見えやすくなる。 -35-

一等星から六等星まで約8400個 肉眼で見える星の数は?  一等星から六等星まで約8400個   実際は地平線の上半分しか一度に見える星の数は半分くらいになります。一等星、二等星というのは、紀元前150年頃、ギリシャの天文学者のヒッパルコスがはじめました、夜空でもっとも明るい星たちを一等星、次に明るい星たちを二等星、そして眼で見える一番暗い星を六等星と名付けました。 -36-

一等星や二等星などは、それぞれ何個ぐらい? 答え 星の明るさは等級という単位で表され、5等級で100分の1(1等で約2.5分の1)になるように定義されています。明るいほど等級は小さく、暗い星ほど等級は増えます。1等星は6等星よりも5等級明るいので、100倍明るいことになります。シリウスは0等、それよりも明るい星にはマイナスの等級がつけられます。宵の明星の金星は-3-5等級、満月はー14等、太陽はー27等という具合です。星の等級は望遠鏡によって精密に測定され、星のカタログには小数点以下まで詳しく明るさが載っています。 -37-

どのくらいの星の明るさなら目(肉眼)で見えるのか?  どのくらいの星の明るさなら目(肉眼)で見えるのか?  六等星 六等星とは、一等星の1/100の明るさ ちなみに等級とは、星などの天体の明るさを表す単位で、人類が望遠鏡で見える最も暗い天体はおよそ32等星。一等星分暗くなると1つ前の等星の約1/2,5の明るさになる。 北極星(2等星)   -38-

星(彦星)と星(織姫)の距離はどうやって求めるの?  星(彦星)と星(織姫)の距離はどうやって求めるの? 星の距離と方角から、3次元的な位置関係が分かれば星同士の距離が求められます。  三角測量の原理を使います。二等辺三角形では、底辺の長さと頂点の角度がわかれば残りの二つの辺の長さが決まる。これを利用すれば星の距離を測れます。 地球は太陽から約1億5千万キロ離れた軌道を1年で回っているので同じ星を半年後に観測すれば、約3億キロも離れた場所から見ることになる。これが三角形の底辺です。 こうして、彦星までは17光年、織姫星までは25光年離れていることがわかります。 つぎに地球、彦星、織姫星を頂点にした三角形を描きます。地球からの二つの辺の長さはわかっているので2つの星の角度から、彦星と織姫星の距離がわかるというわけです。  光学望遠鏡で三角視差が測れるのは数百光年までです。さらに遠い銀河系の構造などはメーザー電波を出す星を使ってVLBI(大陸間干渉計)という方法で求めます。我が国は銀河系地図描くために作られたVERAという装置が活躍しています。  -39-

約5000年以上前から 星座はいつの時代からあるの?  星座はいつの時代からあるの? 約5000年以上前から 最も古い記録は、古代エジプトの遺跡にあります。それをもとに約5000年という数値を導き出したと考えられますが、もっと以前からあると思われます。  -40-

星座の形は変わるの? 変わります 個々の星は太陽に対して秒速10~30kmでランダムに運動しています(固有運動)。そのため、太陽から見た星の位置は時々刻々変化しています。たとえば星が秒速10kmで動いていると1年間で3000万kmも動きます。これを10光年離れたところから見ると1年間で角度の0.7秒移動することになります。1年ぐらいではほとんど位置の変化は分かりませんが、何万年、何10万年の間には星の位置は勝手な方角に何度も動いてしまうのです。そのため星座をつくっている星の位置が変わってしまうために、形がかわるのです。 北斗七星の変化 -41-

1「光年」って何? 距離の単位の1つです。 光が1年かかって進む距離の事を言います。  光や電波が1秒間に進む距離は地球を7週半できる程で、光年とは、その光ですら年単位の時間がかかる距離なのです。メートルに言い換えると約9億5千億キロメートル。  因みに、彦星と織姫の間の距離は15光年なので、彦星がもしもしって電波を送っても織姫に届くのは15年後になってしまいます。新幹線だったら7000万年かかる計算になります。 -42-

南十字星はどこに行けば見られるの? 南方(日本だと沖縄など)や南半球に行けば見られる。  南十字星はどこに行けば見られるの? 南方(日本だと沖縄など)や南半球に行けば見られる。 南十字星を探すには、冬の明け方、早春の深夜、春の宵の空がチャンスとなります。もっとも南半球まで行けば話は別で、南緯33度以南に行けば南十字星は1晩中沈まなくなり、1年を通していつでも見ることが可能となります。 -43-

