ステンレス製ナノ・ニードル基板を用いた細胞操作デバイスの作製 -有機物質とのハイブリット化を添えてー ステンレス製ナノ・ニードル基板を用いた細胞操作デバイスの作製 -有機物質とのハイブリット化を添えてー ナノメディシン融合教育ユニット 平成19年度 問題解決実習 船村、渡邊、安井、寺尾、小此木、興津 担当教官 宮野、寺村 1
目標 ステンレス製ニードル基板とMEMS技術を組み合わせてハイブリッド型細胞操作デバイスを作製する。 例1:フィルター 例2:細胞膜に傷を付け内部に異物を導入出来るようにする。→ニードル型メス
このデバイスの利点 ステンレス基板を使用するので 高い圧力で操作出来る。 MEMS技術を使用するので サンプルの必要量は少量でOK マイクロよりさらに微細なナノへ これまで不可能だったらアルガネラの選別ができる(かも)
構想図 細胞 こんな風になれば嬉しい ニードル基板 細胞が流れる流路はPDMSで製作する。
計画 マスクの作製 流路の作製 ステンレス基板の熱処理・エッチング 組み立て 実験1(水を流す) 実験2(細胞を流す) 評価・考察
製作するデバイスの仕様 流路の形状(3種類) 1.直線 2.ポートから流路までをなだらかに収束 3.蛇行 流路の幅(3種類) 1.直線 2.ポートから流路までをなだらかに収束 3.蛇行 流路の幅(3種類) 20μm、50μm、100μm 流路の高さ(2種類) 50μm、100μm
製作1 マイクロ流路部の作製 流路部はPDMSを使いSU-8で作製した型から抜くことにした。
製作2 ステンレス基板の熱処理・エッチング SUS304を1300℃まで加熱し水冷、さらに900℃まで再加熱する。その後エッチング。
製作3 組み立て 組み立てた形状はこんな感じ
実験1 水を流す 組み立てた流路に着色した水を流してみた。 実験中の流路は 幅は100μm 高さは50μm
実験2-1 蛍光ビーズを流す 細胞を流す前に蛍光ビーズを流してみた。
実験2-2 細胞を流す 混濁液を流路に流し、出口から採取した後に蛍光顕微鏡で観察。 マウス赤芽球性白血病(MEL細胞) 流路通過量100ml 実験2-2 細胞を流す 混濁液を流路に流し、出口から採取した後に蛍光顕微鏡で観察。 マウス赤芽球性白血病(MEL細胞) 流路通過量100ml 導入物質IGG抗体+蛍光物質CY3 観察へ
観察例
まとめ
結果 ニードル有り基板を通した細胞には蛍光の発現が有り導入が確認された。 比較対象のニードル無し基板を通した細胞には発現が無く導入が確認されなかった。 この結果から、ニードルの効果により細胞内に薬液が導入されたと云える。
このデバイスの利点 導入の為にエネルギーを使わない →極めて省エネルギーのデバイス 連続処理が可能 →導入効率が飛躍的に向上する可能性 →極めて省エネルギーのデバイス 連続処理が可能 →導入効率が飛躍的に向上する可能性 他のデバイスへ容易に組み込むことが可能 →システム性に優れる
今後の確認事項 精密な導入効率の確認 流路、ニードル等の最適化 様々な物質の導入 特に遺伝子の導入実験 細胞融合への適応 などが考えられる。
謝辞 本課題解決実習の様々な過程において、懇切なる御指導と御鞭撻を賜った、宮野先生、寺村先生に心より感謝を申し上げます。 数々の御助言と御指導を賜りましたユニットOBの先輩方に深謝申し上げます。 ナノメディシン融合教育ユニットの皆様に感謝いたします。 ありがとうございました。