G Royle, J Stangier,T Steiner, P Verhamme, B Wang, L Young, JI Weitz 国際共同試験 Reversal of Dabigatran by its Specific Reversal Agent Idarucizumab in Patients with Uncontrolled Bleeding or Requiring Urgent Surgery/Procedures: Final Results of RE-VERSE AD RE-VERSE AD試験最終結果 2017年ISTH*にて発表 CV Pollack Jr, PA Reilly, J van Ryn, JW Eikelboom, S Glund, RA Bernstein, R Dubiel, MV Huisman, EM Hylek, C-W Kam, PW Kamphuisen, J Kreuzer, JH Levy, FW Sellke, G Royle, J Stangier,T Steiner, P Verhamme, B Wang, L Young, JI Weitz *:国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis) Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
イダルシズマブのプロファイル: ダビガトランの抗凝固作用を特異的に中和することが可能 国際共同試験 イダルシズマブのプロファイル: ダビガトランの抗凝固作用を特異的に中和することが可能 ヒト化モノクローナル抗体フラグメント(Fab) :トロンビンに結合したダビガトランおよび非結合型ダビガトランに結合可 ダビガトラン イダルシズマブ ダビガトランに対する高い結合親和性(2pM) :不可逆的に結合 ダビガトラン以外の標的分子は知られていない :ヘパリンやほかの抗凝固薬の抗凝固作用は中和しない 静注により、迅速に作用、短い半減期 (初期相半減期:~45分) 凝固促進作用および抗凝固活性はなし Schiele F, et al. Blood 2013; 121: 3554-3562. Eikelboom JW, et al. Circulation 2015; 132: 2412-2422. Glund S, et al. Lancet 2015; 386: 680-690. Schmohl M, et al. Thromb Haemost 2017; 117: 269-276.
試験デザイン: 多施設、前向き、非盲検、非対照第Ⅲ相症例集積試験 国際共同試験 試験デザイン: 多施設、前向き、非盲検、非対照第Ⅲ相症例集積試験 副次評価項目 /その他の評価項目 治験医師 の判断 手術・侵襲的 処置中の止血 24時間以内の止血 (頭蓋内以外の出血) 日後 30 時間 24 12 日 90 追跡調査 90日の追跡調査 n=503 ダビガトランによる治療中の患者 時間 4 2 1 主要評価項目 投与完了4時間までのdTTまたはECTに基づいて評価する ダビガトランの 抗凝固作用に 対する最大の 中和効果 10〜30分 緊急手術患者群: 緊急を要する手術または 侵襲的処置を必要とする患者 血栓性イベント 抗血栓療法の 再開 死亡率 aPTT/TT 血漿中濃度 免疫原性 イダルシズマブ 1本目投与 (2.5g) 2本目投与 出血患者群: 生命を脅かす出血または 止血困難な出血を発現して いる患者 0~15分 来院 1本目 投与前 2本目 投与前 イダルシズマブは、患者の臨床症状のみで判断し投与された。 39ヵ国、173施設 dTT:希釈トロンビン時間、ECT:エカリン凝固時間、aPTT:活性化部分トロンボプラスチン時間、TT:トロンビン時間 ▲:採血 Pollack CV, et al. Thromb Haemost 2015; 114: 198-205. Pollack CV, et al. N Engl J Med 2015; 373: 511-520.
