東京海洋大産学官連携研究員/技術コンサルタント 高須 知二 Tomoji TAKASU

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東京海洋大産学官連携研究員/技術コンサルタント 高須 知二 Tomoji TAKASU RTK-GPS測位の基礎と プログラミング (7) Basics of RTK-GPS Positioning and Its Programing  東京海洋大産学官連携研究員/技術コンサルタント  高須 知二 Tomoji TAKASU

内容 整数Ambiguity決定 高速(OTF)AR ワイドレーン法 整数最小二乗 LAMBDA 整数Ambiguity検定

整数Ambiguity決定 搬送波位相バイアス二重差→整数 整数条件を利用し推定値を整数に固定することにより一般に測位精度が向上する。 短基線、キネマティックで特に有効 RTK: 初期化時間短縮、サイクルスリップ対応 →高速 (On-The-Fly:OTF)決定

高速(OTF)AR手法 (1) D.Kim et al., GPS Ambiguity Resolution and Validation Methodologies, Trend and Issues, International Symposium on GPS/GNSS, 2000

高速(OTF)AR手法 (2) 多数衛星, 多周波, 擬似距離の利用 1エポック決定 Instantaneous AR (瞬時AR) 主な手法の分類 ワイドレーン法 整数最小二乗(Integer Least Square) その他

ワイドレーン法 (1) 衛星ペア毎に整数不定性を独立に解く 近代化GPS/Galileoで有効 →3周波測位信号 (L1/L2/L5,E1/E2/E4)の利用 ワイドレーン、エクストラワイドレーン 幾何学フリー観測モデル

ワイドレーン法 (2) :エクストラワイドレーン :ワイドレーン :L1搬送波位相

ワイドレーン法 (3)

ワイドレーン法 (4)

ワイドレーン法 (5)

ワイドレーン法 (6) Success Rate N-1 N N+1 N-1 N N+1

整数最小二乗 (1) 整数不定性を整数とした制約で最小二乗条件を満たす解を探索 誤差=正規分布→最大正解率 ステップ (実数)最小二乗解(FLOAT解) 残差(実数解-整数解)二乗和を最小とする整数解を探索 整数解を固定し再度最小二乗解(FIX解)

整数最小二乗 (2) 整数最小二乗条件 整数 不定性 基線解 (実数) 最小二乗 FLOAT解 最近整数格子点探索 FIX解

整数最小二乗 (3) 最近整数格子点探索 : FLOAT解 : FIX解

LAMBDA Least-square AMBiguity Decorrelation Adjustment (Teunissen, 1995) 整数最小二乗を利用したAR手法の一つ Z変換(無相関化)による前処理 →探索効率化 最近整数格子点探索アルゴリズム

Z変換(無相関化) 最近整数格子点探索の効率化 整数格子点⇔整数格子点変換 (integer unimodular変換) LAMBDA Decorrelation(無相関化) 整数Gauss変換+行入れ替え

整数Gauss変換

Lambda Reduction (1)

Lambda Reduction (2)

Z変換の例

最近整数格子点探索 (1) ④ ② ① ③

最近整数格子点探索 (2)

最近整数格子点探索 (3) -1 1 -1 -1 1 -2 -1 1 2

最近整数格子点探索 (4) -1 1 -1 -1 1 -2 -1 1 2

最近整数格子点探索 (5) -1 1 -1 -1 1 -2 -1 1 2

最近整数格子点探索 (6) -1 1 -1 -1 1 -2 -1 1 2

最近整数格子点探索 (7) -1 1 -1 -1 1 -2 -1 1 2

LAMBDA手順 最小二乗解(FLOAT解) Z変換(無相関化) 最近整数格子点探索 逆Z変換 整数最小二乗解(FIX解)

N : Number of Ambiguities LAMBDA実行時間例 5 10 15 20 25 30 35 40 : with decorrelation : without decorrelation (Pentium 4 3.2GHz Intel C/C++8.0) Execution Time (ms) N : Number of Ambiguities

整数Ambiguity検定 FIX解の統計的妥当性の検査 最大正解率/最小不正解(ミスFIX)率 Ratio Test その他: F-ratio Test、W-Test etc FIX解 次善解

RTK Position (FIX) : Baseline=960583-92110(14.1km) RTK測位解例(FIX解) East (m) MEAN: 0.0137m RMS: 0.0158m RTK Position (FIX) : Baseline=960583-92110(14.1km) -0.2 0.2 -0.2 0.2 North (m) MEAN: 0.0031m RMS: 0.0089m 0:00 1:00 2:00 3:00 -0.2 0.2 Up (m) MEAN:-0.0120m RMS: 0.0257m

AR手法トレードオフ Geometry Free解(衛星ペア毎) vs Geometry Based解(一括) Single-Epoch解(Instantanious AR) vs Multi-Epoch解 Multi-Epoch解 Fix後のAmbiguityの取り扱い、新衛星・Slip後の再AR 全(一括)AR vs 部分AR