星の名前はどうやってついたの? 古代にはギリシャ神話に因んでつけられた。天文学では星座毎に番号(α、βや数字)をふったり、座標でよぶ。  星の名前はどうやってついたの? 古代にはギリシャ神話に因んでつけられた。天文学では星座毎に番号(α、βや数字)をふったり、座標でよぶ。 星座になっている星の名前は、その星座に関係した名前になる事が多い。また、星座はギリシャ神話に基づいて決められていますが、形は古代人の想像力によっています。星座の中で明るい順にギリシャ文字のアルファベットでよばれます。オリオンα星はオリオン座で一番明るい星、リゲルのこと。  天文学では星座毎に一番明るい星をα、次をβ、さらに英数字で表す。星のカタログでは固有の名前の他に通し番号と、座標(赤経、赤緯)を名前にすることが多い。 -44-

暗黒星雲から生まれる。 星はどこで生まれるの? 暗黒星雲とは、低温(絶対温度10-20K)の、星間ガスの中では特に密度の高い雲です。その内部で密度のむらができると、濃い塊は自己重力で潰れ始め、熱が逃げやすい状態になると、圧力も下がって、どんどん固まっていきます。ガスが中心に十分固まると、温度が上がり、中心に恒星が生まれます。雲は回転しているために、恒星が輝きだす前の段階で二重星になったり、惑星系が誕生します。 -45-

恒星の場合、表面の温度によって見え方が違う。  星の色はなぜ違うの? 恒星の場合、表面の温度によって見え方が違う。 恒星表面の温度によって色が違って見える。高温の場合は青い色に見え、低温の場合は赤い色に見える。太陽の表面温度は5800Kなので私たちの目もその色に敏感。シリウスは表面温度が10000Kと高く、青白い色に見える。アルデバランなどの巨星は温度が2000-3000Kと低いので赤い色をしている。  惑星は恒星からの光で輝いて見えるため、主に地表面の色が星の色に見える。 -46-

太陽や星はなぜ自転してるの? 誕生した時の回転の勢い(角運動量)によって回転してる。  太陽や星はなぜ自転してるの? 誕生した時の回転の勢い(角運動量)によって回転してる。 地上にいると、何かを回転させるためには動力が必要なように感じるが星の自転に何かの力が必要なわけではない。星はもともと、誕生した時から自転しているのである。恒星は、宇宙のガスや塵が渦を巻くように回転しながら集まり、その中心に誕生する。惑星や衛星も、その周囲で回転しながら誕生した。恒星も惑星も、生まれた時の回転を受け継いでいるので、止める力が働かない限りそのまま回り続けることにない。これを角運動量保存の法則という。つまり、星にとっては自転しているほうが自然なのである。銀河や星雲など、ほとんどすべての天体は回転している。 -47-

直径が一番大きな星は? おおいぬ座VY星という赤色超巨星で、直径は約25億km~30億kmある。 この大きさは、太陽の約1800倍~約2100倍で、太陽系に置き換えると土星の軌道までに及ぶ。体積は、太陽の約60億倍~約90億倍、しかし大きさの割に質量が太陽の約30倍~約40倍と他の大きい星と比べると少ない。  また赤外線星(星が収縮期にある原始星、あるいは超巨星)の中には直径がおよそ148億Km、太陽の約10600倍の星もある。 太陽とおおいぬ座VY星との 大きさの比較 -48-

太陽はおよそ100億年。軽い星は長生き、重い星は短時間で死を迎える。 恒星の寿命は? 太陽はおよそ100億年。軽い星は長生き、重い星は短時間で死を迎える。  恒星の寿命は質量の2乗~3乗に反比例する。恒星の寿命が質量の3乗に反比例する場合、太陽の2倍の質量の恒星は太陽の1/23=1/8の寿命しかないことになる。太陽の寿命は100億年程度と考えられているので、この恒星は12億年~13億年の寿命ということになる。太陽の10倍の質量の恒星は太陽の1/103=1/1000、つまり1000万年の寿命しかないことになる。逆に太陽の1/2の質量の恒星は、太陽の8倍の800億年の寿命ということになる。 太陽の重さ:地球(約5.97×1024kg)の33万倍。 太陽の20倍の星:1000万年 太陽と同程度の星:100億年 太陽の半分程度の星:1000億年 -49-

中性子星やブラックホール、あるいは白色矮星になる。 星は最後にどうなるの? 中性子星やブラックホール、あるいは白色矮星になる。  太陽の8倍以上の重さの星は爆発して、残った中心核は中性子星(太陽と同じ重さで大きさが地球の約635分の1の星)やブラックホールになる。  太陽やそれより軽い星は白色矮星(重さが太陽と同じで大きさが地球と同じぐらい)になり、やがて光る事を止めて暗くなっていく。 (超新星残骸CasA) -50-

