製品中の有機ハロゲン化合物に 関する様々な規制の紹介

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製品中の有機ハロゲン化合物に 関する様々な規制の紹介 2009年8月1日e-シンポ 製品中の有機ハロゲン化合物に 関する様々な規制の紹介 株式会社 島津テクノリサーチ 極微量分析センター 林 篤宏

化学物質環境対策 POPs条約(Persistent Organic Pollutants) 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約 PIC条約 (Prior Informed Consent) 国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約 SAICM(Strategic Approach to International Chemicals Management) 国際化学物質管理戦略。ドバイ宣言と、包括的方針戦略、SAICM実施のためのガイダンス文書である世界行動計画から構成 GHS(Globally Harmonized System) 化学品の分類および表示に関する世界調和システム AFS条約(International Convention on the Control of Harmful Anti-Fouling Systems on Ships, 2001 ) 二千一年の船舶の有害な防染方法の規制に関する国際条約 OECD(Organisation for Economic Cooperation and Development) 化学物質の有害性試験法を国際標準化、試験データの相互受け入れ 有害金属問題 国連環境計画(UNEP)において水銀、鉛、カドミウム等についてアセスメント REACH 規則(Registration, Evaluation and Authorization of Chemicals) 欧州における化学物質の総合的な、登録・評価・認可制度の通称 WEEE指令(廃電気電子機器指令) RoHS指令(特定有害物質使用禁止指令) EuP指令(環境配慮設計枠組み)

予防原則には明確な 定義が無く、偽装的な 貿易制限につながる 可能性がある EU、スイス、 ノルウェー等 予防原則 米、豪、加、日、G77 予防原則には明確な 定義が無く、偽装的な 貿易制限につながる 可能性がある TBT協定2.2 大まかな流れ 国際連合 ニューアプローチ RoHS,CEの流れ WEEE&RoHS アムステルダム条約 CEマーキング EuP アジェンダ21 CEN/CENELEC/ETSI MRA GLP/GMP UNEP 3R リオサミット バーゼル条約 UNEP GC21 PRTR UNEP GMEF OECD IFCS Ⅰ IOMC IFCS(化学物質の適正な管理のための国際フォーラム) ICCM (International Conference on Chemicals Management) (Feb.2006, ドバイで開催) 国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ(SAICM: Strategic Approach on International Chemical Management) 国連環境計画(UNEP) 欧州標準化機関 CEN、CENELEC、ETSI No data No market No data No regulation IFCS Forum Ⅲ GLP 化学事故WG SAICM Test Guide line 農薬 ISOの流れ ナノ REACHの流れ ICCM

New POPs候補物質(従来の12項目に追加) ノルウェースーパーRoHS(PoHS)候補物質 ヘキサブロモシクロドデカンHBCD フタル酸ジエチルヘキシルDEHP フタル酸ブチルベンジルBBP フタル酸ジブチルDBP PBB,PBDE Pb,Cd,Cr6+,Hg REACH-SVHC高懸念物質候補物質 RoHS候補4項目、アントラセン、重金属類、 中鎖塩素化パラフィン(MCCP;C10-13)、ヒ素など New POPs候補物質(従来の12項目に追加) PeBDE、OcBDE、α-,β-,γ-HCH、 PeCBz、HBB、クロルデコン、PFOS、PFOSF ノルウェースーパーRoHS(PoHS)候補物質 HBCD、TBBPA、MCCP、PFOA等、ビスフェノールA PeCPh、トリクロサン、重金属類など

国際標準化機関の関係 ITU ITU-T:Telecommunications ITU-R:Radio transmission (政府機関) ISO All technical fields except electrical and electronic engineering (非政府機関) IEC Electricity,Electronics & Related Technologies (非政府機関) ISO/IEC JTC1 Information Technologies ITU:International Telecommunication Union ITU-T:ITU-Telecommunication Sector ITU-R:ITU-Radio Communication Sector ISO/IEC JTC1:IEC Joint Technical Committee 1