患者背景 緊急手術患者群 (n=202) 出血患者群 (n=301) 合計 (n=503) 年齢、歳 77(21-96) 79(24-96) 国際共同試験 患者背景 緊急手術患者群 (n=202) 出血患者群 (n=301) 合計 (n=503) 年齢、歳 77(21-96) 79(24-96) 78(21-96) 男性 102(50.5) 172(57.1) 274 (54.5) クレアチニンクリアランス、mL/min 56.0(7.9-198.7) 50.8(6.1-216.9) 52.6(6.1-216.9) 合併症 うっ血性心不全 65(32.2) 117(38.9) 182(36.2) 糖尿病 57(28.2) 95(31.6) 152(30.2) 冠動脈疾患 68(33.7) 110(36.5) 178(35.4) 脳卒中 /一過性脳虚血発作の既往 36(17.8) /20(9.9) 73(24.3) /27(9.0) 109(21.7) /47(9.3) ダビガトランの適応および投与量 心房細動 190(94.1) 288(95.7) 478(95.0) 150mg×2回/日 94(31.2) 151(30.0) 110mg×2回/日 126(62.4) 185(61.5) 311(61.8) 75mg×2回/日 8(4.0) 16(5.3) 24(4.8) 患者の報告によるダビガトラン最終投与から イダルシズマブ投与開始までの時間*、時間 18.0(2.6-105.8) 14.6(1.5-90.4) 15.6(1.5-105.8) ベースライン(投与前)dTT延長 152(75.2) 244(81.1) 396 (78.7) ベースライン(投与前)dTTまたはECT延長 185(91.6) 276(91.7) 461(91.7) 例数(%)もしくは中央値(範囲) *:合計501例(緊急手術患者群202例、出血患者群299例) Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
緊急手術患者群: 手術・処置の内訳(n=202*) 国際共同試験 緊急手術患者群: 手術・処置の内訳(n=202*) 患者数(例) 10 50 60 40 20 30 24.3% 急性腹症 20.3% 骨折/化膿性関節炎 18.3% 循環器系疾患 8.4% 脳神経疾患 6.9% 膵臓/肝胆道疾患 呼吸器系疾患 5.4% 腎臓/泌尿器系疾患 0.5% 子宮の疾患 4.0% 敗血症 3.0% 皮膚疾患 1.5% 手術後の合併症 中毒 例 腹膜感染症、ヘルニア 関節または大腿骨骨折 ペースメーカー植込み、動脈瘤修復 開頭手術 胆嚢炎、胆管炎 胸部外傷 急性腎不全 血腫、膿瘍 過量投与(自殺企図) *:うち5例で手技未実施 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
出血患者群: 出血の内訳および重症度(n=301) 国際共同試験 出血患者群: 出血の内訳および重症度(n=301) 出血の種類および部位* 出血患者群 (n=301) 頭蓋内出血 98(32.6) 脳内出血 53 硬膜下血腫 39 くも膜下出血 26 消化管出血 137(45.5) 上部消化管出血 52 下部消化管出血 47 不明 42 後腹膜出血 10(3.3) 筋肉内出血 9(3.0) 心膜内出血 7(2.3) 関節内出血 5(1.7) 眼内出血 1(0.3) その他 52(17.3) 4(1.3) 重大な出血事象(ISTH**出血基準) 大出血と生命を脅かす出血 265例 (88.0%) その他の特徴: 血行動態不安定 114例 (37.9%) 外科的介入必要 61例 (20.3%) 外傷関連 78例 (25.9%) 外傷関連 78(25.9) 例数(%) *:重複あり、**:国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis) Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
国際共同試験 主要評価項目の結果 ●イダルシズマブ投与後4時間以内におけるdTTおよびECTに基づく最大の 中和効果は、100%であった(95%CI:100-100%)。 ●緊急手術患者群152例中150例(98.7%)、出血患者群244例中 241例(98.8%)は、イダルシズマブ投与後4時間以内にdTTの値*が 基準値上限以下に低下した。 ●aPTTおよびTTに基づく評価でも同様の結果が得られた。 *:中央検査機関で測定されたデータ、aPTT、TTは副次評価項目である。 ECT:エカリン凝固時間、TT:トロンビン時間 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
