クォーク模型バリオン間相互作用 fss2 による 低エネルギー nd 弾性散乱

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クォーク模型バリオン間相互作用 fss2 による 低エネルギー nd 弾性散乱 K. Fukukawa & Y. Fujiwara (Kyoto Univ.) Y. Fujiwara and K.F. , Prog. Theor. Phys. 124 (2010), 433-469. K. F. and Y. Fujiwara, arXiv:1010, 2024. Contents 1.Introduction 2.Formalism 3. Results 3.1 The J-averaged nd central phase shift 3.2 Scattering lengths 3.3 Coulomb correction to differential cross sections 4. Summary 2010/12/2-2010/12/4 ストレンジネス核物理 2010

1. Introduction ・現実的な核力 (NN) 相互作用を調べる方法 ・・・ 少数核子系を厳密計算により解く。  ・・・ 少数核子系を厳密計算により解く。  ただし、3 核子系では 2 体力と 3 体力をセットで考えることが必要。 ・中間子交換 2N+3N potential の計算でも、実験値を完全に説明していない  (Nd 系では、 Nucleon analyzing power (Ay) puzzle や、 breakup process における space star anomaly など) Ay puzzle Space star anomaly EN=5 MeV Ay nd pd A. Deltuva, A.C. Fonseca, and P.U. Sauer, PRC 72 (2005), 054004. A. Kievsky, M .Viviani and S. Rosati, PRC 64 (2001), 024002.

=A { } ・クォーク模型によるNN相互作用の記述 中・長距離部分 ・・・ meson の exchange で記述。  短距離部分 ・・・ nonlocal な quark exchange kernel により記述。  (cf:中間子交換模型 現象論的な斥力芯による記述) 3核子が近距離に集まる時 nonlocal effect が見られるのでは? The (3q)-(3q) RGM (Resonating group method) クォークの反対称化からくる非局所性 Y. Fujiwara, Y. Suzuki and C. Nakamoto, Prog. Part. Nucl. Phys. 58 439 (2007). QMPACK homepage http://qmpack.homelinux.com/~qmpack/index.php =A {       } 2010/12/2-2010/12/4 ストレンジネス核物理 2010

NN phase shifts by fss2 Y. Fujiwara, M. Kohno, C. Nakamoto and Y. Suzuki: Phys. Rev. C64, 054001 (2001). 2010/12/2-2010/12/4 ストレンジネス核物理 2010

3H binding energy predicted by fss2 NN 相互作用で説明できないbinding energy Meson exchange 0.5 MeV~1 MeV fss2 (Quark model ) ~ 0.35 MeV 350 keV 2 体力で説明できない効果が、3体力によ るものだとすると、3体力の効果は中間子 交換模型よりも小さい? How about the scattering state? (    ) Deuteron D-state probability Y. Fujiwara et al. PRC77 (2008) 027001 荷電独立性を考慮に入れた計算 (red line) 荷電独立性を考慮に入れていない計算 (blue line) (190 keV 程度束縛エネルギーを増す効果) R. Machleidt, Adv. Nucl. Phys. 19 (1989) 189

・Channel-spin formalism ・AGS equation ・Channel-spin formalism  Channel spin (Sc)= deuteron spin (I=1) neutron spin (s=1/2)  Sc=3/2 (quartet channel) Pauli principle   Sc=1/2 (doublet channel) deuteron distortion effect ・Phase shift S-matrix (3×3 or 2×2 matrix) is parametrized in terms of the eigenphase shifts and mixing parameters. J-averaged central phase shift 低エネルギー領域では、同じ 、異なる J の eigenphase shift はほぼ同じ。 nd の 2 体問題として考えると、中心力による phase shift を考えることに相当する。 1/2 I SC 2010/12/2-2010/12/4 ストレンジネス核物理 2010

3. Results 3.1 The J-averaged nd central phase shift AV18 (+UR 3N)  A. Kievsky et al. NPA 607 ,402 (1996). 括弧中の数字は AV18+Urbana 3N potential による計算 2S : fss2 の結果は AV18+UR 3N potential に良く似ており、 AV18 より引力的 4S 及び higher partial wave: fss2, AV18, AV18+UR 3N の結果は良く似ている。 Fss2 は2体力の枠内で AV18+UR 3N の予言と一致している。  2010/12/2-2010/12/4 ストレンジネス核物理 2010

