104K以下のガスを考慮したTree+GRAPE SPH法による 銀河形成シミュレーション ~Globular Cluster Formation in the Hierarchical Clustering Universe~ 斎藤貴之(北大) 幸田仁(NAOJ) 岡本崇(ダーラム大) 和田桂一(NAOJ)

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104K以下のガスを考慮したTree+GRAPE SPH法による 銀河形成シミュレーション ~Globular Cluster Formation in the Hierarchical Clustering Universe~ 斎藤貴之(北大) 幸田仁(NAOJ) 岡本崇(ダーラム大) 和田桂一(NAOJ) 羽部朝男(北大)

1.1 Globular Cluster Formation 球状星団(G.C.)は、非常に古い天体:銀河形成期の情報を含んでいると思われている 銀河形成を理解するうえで、球状星団の形成過程を理解することは重要 形成シナリオ 宇宙の晴れ上がり直後に生成 (e.g. Peebles&Dicke1968) 銀河形成期起源 CDM halo 起源 (e.g. Peebles 1980) 超巨大分子雲起源 (e.g. Weil&Pudritz2001) 熱的不安定性起源 (e.g. Fall Rees 1985) 高赤方偏移のガスリッチ円盤起源 (e.g. Kravtsov & Gnedin 2003) Etc.

1.2 Globular Cluster Formation in the Hierarchical Clustering Universe CDM haloが起源となるG.C.形成モデルが提唱されている(e.g. Cote et al.2002, Weil&Pudritz 2001, Bromm&Clarke 2002, Beasley et al. 2003) これらは、Monte Carlo, Less Resolution, Single halo, Semi-analytic model… Weil &Pudritz APJ 556:164 2001 CDM宇宙で球状星団を 形成できるか? + DMhaloはどうなるか?

1.3 Galaxy Globular Cluster G.C.質量 ~105M◎ 銀河質量~1011M◎ High resolution + 104K以下の冷却 M>105M◎のガス雲を分解 これらからコンパクトな星系球状星団と仮定 その上で扱えるだけ大きなシステムを扱う

2.1 Simulation : Code Tree+GRAPE SPH code 重力:Tree+GRAPE (e.g.Makino 1990) 流体:SPH (e.g.Lucy 1977) 近傍粒子探査:Tree+GRAPE NBS + Morton Ordering (Saitoh&Koda 2003) 温度下限:MJeans>2NnbsMSPH (Bate,Burkert 1997) Cooling (10K<T<108K) Star Formation ▽・v<0 ρSF>0.1個/cc T<30.000K C★=0.033 FBはなし Cooling function

2.2 Simulation : 初期条件 SCDM宇宙 銀河ハローの質量、Spin、collapse epoch モデルパラメータ 銀河ハローの質量、Spin、collapse epoch SPH/DMの粒子数、質量分解能、                 重力の空間分解能 Simulationはz~3まで、続きは計算中

3.1 Movie : z=115 可視化協力・国立天文台 武田隆顕さん ~20kpc

3.1 Movie : z=4.63.6 可視化協力・国立天文台 武田隆顕さん ~20kpc

3.1 Movie : z~3 可視化協力・国立天文台 武田隆顕さん ~20kpc

3.2 ガスの密度-温度図 赤方偏移3.3

3.3 Substructures 星系の質量関数 :傾き~ -1.5 赤:星のシステムの半径 青:ダークハローの半径 星系の質量関数 :傾き~ -1.5 赤:星のシステムの半径 青:ダークハローの半径 SKID (Governato et al.1997)を用いてサブストラクチャを抽出 星粒子表示 全粒子表示 星粒子表示 α ~ -1.5 赤方偏移3.3

3.4 Mbaryon/Mtotal分布 中心部ではMbaryon/Mtotalの大きなサブストラクチャが多い 母銀河からの距離(kpc) ○外向き ×内向き 中心部ではMbaryon/Mtotalの大きなサブストラクチャが多い 母銀河からの距離(kpc) 赤方偏移3.3

3.5 時間進化(Mb/Mt&質量) 時間経過につれて、 Mbaryon/Mtotalのが増加 母銀河からの距離(kpc) 母銀河からの距離(kpc) 時間経過につれて、 Mbaryon/Mtotalのが増加 時間経過につれて、DMが選択的にはぎ取られている

3.6 潮汐力によるはぎ取り 潮汐半径 現在の位置での潮汐半径 Substructureは等温分布と仮定 ○外向き ×内向き 赤方偏移3.3

階層的構造形成宇宙のもとでの 球状星団形成の可能性を示した 4.1 Summary 形成期の銀河の中で、CDMhalo起源の球状星団形成の可能性について調べた M>105M◎のガス雲の進化を追い、コンパクトな星のシステムが形成 質量関数の傾きおよそ-1.5若い球状星団の質量関数とほぼ一致(e.g. Whitmore et al. 1999) それらは、母銀河との相互作用でダークハローを選択的に失う質量比でバリオン大なシステムが残る 階層的構造形成宇宙のもとでの 球状星団形成の可能性を示した

4.2 Future Work 超新星爆発の効果は? 金属量進化 UVの影響は? Cosmological simulation コンパクトな系では星形成のtimescaleが短いと期待される 金属量進化 冷却効率の変化で分裂が早まる ヒストグラムに影響が見られる可能性 UVの影響は? 低質量システム(Tvir<104-5K)に影響 ヒストグラム低質量側に影響が見られる可能性 Cosmological simulation λCDM 今後これらを考慮することが望まれる future work