イダルシズマブ投与前後のdTTの時間推移 国際共同試験 イダルシズマブ投与前後のdTTの時間推移 出血患者群(n=293) 緊急手術患者群(n=195) 50 30 40 60 110 80 70 90 100 (秒) イダルシズマブ投与後の経過時間 ベース ライン (投与前) 10- 30分 1 時間 2 4 12 24 1本目 投与後 5 95パーセンタイル 10 25 75 イダルシズマブ 2.5g×2本 (1本目) (2本目) dTT 基準値上限 35.5秒 dTT: 希釈トロンビン時間 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
イダルシズマブ投与前後のaPTTおよび 非結合型総ダビガトラン血漿中濃度の時間推移 国際共同試験 イダルシズマブ投与前後のaPTTおよび 非結合型総ダビガトラン血漿中濃度の時間推移 緊急手術患者群/出血患者群(n=485) 緊急手術患者群/出血患者群(n=486) イダルシズマブ投与後の経過時間 60 20 40 140 100 80 120 ベース ライン (投与前) 10- 30分 1 時間 2 4 12 24 1本目 投与後 200 600 300 400 800 5 95パーセンタイル 90 10 25 75 50 aPTT 非結合型総ダビガトラン血漿中濃度* 基準値上限 39.8秒 (秒) (ng/mL) イダルシズマブ 2.5g×2本 (1本目) (2本目) aPTT:活性化部分トロンボプラスチン時間 *:イダルシズマブおよび血漿蛋白のいずれにも結合していないダビガトランおよびグルクロン酸抱合体の合算。非結合型総ダビガトラン血漿中濃度はトロンビンに 結合することが可能であるため、ダビガトランの薬理活性を表すものと考えられる。 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
緊急手術患者群:周術期の止血機能 手術または処置を施行した患者は、202例中197例(97.5%)であった。 国際共同試験 緊急手術患者群:周術期の止血機能 手術または処置を施行した患者は、202例中197例(97.5%)であった。 イダルシズマブ投与から手術までの所要時間は、1.6時間(中央値)であった。 手術中の止血機能は治験担当医師によって判断された。 正常 軽度の 止血機能障害 中等度の 93.4% 5.1% 1.5% 重度の 200 100 150 50 0.0% 緊急手術患者群 (例) 正常:抗凝固療法で治療されていない場合と同様、軽度の止血機能障害:出血は滲み出る程度で処置は不要、中等度の止血機能障害:処置でコントロール可能、 重度の止血機能障害:難治性の出血 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
出血患者群 : 24時間以内の止血 (出血の停止) 国際共同試験 出血患者群 : 24時間以内の止血 (出血の停止) 頭蓋内出血: n=98 ・消化管出血 n=120 ・消化管以外の出血 n=78 解析不能: プロトコールにおいて、CTスキャンの実施は必須ではなかった。 治験担当医師の判断による 止血または出血の停止* 24時間以内: n=134/198(67.7%) 2.5(2.2-3.9)時間 (中央値、95%CI) 頭蓋内出血以外 の出血: n=203 (評価対象n=198) *:可能であれば目視や画像所見での確認、またはこれらにより確認ができない場合は治験担当医師によるイダルシズマブ投与24時間以内のヘモグロビン/ヘマトクリットの 変化に基づき評価した。 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
イダルシズマブ投与後の血栓性イベント* なお、抗血栓療法の再開は以下のとおりであった。 血栓性イベント、 n(%) 緊急手術患者群 国際共同試験 イダルシズマブ投与後の血栓性イベント* *:イベント判定委員会で評価された血栓塞栓症イベント 血栓性イベント、 n(%) 緊急手術患者群 n=202 出血患者群 n=301 合計 n=503 30 日後 9(4.6) 15 (5.0) 24 (4.8) 90 日後 15 (7.4) 19 (6.3) 34 (6.8) なお、抗血栓療法の再開は以下のとおりであった。 抗血栓療法の再開、 n(%) 緊急手術患者群 n=202 出血患者群 n=301 72時間後 135(66.8) 69(22.9) 90日後 182(90.1) 219(72.8) Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
