北海道駒ヶ岳火山の噴火活動史 の再検討 中長期予測 噴火履歴の精密復元 マグマ供給系の解明 現状の把握 吉本充宏 東京大学・地震研究所 北海道駒ヶ岳火山の噴火史と その問題点についてのお話させていただきます。 今日の話は火山地質 吉本充宏 東京大学・地震研究所
これまでの噴火史と問題点 ◆噴火活動期の有無 ◆先歴史時代の噴火規模 ◆大規模噴火前の小規模噴火の活動 噴火層序の確立 ◆噴出物層序および対比 17ka, 32kaの対比 32ka以前の岩屑なだれ堆積物の対比 溶岩流噴火の有無 これまで記載されていない噴火の有無 など ◆先歴史時代の噴火規模 ◆噴火活動期の有無 ◆1929年噴火前のような小噴火の頻発が他の噴火の前にも起こっていたか? 噴火層序の確立
これまでの噴火史 ◆先歴史時代の噴火規模 ◆噴火活動期の有無 現在は1640年から始まった歴史時代噴火活動期の中にいます. 今後,噴火を占う意味でもこの噴火活動期がいつまで続くのか, どのようなマグマが噴出すれば終わりといえるのか 過去に同じような噴火活動期があったのか, あったとするならばどのようなマグマを最後に噴出したのかといったことを明らかにする必要がある. ◆先歴史時代の噴火規模 ◆噴火活動期の有無
最近200年間 20XX ◆1929年噴火前のような小噴火の頻発は大噴火の予兆といえるか 1996年から2000年に抱えて小噴火を繰り返してきた駒ヶ岳は近い将来大規模な噴火が起こると予想されている. 駒ヶ岳は大規模な噴火に発展すれば,これまでの実績から見ても甚大な被害を及ぼす可能性がある. 噴火予測という観点では,数時間から数日という短期的な予測は可能であるが, その噴火がどのような規模でどのような噴火様式で噴火を行うかということを知るためには マグマがいまどのような状態にあるかということを知る必要がある. ◆1929年噴火前のような小噴火の頻発は大噴火の予兆といえるか
これまでの噴火史と問題点 噴火層序の問題点 17ka, 32kaの噴火は単発か? 先史時代の岩屑なだれ堆積物の対比 溶岩流噴火の有無 これまで記載されていない噴火の有無 小噴火の痕跡 ◆噴出物層序および対比 17ka, 32kaの対比 32ka以前の岩屑なだれ堆積物の対比 溶岩流噴火の有無 噴火の有無 ◆先歴史時代の噴火規模 ◆噴火活動期の有無 ◆1929年噴火前のような小噴火の頻発が他の噴火の前にも起こっていたか?
17ka, 32kaの噴火の対比 Ko-d Ko-g Ng Ko-h,iが確認されていた地点 Ko-SR1 (従来はKo-h) Ko-h,i fall Koi fall&flow Ko-h flow Ko-SR2 (従来はKo-i)
Ko-SR2とKo-iの分布 50 100 100 200 120 80
Ko-SR1,2の年代の推定 ca. 16500 yBP Ko-h? ca. 19500 yBP
Ko-SR1,2の対比 24,450±170 yBP 主軸の方向 Ko-SR2≠Ko-I 14C年代測定 Ko-SR2≠Ko-I Ko-SR1とSR2のどちらかはKo-h (17ka)に対比される可能性がある Ko-d Ko-g Ng Ko-SR1 Ko-SR1 ca. 16500 yBP Ko-SR2 ca. 19500 yBP Ko-SR2 土壌中の炭化木片 14C年代 24,450±170 yBP
今回新たに確認された噴火堆積物
Ko-NS1 Ko-NS1 Ko-NS2 Ko-NS2 Ko-g Ko-g Ko-g Ko-NS3 濁川カルデラ Ng
Ko-d Ko-NS1 Ko-NS2 Ko-g
14C年代測定値 測定は東京大学放射性炭素年代測定室,暦年補正は OxCal3.9を使用
Ko-NS1,NS2の年代 Ko-NS1,NS2は6500- 6250 cal yBPの間に250年間の間に噴火 Ko-g Ko-f (奥野ほか1998) Ko-g (奥野ほか1998) Ko-NS1,NS2は6500- 6250 cal yBPの間に250年間の間に噴火 Ko-NS1,NS2のどちらかはKo-fに対比される可能性が高い 7200- 6250 cal yBPの1000年間にすくなくとも3回の噴火
少なくとも3つの噴火を確認 (16.5ka) (19.5ka) 少なくとも3つの噴火が新たに確認された。 7200- 6250 cal yBPの1000年間に3回の噴火 13000 cal yBPに1回 10000-24000年の間に少なくとも3回
時間ー積算噴出量階段図 改訂版 歴史時代以外にも噴火集中期が存在する. Ko-d~a Ko-NR1~g Ko-SR1~2 Ko-NR4 時間ー積算噴出量階段図 改訂版 Ko-NR1~g Ko-SR1~2 Ko-NR4 Ko-d~a Ko-g Ko-d Ko-f Ko-a 歴史時代以外にも噴火集中期が存在する. 7200- 6250 cal yBPの1000年間に3回の噴火 13000 cal yBPに1回 10000-24000年の間に少なくとも3回
今後 層序対比 各堆積物の体積の見積 年代測定 溶岩流噴火の年代の推定 (16.5ka) (19.5ka) 少なくとも3つの噴火が新たに確認された。 7200- 6250 cal yBPの1000年間に3回の噴火 13000 cal yBPに1回 10000-24000年の間に少なくとも3回
Ko-NS1,NS2の年代