フィールドセンシング Field Sensing Technologies 担当 厳 網林 2005年秋学期
第1回 センシングとは 空間におけるさまざまな自然的(社会的)事象の状態や変化を感知すること(Sensing).
センシングの方法 感覚 人間は常に五感を使って,環境の状態や変化を感知しながら行動する. 視覚,臭覚,触覚,味覚,聴覚+? 技術の発達によって,人間は身体能力を超えて環境を精密に感知できるようになっている. あらゆる計測機器はセンシングの道具である. われわれは自然環境あるいはその中にいる移動体がどうなっているかに関心がある. つまり,環境のモニタリング 環境モニタリングの技術は大きく二つに分けることができる. 衛星や飛行機に計測機器を搭載して行うリモートセンシング 地上で計測機器を使って行うフィールドセンシング 感覚
フィールドセンシングシステムの事例 ーカーナビの話から
カーナビの原理 カーナビが持つ3つの基本機能 道路状況を示すシステム:VICS(車両情報通信システム) 現在地が教えてくれる 目的地への経路が教えてくれる 道路状況が教えてくれる 現在地を測るシステム:GPS(地球測位システム) 経路を探すシステム:GIS(地理情報システム) 道路状況を示すシステム:VICS(車両情報通信システム)
GPSによる位置計測 任意の場所で同時に4つの衛星を受信 全衛星は正確なタイミングで電波を発信 2万キロ上空で地球を周回する24個の人工衛星 20000km上空 12時間で周回 単独測位
VICS交通情報の仕組み
ナビゲーションのできあがり 電子化された街の地図がモニターに表示され、その上にGPSで計った車の現在地が落とされる VICSセンターから5分おきに交通情報 GPSで計った現在地 ディスクより現在地周辺の地図を読み出し
カーナビの示唆 生活空間のデジタル化 フィールド技術によるリアルタイムな 情報サービスの多様化 観測 制御 誘導 カーナビの示唆 生活空間のデジタル化 フィールド技術によるリアルタイムな 観測 位置観測・環境観測・移動観測 制御 現場作業の自動化 誘導 マンナビゲーション 飛行機の着陸誘導 イベントガイダンス 情報サービスの多様化
カー・ナビからマン・ナビへ ―モバイル時代への対応― いつでも、どこでも、だれでも PalmOS対応PDA i-modeによるマップサービス
Google Maps/Google Local
この科目のねらい 位置情報の基本とGPSの原理の習得 フィールドでの情報収集の体験 新しいフィールド情報サービスの企画 自分で集めた情報をGoogle Mapsへ登録 新しいフィールド情報サービスの発表
授業の進め方 授業: 演習: 提案:フィールド情報サービス GPS測位、ほかの測位の原理 情報のGIS化、Web化の方法 フィールド情報の収集 集めた情報の整理 情報のGoogle Mapsへの登録 提案:フィールド情報サービス 皆が集めたフィールド情報を使って Google Maps, Google Localをプラットフォームに 地域資源の活用・地域活性化の方法を設計・実装
授業の構成 第1回 授業: 現代社会と位置 第8回 授業: 高度な衛星測位の方法 第2回 授業: GPSによる位置計測の原理 第9回 演習: 第1回 授業: 現代社会と位置 第8回 授業: 高度な衛星測位の方法 第2回 授業: GPSによる位置計測の原理 第9回 演習: 新フィールド情報サービスの提案。必要に応じてフィールドへ 第3回 フィールドワーク(10月22日) 地域情報の収集 (10月13日の授業は休講) 第10回 授業: 新しい衛星測位の動向 第4回 授業: 位置の原理と地球座標系 第11回 授業(ゲスト) 高精度GPSの応用 第5回 演習: フィールド情報のGIS化 第12回 演習: 提案するサービスの制作 第6回 授業 GPSの精度と改善方法 第13回 最終発表 第7回 演習: フィールド情報のGoogle登録 GPS測位精度の検証
履修条件 学び方: 成績: 実践重視なので、積極的に動いてくれること。 発想が大事なので、よく調べて、よく考えること。 自分でフィールド情報を集めてくるので、歩くのがいやでないこと。 コンピュータは使うが、特に難しいことではないはず。 2~4人までのグループで活動する。 ノートパソコンを持ってくること。 成績: “情報収集・企画討論・サービスの制作”、全部参加して活動し、よい情報サービスの作品を作ること。