死亡率(Kaplan–Meier法) ●イダルシズマブ投与後5日以内 緊急手術患者群:16例(7.9%)、出血患者群:19例(6.3%) 国際共同試験 死亡率(Kaplan–Meier法) ●イダルシズマブ投与後5日以内 緊急手術患者群:16例(7.9%)、出血患者群:19例(6.3%) 追跡調査 死亡率、% 緊急手術患者群 (n=202) 出血患者群 (n=301) 30 日後 12.6*1 13.5*2 90 日後 18.9*3 18.8*4 *1:対象169例、 *2:対象254例、 *3:対象109例、*4:対象152例 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
イダルシズマブが追加投与された患者の一覧 国際共同試験 イダルシズマブが追加投与された患者の一覧 ●9例*(1.8%)でイダルシズマブが追加投与された。 ●緊急手術患者群の4例は、1回目のイダルシズマブ投与後12時間以降に出血または新たな処置を必要とした。 ●出血患者群の4例は、1回目のイダルシズマブ投与後24時間以降に再出血した。 年齢 性別 ダビガトラン 投与量 (×2回/日) 原疾患 非結合型総ダビガトラン血漿中濃度 (ng/mL) クレアチニン クリアランス (mL/min) 初回投与から追加投与までの間隔 追加投与の理由 緊急手術 85歳女性 75mg 腸閉塞 51 31.2 5日 新たな処置 73歳女性 150mg 大腸の虚血 1,630 34.0 12時間 手術後の出血 82歳女性 110mg 透析による カテーテル留置 271 8.0 6日 70歳男性 240 18.6 3日(追加投与1回目) 8日(追加投与2回目) 出血患者 60歳男性 消化管出血 955 25.7 48時間 再出血 79歳男性 325 43.4 36時間 76歳男性 血尿 1,360 15.2 24時間 73歳男性 329 29.0 *:うち1例は誤投与のため、掲載していない。 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
考察 非盲検、非対照試験である。 比較対照となる治療法は確立されていない。 実臨床に即した実践的な試験である。 国際共同試験 考察 非盲検、非対照試験である。 比較対照となる治療法は確立されていない。 実臨床に即した実践的な試験である。 患者の全身状態と主治医の評価に基づいた治療が決定された。 幅広い状態の患者を対象とし、緊急手術や処置を要する患者も含まれている。 ダビガトランの中和効果が期待できる固定用量で実施。 ダビガトラン過量投与または急性腎不全の場合は、ダビガトラン血漿中濃度の 上昇が起こり得る。 一部の患者ではイダルシズマブ投与後12~24時間で、ダビガトラン血漿中 濃度の軽度上昇が認められたが、臨床症状は認められていない。 ・ 組織または細胞外液からのダビガトランの再分布の可能性がある。 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
まとめ 生命を脅かす緊急事態にあるダビガトラン服用患者において: 国際共同試験 まとめ 生命を脅かす緊急事態にあるダビガトラン服用患者において: イダルシズマブ5g投与によって、ダビガトランの抗凝固作用は迅速、完全かつ 持続的に中和された。 緊急手術患者群において、手術までの時間の中央値は、イダルシズマブ投 与後1.6時間であった。 緊急手術患者のうち93%は手術時の止血機能が正常であった。 緊急手術の後は、速やかに抗血栓療法が安全に再開された。 出血患者群において、頭蓋内出血以外の出血の止血確認までに要した時間 の中央値は、イダルシズマブ投与後2.5時間であった。 イダルシズマブの安全性について新たな懸念はみとめられなかった。 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
Appendix
Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
イダルシズマブ投与後の血栓性イベント: 緊急手術患者群 国際共同試験 イダルシズマブ投与後の血栓性イベント: 緊急手術患者群 ♦:抗凝固療法 ●:抗血小板療法 ■:イベント前 ■:イベント後 虚血性脳卒中(72歳女性、膝関節感染症) 再発虚血性脳卒中(54歳男性、血栓除去術) 全身性塞栓症、深部静脈血栓症 (45歳男性、弁修復術) 虚血性脳卒中(94歳男性、股関節全置換) 深部静脈血栓症 (82歳女性、胆嚢炎) 肺塞栓症 (92歳女性、胆嚢炎) 心筋梗塞(70歳女性、脊髄手術) イダルシズマブ投与後の経過時間(日) 30 25 5 10 15 20 肺塞栓症(76歳男性、大動脈瘤破裂) 心筋梗塞(70歳男性、ペースメーカー) 心筋梗塞(93歳女性、血胸ドレーン) 死亡 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