ブラックホール -51-

光も抜け出せない程の超強い重力が発生している領域 ブラックホールって何? 光も抜け出せない程の超強い重力が発生している領域  太陽の8倍以上の恒星は、その一生の終わりに収縮した後大爆発を起こす。この時、恒星の外側はバラバラに吹き飛んで中心核だけが残るが、爆発前の恒星が太陽の30倍以上の重さになると、中心核を支える力よりも自身の重さの方が大きくなり、この中心核も収縮してしまう。こうして収縮が進むと、やがて中心核は30km/sの光すら脱出できなくなる程重力の強い天体になる。  これがブラックホールであり、私たちの銀河系の中心にも巨大なブラックホールが存在している。 -52-

天体の半径がある限界より小さくなると、重力を圧力で支え切れなくなり、光も出てこれなくなってブラックホールとなる。 ブラックホールはどうやってできるの? 天体の半径がある限界より小さくなると、重力を圧力で支え切れなくなり、光も出てこれなくなってブラックホールとなる。         太陽より約8倍以上の大きさの恒星は超新星爆発のとき星の外層を吹き飛ばし、一連の核反応の後、残った中心核は中性子星(パルサー)となる。  太陽より約30倍以上の大きさの恒星は超新星爆発後、中心核が重力崩壊して収縮し続け、ブラックホールになる。  銀河の中心には数100万、数千万太陽質量の巨大ブラックホールが存在する。これらは銀河の形成時に、中心部で生まれたたくさんのブラックホールが合体し、そこに周辺の星やガスを飲み込んで成長した。 超新星爆発(図6):大質量の恒星が一生の最期に起こす大爆発。恒星の主成分である水素やヘリウムが核融合反応の末、最終的に中心に鉄のコアを作るが、そこまで成長すると中々核融合を起こさなくなる。しかし50億度以上になると鉄が光分解を起こし、吸熱反応をすることでコアの温度と圧力が一気に下がり、外側の物質が内側に落ち込み、猛烈な反発によって爆発する。 図(Yahoo画像・参考) -53-

周りに何もなければ、非常に長い時間をかけて蒸発する。 ブラックホールは最後どうなるの? 周りに何もなければ、非常に長い時間をかけて蒸発する。         ブラックホールの周辺に物質が落ち込むと熱(エネルギー)をだす。その熱(エネルギー)はブラックホールの引力を振り切って放出されるが、ガスの一部はブラックホールに吸い込まれる。こうしてブラックホールは際限なく太っていく。一端ブラックホールに吸い込まれた物質は外へでることができない。 しかし、物質(ガスなど)の供給が完全に断たれて十分な時間があれば、ブラックホール自身がある確率で少しずつ周辺にエネルギーを放出して蒸発していく。ただし極めて長い時間がかかる。通常のブラックホールは宇宙の年齢より短い時間で蒸発することはない。 -54-

 ブラックホールの観測方法は?  降着円盤をX線や電波で観測し、力学的に存在を力学的に推定する。重力レンズで背景に対して影ができるのでそれを観測する方法も考えられている。 降着円盤はブラックホールが恒星などを吸い込むときにできる、回転ガス円盤のこと。(図)。この円盤は恒星程度のブラックホールではX線、銀河中心の巨大ブラックホールでは電波やX線を出している。X線や電波の輝線のドップラー効果で、重力の強さを推定し、また速度から質量を推定する。その質量が十分小さな空間に詰まっていると判断されるときに、ブラックホールが検出されたと考える。またブラックホールがあると、背景の光に対して影になることが理論的に予測されている。この影が観測されれば、ほぼ直接的な検出になるが、非常に小さい領域の撮像をする必要があり、難しい観測である。現在ミリ波による高分解干渉計観測によるブラックホール撮像プロジェクトも進んでいる。 -55-

地球からブラックホールを観ることはできるの? ブラックホール自体を観ることはできないが、影を見ることができる。 ブラックホール自体を観ることはできない。ブラックホールは光をも引きつけるほどの重力をもっている。光速で脱出を図っても重力から逃れることができないため見えない。しかし、周りの星などがブラックホールに引きつけられるので、力学的に存在を確認することはできる。 またブラックホールがあると背景の光が曲げられて影ができるので、ブラックホールの影を見ることはできる。これを観測する試みが行われている。 -56-

