塑性加工 第1回 今日のテーマ 塑性変形とは(塑性変形した後どうなる?) (応力(圧力)とひずみ(伸び)、弾性変形) 金属組織と変形 塑性加工 第1回 今日のテーマ 塑性変形とは(塑性変形した後どうなる?) (応力(圧力)とひずみ(伸び)、弾性変形) 金属組織と変形 (組織は常に変化する) 鍛造とは (金属を鍛えて物を作る?)
金属の延性(伸びる)と展性(拡がる)を利用=塑性加工 代表例 金箔 力を加えて変形させたとき,変形したままになることを塑性状態という,このときの力を除いても残る変形を塑性ひずみという. このひずみが延性と展性を示すもの 金属の延性と展性を測定する方法が引張試験である.
万能材料試験機 負荷本体 計測制御装置
実験:引張試験の初期状態
実験:引張試験中の変形
荷重-変形量線図 引張試験機による測定値。荷重と伸びの関係を表したもの。 横軸・・変形量(mm) 縦軸・・荷重 (kN)
応力について 同じ荷重Wをかけても内力と伸びが違う。 太 細 “応力”と“ひずみ” で比較しよう!!
応力-ひずみ線図 E F C B A D
金属結晶の塑性変形 すべり変形 結晶格子のつながりが変わる(変形量が大きい) 双晶変形 結晶のつながりは変わらない すべり変形 結晶格子のつながりが変わる(変形量が大きい) 双晶変形 結晶のつながりは変わらない (原子間距離よりも変形量が小さい)
焼なまし(再結晶) 再結晶温度以上における加工 熱間加工 再結晶温度以下における加工 冷間加工 焼なましは、金属材料を適当な温度に加熱し、その後徐冷する熱処理である。 金属製品は加工の工程で、加工硬化や残留応力が発生しているが、焼なましによって金属組織の格子欠陥が減少し、再結晶が行われるため組織が均質化し残留応力も減少するため軟化する。 焼なましはその目的により温度と冷却速度が異なったいくつかの種類に分けられる。 完全焼なましは、材料を再結晶温度以上に保った後徐冷することによって、内部応力の無い、組織とすることであり、これによって材料は軟化する。 球状化焼なましは、一旦オーステナイト組織にした鋼を急冷することにより組織内部の炭化物を層状から球状に変化させる処理で、これによって焼き割れしにくく、靭性に富む鋼が得られる。工具鋼の加工前に行われる熱処理である。 このほか、塑性加工や切削加工前に焼なましを行い、材料を軟化させて被工作性を増す処理を軟化焼なまし、残留応力除去のため比較的低温で行う、応力除去焼なましなどがある。 再結晶温度以上における加工 熱間加工 再結晶温度以下における加工 冷間加工
【加工硬化した材料の組織回復】 焼なまし: 材料を加熱して、炉中で除冷する処理 ・内部応力 ・強さ(耐力、硬さ 引張り強さ) ・電気伝導度 引張り強さ) ・電気伝導度 ・粒子の大きさ 焼きなまし温度
・熱間加工:再結晶温度以上での加工 材料の加工硬化は焼きなまし作用で軟化し、 低い変形応力で加工が可能 ・冷間加工:再結晶温度以下での加工
【引張り応力ひずみ曲線とひずみ速度・温度】 高速 破断 ひずみ 冷間加工 低速 応 力 低速 熱間加工 高速 ひずみ 応 力 冷間加工では速度の影響は小さい 熱間加工では変形抵抗が速度とともに増加
【冷間加工と熱間加工】 冷間加工: 長所 1.表面仕上げと寸法精度が良好 2.加熱処理が不必要 3.強度が向上 短所 1.大きな変形力が必要 2.加工硬化の発生 3.異方性(⇔等方性)の生成
塑性加工 (Plastic working) 材料に降伏応力を加えて加工すると、 応力を除いてもひずみが残る性質を 塑性と呼び、材料に塑性変形を与えて 所要の形状と寸法に加工する
塑性加工 鍛造加工(forging) 押出し加工(extrusion) 圧延加工(rolling) 引抜き加工(drawing) 転造加工(form rolling) プレス加工(press working) せん断加工(shearing) 曲げ加工(bending) 深絞り加工(deep drawing)
【素材組織の改良】 素材 塑性加工(鍛造) 切削加工 結晶粒子は細長く伸ばされ (繊維状組織)空洞はつぶれる 長手方向の強度が増す
「鋳造組織の改善」 鋳型 融液 樹枝状晶 大型鋳造品: 金属の凝固速度の違い 塑性加工:高温での 収縮時のガス、介在物 圧縮加工(鍛造、 空洞などの欠陥を持つ 塑性加工:高温での 圧縮加工(鍛造、 押出し、圧延) 鍛錬
「熱間圧延における組織変化」 ロール 元の粒子 変形して 長く伸びる 新しい粒子 残存粒子 新しい結晶粒 新粒子の成長