図1 巣状糸球体硬化症(FSGS) ② ① ④ ③ ①segmental sclerosis ②global sclerosis ③TBMの肥厚 と尿細管萎縮 ④間質細胞浸潤 ① ④ ③
図2 巣状糸球体硬化症(IgM)
図3 FSGS例の皮質浅部のPAS像 ① ② FSGS例の皮質浅部の組織像で若干のメサンギウム基質の増加①とボウマン嚢の上皮の肥大②と係蹄壁の癒着を認めるが巣状の硬化像は認めない。
図4 FSGS例の皮髄境界部のPAS像 ① ② 図3と同一症例の皮髄境界部の組織像で糸球体の巣状の硬化像①を認め間質の線維化と尿細管の萎縮も認める②。
Focal vs DiffuseとSegmental vs Global (WHOの基準) ISN/RPSループス腎炎の2003年の新分類ではdiffseは全体の50%以上で、focalは50%未満と基準が異なるので要注意
解説 図1は巣状糸球体硬化症(FS[G]S)のPAS像(x200)で①は主として0時から6時にかけて糸球体の硬化像を認める。②はそれが進行しglobal sclerosisとなった糸球体。③は尿細管基底膜が肥厚しており萎縮が目立つ。④は間質の細胞浸潤が著明な部位である。 図2は蛍光抗体でIgMのいわゆる「コンマ状」の沈着を11時の方向に認める。 組織学的Subgroupの中では、予後不良のCollapsing vaiantと、比較的予後陽良好なTip variantが重要である(KI 2006;69:920-926.)。 FSGSが標本採取上の問題でMCNSと誤診されることがある(図3と図4)。MCNSと診断されて、ステロイドの反応性が不良な場合はもう一度標本を見直して尿細管の萎縮や間質の細胞浸潤があればFSGSである可能性を考える。その際必要に応じ、皮髄境界を含むように再度腎生検を行うことは治療方針を決めたり、予後を推定する上で重要である。