国際規格について IEC(International Electrotechnical Commission)  国際電気標準会議 →主な役目: 国際規格作成 IEC/TC111…IECの中で環境分野の共通の規格・ガイドライン開発  化学物質規制分野(RoHS,REACH等)の活動(幹事国イタリア)  ・含有化学物質開示手順:WG1  ・環境配慮設計:WG2  ・環境化学物質試験方法:WG3→ここでRoHS分析法の規格作成  ・規制化学物質試験のための試料ガイドライン:PAS WG3対応国内委員会   …JEITA内に設置    分析法の開発、検証、提案、情報の把握等    IEC62321では臭素系難燃剤、Cr6+は付属書扱いに

分析方法の例 EPA 1614 draft 2003年8月 BAM 2005年5月 IEC 62321 Ed.1 今年のTC111WG3会議(ベルリン)においてDetermination of certain substances in electrotechnical products ... に変更された

PBB,PBDE分析方法(IEC62321 Annex A) 試料粉砕 抽出方法 ソックスレー抽出法 超音波抽出法 測定方法 四重極型等低分解能GC/MS 二重収束型高分解能GC/MS 付属書扱い→時期改定で正式文書化を目指す

新たな試験方法のプレゼンテーション 各国からのプレゼン状況 ・燃焼管分解法による総臭素の定量(韓国) ・蛍光X線法の補正、標準物質の追加や リスクアセス(中国) ・原子蛍光分析法によるPb,Cd,T-Cr,Cr6+の定量(中国) ・GCMS,LCMSなどによる芳香族炭化水素の定量(中国) ・加熱気化原子吸光光度法による水銀の定量(日本) ・イオン付加質量分析法による臭素系難燃剤の定量(ドイツ)   など

今後のRoHS分析法IEC62321の予定 ただ各国の動きが鈍く、IIS等で予定が ずれ込む可能性あり 2010年6月頃 IIS実施 2011年3月 CDV(Committiee Draft for Voting) 2012年3月 FDIS(Final Draft for International Standard) 2012年末 IEC62321 Ed.2予定 ただ各国の動きが鈍く、IIS等で予定が ずれ込む可能性あり

ストックホルム条約(POPs) 第4回締約国会議(COP4) 条約の概要:リオ宣言の予防的アプローチ POPs(Persistent Organic Pollutants):残留性有機汚染物質 附属書A,B,Cに新規POPs物質の追加 附属書A(廃絶)、B(制限)、C(非意図的放出の削減) PFOSとその塩及びPFOSFは、附属書Bに 規制対象:12種類→21種類に 発効はは1年後 既存の規制対象12種類:アルドリン、ディルドリン、エンドリン、クロルデン、ヘプタクロル、トキサフェン、マイレックス、ヘキサクロロベンゼン、PCB、DDT、ダイオキシン、ジベンゾフラン

附属書A(追加) 廃絶

Natural Resources Defence Councilの報告から 母乳中の微量成分濃度 スウェーデン 0.0 1.0 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 0.5 ① ② PBDEs 濃度(ng/g lipid) ② スウエーデンにおける母乳中のPBDEの近年の傾向です。 PCBと比較して示していますが、PCBが減少傾向にあるのに反して、量は少ないもののPBDEは指数関数的に増加傾向にあるのが解かります。 さらに,国立環境研究所と我々の共同研究からも,日本においても,PBBやPBDEが環境に拡散しているらしいということがわかってまいりました. これらのデータは、全て磁場型高分解能質量分析計を用いたデータです。 私たちもこの高分解能質量分析計を用いて、高品質なデータを出すようにしてきました。 しかしながら、いくら高性能な分析機器をもってしても様々な試行錯誤があって、初めてよい結果が出ます。 特に臭素系難燃剤の分析には、さまざまなサンプルを扱い,経験を積み重ねるしかないようです。 ①Meironyte, D., K. Noren, and A. Bergman. Analysis of Polybrominated Diphenyl Ethers in Swedish Human Milk, A Time-related Trend study, 1972-1997. Journal of Toxicology and Environmental Health Part A 1999; 58: p. 329-341. ②Noren, K. and D. Meironyte. Certain Organochlorine and Organobromine Contaminants in Swedish Human Milk in Perspective of Past 20-30 Years, Chemosphere 2000; 40: p. 1111-1123. Natural Resources Defence Councilの報告から

代替技術の開発を進めつつ、将来的な廃絶に取り組む 附属書B(追加) 制限 代替技術の開発を進めつつ、将来的な廃絶に取り組む 附属書C(追加) 非意図的放出の削減