HLとEHLモデルでの圧力分布と軸受の変形分布

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HLとEHLモデルでの圧力分布と軸受の変形分布 EX17320 (東京大学情報基盤センター推薦課題) 深川宏樹 (九州大学 工学研究院) 陽解法を用いた軸受の流体構造連成解析 はじめに 流体軸受は、軸、油膜、軸受から構成される。油の流れは極小領域で圧力を発生させ、荷重によって軸と軸受が直接接触するのを防ぐ[1]。 我々は大規模計算に向いている陽解法[2]を用いた流体構造連成解析ソルバを開発した。これにより、大規模な流体軸受の解析が可能になった。 モデルの解析結果 +と×はそれぞれHL(弾性変形なし)モデルとEHL(弾性変形あり)モデル の圧力分布を示す。●は軸受の凹み、すなわち変形量を表す。油膜内 が高圧になると、隙間が油膜厚さに比べて大きく広がる。その結果、 軸受の弾性変形を伴うEHLモデルの圧力は、EHLモデルの圧力は軸受 の変形がないHLモデルよりも低くなる。 計算性能 FUJITSU Server PRIMERGY CX400 で1600億自由度での強スケールでの 理想的な並列性能を実現した。Reedbush-Hを使い計算の重い計量を GPU(P100)で計算すると、一枚あたりの演算速度は337(GFlop/s)だった。 謝辞 総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的イノベーション創造 プログラム)「革新的燃焼技術」の支援を受けた。ソルバー作成には、 九州大学理学部の福谷貴一氏、九州大学工学部の寺内優人氏、平健太郎氏、新垣翔太氏、Fixstarsの丸石崇史氏の協力を得た。小田啓太氏と楽天技術研究所の江木聡志氏には有益なアドバイスを頂いた。PRIMERGY CX400(九州大学情報基盤研究開発センター)およびReedbush(東京大学情報基盤センター) の使用にあたって、それぞれ九州大学情報基盤研究開発センターの「平成29年度(前期)先端的計算科学研究プロジェクト」および東京大学情報基盤センターの「平成29年度(後期)若手・女性利用者推薦課題」の支援を受けた。九州大学情報基盤開発センターの南里豪志准教授にはCX400の全ノードベンチマークの際に助言を頂き、東京大学情報基盤センターの下川辺隆史准教授にはGPUによる高速化の為の助言を頂いた。この研究成果は九州大学大学院工学研究院の八木和行准教授との共同研究に基づく。 参考文献 [1] Venner, C.H., and Lubrecht, A.A., Multilevel Methods in Lubrication, Elsevier, Amsterdam, (2000). [2] Shimokawabe, Aoki, T., Ishida, J., K. Kawano, K., and Muroi, C., “145 TFlops Performance on 3990 GPUs of TSUBAME 2.0 Supercomputer for an Operational Weather Prediction”, In Proc. Int. Conf. Comp. Sci., 4, 2011, 1535. 軸半径 (mm) 30 軸の長さ (mm) 20 軸の隙間 (μm) 偏心率 0.95 粘性 (mPa・s) 10 密度 (kg/m3) 1000 回転速度 (rpm) 時間ステップ (μs) 0.1 計算条件 レイノルズEq.(流体解析) 軸受の変形(構造解析) 油膜分布 圧力分布 従来の反復法では、大規模モデルだと 計算量がO(n2)~ O(n3)で増える。 軸受 軸 荷重 油の楔効果で発生する 圧力が荷重を支える。 HLとEHLモデルでの圧力分布と軸受の変形分布 油膜内圧力と軸受の応力は釣り合う。 ρ,u 時刻 陽解法 コア数による計算速度の向上