銀河 -57-

銀河系(天の川銀河)はどんな形? 円盤の形をしていて、 渦巻き腕をもっている 私たちの銀河系は典型的な渦巻き銀河で、円盤の形をして回転していて、渦巻き腕をもっています。となりの巨大銀河であるアンドロメダ銀河とは姉妹の関係で、他の小さな銀河を従えて銀河群とよばれるグループを作っています。銀河系には銀河は数千億の恒星と星間物質(ガス)、そして目に見えないダークマターがあります。星間ガスからは今でも星や惑星が作られています。 -58-

銀河系の重さは?星の数は? 太陽の重さにしておよそ2000億個分。その半分は恒星、あとの半分はダークマターが占めています。星は、個数にすると小さな星が圧倒的に多くて、全体では1兆個以上 銀河系の重さ(質量)、銀河回転の遠心力と、重力の釣り合いで求めることができます。全質量は、太陽の質量にしておよそ2000億個分、その半分を恒星や星間物質、あとの半分をダークマターが占めています(太陽質量=2x10の30乗kg)。  恒星の数にすると、すべての星が太陽と同じだとすると1000億個ですが、星の質量はまちまちです。太陽よりも小さな星の数が圧倒的に多いので、銀河系全体では1兆個以上の恒星が存在します。そして恒星と同じくらいの数の惑星系が存在します。 -59-

渦巻き銀河や楕円銀河、不規則銀河などがあります。 銀河にはどんな種類があるの? 渦巻き銀河や楕円銀河、不規則銀河などがあります。 私たちの銀河系やアンドロメ銀河は渦巻き銀河とよばれる円盤型の銀河ですが、渦の巻き方や大きさはいろいろです。腕をもたずに楕円形をした楕円銀河もたくさんあります。ハッブルは銀河を図のように分類しました。このほか不規則な形をした銀河や、小さな矮小銀河とよばれるものなど、さまざまな銀河があります。 -60-

暗黒物質(ダークマター)ってどんなもの? 私たちが知っている普通の物質ではなく、重さ(質量)だけがあり、光や電波で見えないもの。  目に見ることが出来ず、天体観測手段である電磁波では暗黒物質は直接見ることはできない。新種の素粒子の可能性もあり、電磁波を出さない未知の物質である。その存在は、渦巻き銀河の回転速度分布(物質の量で速さが決まる。)を観測し、銀河内の明るい星や星間ガスではない、光では見えないが重力のもとになっている「質量」だけが観測される事から分かった。このような質量だけをもっている物体をダークマター(暗黒物質)とよびます。  銀河団規模で非常に重い物質(すなわち大きな重力)があると『光が曲げられる』という「重力レンズ効果」からもダークマターの存在を示す証拠が得られています。 -61-

宇宙人は存在するの? 人類も宇宙人ですから、少なくとも太陽系には存在します。 -62-  宇宙人は存在するの? 人類も宇宙人ですから、少なくとも太陽系には存在します。 地球外生命はまだ検証されていません。ただ、可能性についてはいろいろ考察されています。地球上の生物の細胞は「アミノ酸」「塩基」「糖」「リン酸」「脂肪酸」などでつくられています。地球外から降ってくる隕石からアミノ酸が発見されが、隕石は太陽系形成当時の物質からできていると考えられので、原始太陽系内にアミノ酸が存在していたことを示すと考えられます。核酸はまだ検出されていませんが、生命を構成する要素のほとんどが宇宙空間に存在すると考えられています。  木星の衛星エウロパは、希薄な酸素の大気を持っており、表面は厚さ数kmの氷に覆われています。この氷の下には海水(塩水)が広がっています。地球と同じように、木星の引力で潮の干満を起こします。水の変形は海底や表面の氷との摩擦を引き起こし、熱が発生します。そのため、表面温度は-110℃であるにもかかわらず、内部の海は比較的暖かく、原始的な生命がいる可能性があるのです。2035年にNASAはエウロパに探査機を着陸させる構想を発表しています。 -62-

宇宙 -63-

宇宙はどんなふうに産まれたの? ビックバンよりも前に『インフレーション』があってビックバンを起こしたと考えられている。   どうしてビックバンからではないのか?それは、あらゆる方向からほとんど同じ温度の光(宇宙背景放射)としてやってくるのが不自然だからである。地球で考えてみてもあらゆる場所で温度が同じなどということはありえない。宇宙も同じである。では、どうすれば同じ温度にできるのか?そこでインフレーションが登場する。初期宇宙のごく小さな領域(これなら温度が同じである)がインフレーションよって爆発的に大きくなるという考えである。 -64-

