新潟大学工学部化学システム工学科 教授 金 熙濬

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新潟大学工学部化学システム工学科 教授 金 熙濬 新潟大学工学部化学システム工学科 教授 金 熙濬 pH13で廃水重金属を除去出来る安価な吸着剤の開発 Development of Adsorbent for removing heavy metals in wastewater above pH13 【キーワード】  強アルカリ廃水 ヒ素除去特性 重金属除去特性 低コスト 製造方法 ■概要 工場や鉱山の廃水処理において、1)高アルカリ条件(pH13以上)で、2)pH調節をせずに、3)廃水中に含まれている重金属を直接吸着して、不溶化まで出来る高機能性を持つ吸着剤の需要が高まっている。さらに、4)経済的であることが求められている。そこで、本研究では汚泥灰に含まれているリンをドロマイトに吸着させ、ドロマイトの表面を改質することで、効率よく重金属を吸着・不溶化出来る吸着剤を開発した。 汚泥灰のリン溶出プロセス 吸着剤製造プロセス 重金属を含まない残渣:土地改良材 高機能 吸着剤 ドロマイト 汚泥灰 溶出液 試料 酸溶液 固液分離 ドロマイト導入 固液分離 水は再利用 リンで表面 改質と焼成 酸化リン P2O5 リン酸イオン PO43- ■詳細 図1.吸着剤の製造プロセスの概略 既存吸着剤の約2倍の吸着特性と 優れた不溶解特性 ○実験結果 優れた重金属吸着特性と不溶解特性 実験条件 濃度 As,Ni,Cd,Pb,Cr        各2000ppb 溶液量 50ml 不溶化剤 0.1g 攪拌時間 1hour 分析方法 リン:モリブデンブルー法 重金属:ICP-MS 図3.既存吸着剤と新吸着剤のヒ素除去性能比較 ○競合研究に対する優位性 ・ As,Ni,Cd,Pb,Crなどすべての重金属に対して優れた吸着・不溶化特性を持つこと。 ・ 既存の吸着剤では、ヒ素の除去が難しかったpH13近傍で、 本提案の吸着剤は高性能。 ・ リンの供給源として汚泥灰を使用することで、経済性の確保。 ○想定される実施例、応用例と今後の課題、展望 ・ 研究レベルでの実験は終わったが、実証レベルの実験が必要(課題)。 ・ 協力企業の確保(課題)。 ・ 汚泥灰の処理問題の解決と併せ、高性能重金属吸着剤の開発(応用、展望)。 ・ 多数共存する重金属を同時除去と併せ、吸着後不溶解で安全(応用、展望)。 ■応用を期待する分野 ・ 重金属処理剤製造分野の業界:石灰石製造販売業者、セメント業者。 ・ 高アルカリ条件で薄めずに重金属の除去が必要な事業所:下水道処理施設、鉱山処理施設 ・ 重金属による土地汚染を処理する施設等と、共同研究への発展を期待。 本技術の問い合わせ先   新潟大学 地域創生推進機構                  TEL:025-262-7554 FAX:025-262-7513 E-mail:onestop@adm.niigata-u.ac.jp