3.2 Effective range parameter Larger triton binding energy Smaller nd doublet scattering length A. C. Phillips, Rep. Prog. Phys. 40, 905 (1977) ・中間子交換ポテンシャルでは、3N force をいれて実験値を再現。 ・クォーク模型では、実験値に近い散乱長を再現できるか? Effective range expansion              を、運動量の冪乗で展開。 2S チャンネルには以下のように pole が表れることに注意。(4Sには現れない) Parameter を精度良く決める為には、pole の位置を含めて統一的に 取り扱う必要があるため連分数展開を行う。(展開の高次項効果も自然に入る) correlation L.M. Delves, PR 118, 1318 (1960) L. Schlessinger, Phys. Rev. 167 (1968), 1411. 2010/12/2-2010/12/4 ストレンジネス核物理 2010

Quartet S-channel Doublet S-channel Deuteron threshold =6.30 fm (exp. 6.35±0.02 fm) =1.84 fm Pole position: =0.66 fm (exp. 0.65±0.04 fm) W. Dilg et al. PL 36B, 208 (1971) =-148 fm 大きな    散乱長: Pauli 原理による強い斥力を反映。 低エネルギーの cross section では 4S が dominant。

nd scattering lengths: Comparison with other calculations Doublet scattering length ・中間子交換力 0.9~1.2 fm ・中間子交換力 + TM 99 3N ~0.6 fm ・Quark 模型 (fss2) ~0.66 fm (without CIB) 3体力の効果よりは小さいが、荷電独立性の破れの効果を見積もる必要がある。 ・triton binding energy との相関関係から見積もった値 0.76~0.8 fm 中間子交換ポテンシャルより小さい 3 体力で    の実験値を説明できる。 (triton binding energy, nd phase shift の結果とconsistent) NN の近距離部分の記述の違いが、deuteron distortion effect に影響 Ref. H. Witala et al. PRC68 ,034002 (2003).

3.3 Coulomb correction to the differential cross sections ・多量にあり、かつ error bar の小さい pd 実験データとの比較を行いたい。 ・低エネルギーでは Coulomb effect は重要。 しかし、 AGS方程式に現れる Coulomb 力の運動量表示を用いた取り扱いは 非常に難しい。 (今回取り扱う処方) nd 散乱振幅に直接 Rutherford 散乱の散乱振幅 を加える。J-averaged central phase shift で計算を行う。 P. Doleschall et al. NPA 380, 72 (1982). NN相互作用のよりよい決定につながる。 2010/12/2-2010/12/4 ストレンジネス核物理 2010

The differential cross sections Dash-dotted line: Central phase shift solid curve (exact な nd 計算) とほぼ一致 Dotted curve: Coulomb 補正 (phase shift の補正なし) Dashed curve: 2S, 4S, 4P のnuclear phase shift の補正+クーロン補正 (AV18のpd nuclear phase shift と nd nuclear phase shift の差) Rutherford 散乱の振幅を足すと、overestimation が起こる。 原因は、pd と nd の nuclear phase shift の違い。(4S による影響が main) 正確な 3 体問題における Coulomb 力の取り扱いが重要。

1.クォーク模型バリオン間相互作用 fss2 を nd 弾性散乱系に適用し、nd 散乱長、 4. Summary 1.クォーク模型バリオン間相互作用 fss2 を nd 弾性散乱系に適用し、nd 散乱長、   微分断面積、及び偏極観測量を         のエネルギー領域で計算した。 2 体力の枠内で実験値を概ね再現している。 2. fss2 は 2S1 channel channel において十分引力的である。   (3H の束縛エネルギー, eigenphase shift 及び ) 3. 散乱断面積については J-averaged central phase shift による計算が機能する。   pd 実験データの再現には、正確な Coulomb effect の取り扱いが重要 。 その他、話さなかったこと 1.fss2 では、Ay  puzzle は中間子交換力を用いた時よりも改善し、   約 15 % のずれになっている。 2. 散乱偏極量については Doleschall らによる Coulomb correction を行うと、   前方領域での振る舞いは再現できる。 2010/12/2-2010/12/4 ストレンジネス核物理 2010