宇宙の暗黒時代って? 宇宙に最初の星が生まれる直前の時代  ビッグバン直後から38万年までは、原子の材料である原子核と電子がバラバラに存在しており、それが雲の様に光が進むのを邪魔していたが、38万年以後は電子と原子核が結合して、光が邪魔されずに進めるようになった。これは「宇宙の晴れ上がり」と呼ばれる。  この宇宙の晴れ上がりから、宇宙で最初の星が誕生して更に星の集団である銀河が誕生する7~8億年は、直接観測する事が出来ず「暗黒時代」と呼ばれている。 -65-

宇宙の平均温度は何度? 約-270 ℃ (絶対温度で3K) -66f- 地球上の気温は、最高が中東のセ氏58.8℃、最低が南極の-89.2℃そして、平均気温は15℃ですが、宇宙の平均温度は-270 ℃と途方もなく低温です。これは絶対温度で約3Kです。物体が最も冷えたときの温度を0度と決めて計った温度を絶対温度といい、ケルビン(K)で表します。絶対温度0Kは -273.15℃です。宇宙は初め高温高圧でしたが、ビッグバンで膨張して冷えた結果3Kに下がったのです。これは宇宙のあらゆる方角から電波が来ていることで分かり、宇宙背景放射と呼ばれています。最近のWMAP(ウイルキンソン背景放射費等方探査機)などの観測で、この温度にはわずかなゆらぎがあることも分かっています。  (WMAPによる宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎ。) -66f-

ビッグバンの証拠は? 3K宇宙背景放射の発見  1964年,アメリカのベル研究所のペンジアスとウィルソンは,通信衛星技術に用いられるアンテナを開発するため,宇宙からくるマイクロ波の試験観測を していた。しかし彼らは,どの方向にアンテナを回してみてもほぼ一定の強さで存在する雑音があることに気づいた。この雑音こそ,宇宙が膨張していて,かつては高温の火の玉(以下,ビッグバン宇宙)であったという一つの証拠なのである。 宇宙が膨張しているということは,昔にさかのぼるほどその体積は小さく,密度も温度も高かったはずである。十分温度の 高い状態では,物質は電離してプラズマという状態になる。この状態では,輻射(光のこと)は電子に散乱されてまっすぐ進むことが できない。宇宙が現在の1000分の1程に膨張したときに,輻射と物質の相互作用が切れて,輻射は初めてまっすぐ進むことができるようになった(これを宇宙の晴れ上がりという)。このとき輻射は,数千度という高温であったが,宇宙が膨張する間にその温度を下げて, 現在のような3K(約-270℃)という低温になった。彼らの発見した雑音は正にこの高温の輻射の名残(宇宙背景放射)であるとすれば説明できる。 -67-

ハッブルの法則とは? 銀河は距離に比例した速度で遠ざかっているという法則 -68- 銀河は距離に比例した速度で遠ざかっているという法則  宇宙には,銀河と呼ばれる巨大な星の集団がいくつも存在している。銀河は我々から非常に遠いので,その距離を決めるのは至難の業である。  しかし1922年,アメリカの天文学者ハッブルは,セファイドとよばれる 変光星の変光周期と真の明るさの間に一定の関係があることを利用して銀河の距離を観測から決定することに成功した。 銀河からくる光のスペクトルに現れるドップラー効果を使って、我々に対する速度がわかる。  ハッブルは、銀河の距離と後退速度の関係を調べたところ、距離の遠い銀河ほど,我々から速く遠ざかっていることを見出した(ハッブルの法則)。  このことは宇宙が一様に膨張しているためであると解釈するの が最も自然である。ハッブルの発見は,膨張宇宙の確たる証拠として迎えられた。 -68-

100億年後宇宙は、どうなっているでしょう? 膨張しつづけると考えられています。 宇宙はビッグバンのあと膨張を続け、ダークエネルギーという圧力に相当する力が働いて、膨張の速度が加速しています。未来には膨張速度はさらに早くなり、永遠に膨らみ続けると考えられています。その結果宇宙の温度は現在の3K(約-270℃)よりもさらに冷えて超低温の世界になります。 また、星については、たとえば太陽のような恒星は50億年ほどで寿命の最期となり、赤色巨星となって地球は太陽に飲み込まれ失われてしまいます。そのあと太陽は白色矮星となってしばらくは光っていますが、やがて冷えて暗くなっていき、最後には見えなくなります。  -69-

-70- 制作: 明星大学2010年夏休み科学体験教室プロジェクトⅠ(天文宇宙)参加者: ◆本冊子は、学生自主作成問答集を体験教室用に編集した教育用資料です。 ◆画像の出典:NASA、諸天文台、他、のホームページから引用しました。 内容についてのお問い合わせは担当教員まで。 -70-

明星大学  2010年夏休み科学体験教室 プロジェクトⅠ(天文宇宙)参加者制作