葉面積密度の空間分布を考慮した 樹木の抵抗係数の算定に関する風洞実験 加藤 麻希 佐藤 宏樹

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葉面積密度の空間分布を考慮した 樹木の抵抗係数の算定に関する風洞実験 1963162 加藤 麻希 1963246 佐藤 宏樹 1963162 加藤 麻希 1963246 佐藤 宏樹 指導教員 成田 健一

目 的 樹木による屋外環境の制御( 風の誘導 ・強風対策) 数値シミュレーションによる評価 重要なパラメータとして 必要なCD:抵抗係数 既存のデータがない 実験的に求める

見付け面積 樹木単位 外部風速 (V) 風圧力 風(V) 抗力(FD) 葉面積密度 内部風速 (Vi) セル単位 風圧力 風(V) 抗力(FD)=

風洞の概略 断面:高さ2000mm幅 2600mm 送風機 密閉回流型境界層風洞 風洞内の配置状況

実験対象樹種 1 2 3 4 5 ケース 樹 種 種 類 ナツツバキ サザンカ サンゴジュ シラカシ コブシ 常緑広葉樹・中木 樹 種 種 類 ナツツバキ サザンカ サンゴジュ シラカシ コブシ 常緑広葉樹・中木 常緑広葉樹・高木 落葉樹・高木 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5

3次元超音波風速計 風速測定状況 天秤の更正作業風景

メッシュ単位での 葉の刈り取り 無指向性サーミスタ風速計 設置状況

葉を含むセルで表した樹木のグリット(10cm角)  WIND  WIND 葉を含むセルで表した樹木のグリット(10cm角) 樹冠内風速・葉面積密度分布

抵抗係数算出方法 :抵抗係数 :空気密度〔㎏/m3〕 :抗力〔 〕 :風速〔m/s〕 :葉面積〔m2〕

= = 抵抗係数に影響する要因 1.測定時の風に対する葉の 角度が考慮されない 正対していない葉 正対している葉 WIND = 1.測定時の風に対する葉の     角度が考慮されない 2. 1枚の大きな葉の作用と  同面積の小さな葉の集合  による作用が同等に扱わ  れる 小さな葉の集合 1枚の大きな葉 = WIND 平常時 しなった木 3.風で樹形が「しなる」 効果が含まれる 

コブシ シラカシ サザンカ 総セル数:183 総セル数:132 抗力:0.319〔kg〕 抗力:0.169〔㎏〕 全葉面積:1.048〔㎡〕 総セル数:183  抗力:0.319〔kg〕 全葉面積:1.048〔㎡〕 葉面積密度:5.73〔1/m〕 抵抗係数:0.78 総セル数:132  抗力:0.169〔㎏〕 全葉面積:0.738〔㎡〕 葉面積密度:5.59〔1/m〕 抵抗係数:0.59 総セル数:112  抗力:0.137〔㎏〕 全葉面積:0.598〔㎡〕 葉面積密度:5.34〔1/m〕 抵抗係数:0.50

サンゴジュ ナツツバキ サザンカ 総セル数:221 総セル数:150 抗力:0.219〔㎏〕 抗力:0.278〔㎏〕 総セル数:221  抗力:0.219〔㎏〕 全葉面積:0.798〔㎡〕 葉面積密度:3.61〔1/m〕 抵抗係数:0.63 総セル数:150  抗力:0.278〔㎏〕 全葉面積:1.065〔㎡〕 葉面積密度:7.10〔1/m〕 抵抗係数:0.67 総セル数:112  抗力:0.137〔㎏〕 全葉面積:0.598〔㎡〕 葉面積密度:5.34〔1/m〕 抵抗係数:0.50

中心軸上におけるZ=0.2H~0.8Hでの風速変化

ま と め ①内部風速と葉面積密度分布を考慮した抵 抗係数を算出することができた ①内部風速と葉面積密度分布を考慮した抵 抗係数を算出することができた ②樹種について比較を行った結果、抵抗係 数の大小は、葉の大きさ、堅さ、形状、 つき具合等の影響を受けていることが明 らかとなった

お わ り に 求めた抵抗係数 樹木廻りの気流性状を 数値シミュレーションにより再現 建物周辺の風環境対策などを計算 によって行うことが可能となる