イダルシズマブ投与後の血栓性イベント: 出血患者群 国際共同試験 イダルシズマブ投与後の血栓性イベント: 出血患者群 ♦:抗凝固療法 ●:抗血小板療法 ■:イベント前 ■:イベント後 肺塞栓症、深部静脈血栓症(75歳男性、消化管出血) 肺塞栓症(86歳女性、脳内出血) 虚血性脳卒中(80歳男性、消化管出血) 肺塞栓症、深部静脈血栓症(81歳男性、脳内出血) 心筋梗塞(86歳女性、脳内出血) 肺塞栓症、深部静脈血栓症(85歳男性、くも膜下出血) 虚血性脳卒中(70歳女性、大動脈瘤破裂) 虚血性脳卒中(86歳男性、くも膜下出血) 深部静脈血栓症(86歳女性、筋肉内出血) 深部静脈血栓症(94歳女性、消化管出血) イダルシズマブ投与後の経過時間(日) 30 25 5 10 15 20 虚血性脳卒中(83歳女性、硬膜下血腫) 心筋梗塞(70歳男性、消化管出血) 全身性塞栓症(77歳男性、大動脈瘤破裂) 心筋梗塞(92歳男性、消化管出血) 死亡 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
イダルシズマブ投与後5日以内の死亡: 緊急手術患者群 国際共同試験 イダルシズマブ投与後5日以内の死亡: 緊急手術患者群 インデックスイベント 投与から死亡まで の期間(日) 死亡理由 詳細 胃穿孔修復 1 腹膜炎/出血 敗血症、腹膜炎、高血圧、冠動脈疾患 急性腸間膜虚血 重度の腸管虚血 肺炎、高血圧 急性結腸虚血 感染症/敗血症性ショック 結腸虚血の悪化、急性腎不全 急性腹症(緊急再検査) 慢性腸管虚血、グラフト血栓症 小腸梗塞、グラフトおよびnative血管の血栓症、播種性血管内凝固症候群 急性腹症(虚血腸管の疑い) 消化管壊死、敗血症 広範囲にわたる大腸および小腸の壊疽、敗血症 2 小腸閉塞にともなうショック 敗血症性ショックによる不安定、手術未施行 腹膜炎 敗血症性ショック 粘腹部の穿孔にともなう急性腹症、敗血症 カテーテル+中心静脈ライン 感染症 敗血症、急性腎損傷、甲状腺、腸管、腎臓の出血 中心静脈カテーテル 感染症/尿路性敗血症 転移性膀胱癌、尿路閉塞、敗血症性ショック 感染症、多臓器不全 敗血症、重症COPD、呼吸器不全 胸腔ドレーン挿入 血気胸の悪化 外傷、自宅階段での転倒による肋骨多発骨折および血気胸 悪性心膜タンポナーデ 心停止 心膜穿刺術、急性腎不全、肺カルチノイド腫瘍、胸水、心膜炎 ペースメーカー植え込みのための経大腿カテーテル ペースメーカー植え込みによるタンポナーデ、心膜穿刺術中の心停止 術後胸腔内出血 心原性および敗血症性ショック ペースメーカーワイヤーからの感染による心内膜炎、緊急弁修復術、敗血症 および心原性ショックによる多臓器不全 緊急を要する透析 感染症、出血 透析を必要とする急性腎不全、血液量減少性ショックをともなう消化管出血、 肝障害、敗血症 透析カテーテル留置 3 多臓器不全 透析を必要とする急性腎不全、心原性ショック、慢性腎不全、肝不全、 重度のアシドーシス Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub, Supple
イダルシズマブ投与後5日以内の死亡: 出血患者群 国際共同試験 イダルシズマブ投与後5日以内の死亡: 出血患者群 インデックスイベント 投与から死亡まで の期間(日) 死亡理由 詳細 頭蓋内出血 1 GCS 8、mRS:重度身体障害、高血圧 GCS 4、mRS:重度身体障害、高血圧 2 脳浮腫/出血 転倒による硬膜下血腫、GCS 4、mRS:重度身体障害 GCS 6、mRS:重度身体障害、高血圧 敗血症性ショック/心停止 数日前に転倒により骨折(上腕) 4 GCS 5、mRS:重度身体障害、高血圧 5 GCS 3、mRS:重度身体障害、高血圧 GCS 6、mRS:重度身体障害、高血圧、アスピリン併用 大動脈解離 頭蓋内出血/大動脈解離 A型大動脈解離および心膜内出血 心原性ショック A型大動脈解離の破裂 後腹膜出血 大動脈瘤破裂 破裂性腹部大動脈瘤 出血 多発外傷(交通事故)仙骨骨折、脾臓損傷を含む 肺出血 3 急性腎損傷、血管炎 消化管出血 敗血症/多臓器不全 慢性腎不全、COPD 出血/呼吸器不全 血行動態不安定、複数の併存疾患:肺気腫、肺炎、 肥満、肝硬変、腎不全 播種性血管内凝固症候群の悪化/凝固障害 出血性ショック、消化管出血をともなう播種性血管内凝固症候群 がん/敗血症 下部消化管の再出血 がん/出血 末期膵癌 GCS:Glasgow Coma Scale、mRS:modified Rankin Scale Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub, Supple
血液製剤の使用または輸血 緊急手術患者群 (n=202) 出血患者群 (n=301) 合計 (n=503) 血液製剤などの使用患者 79 (39.1) 201 (66.8) 280 (55.7) 全血および血液構成成分 53 (26.2) 185 (61.5) 238 (47.3) 全血 3 (1.5) 9 (3.0) 12 (2.4) 新鮮凍結血漿 24 (11.9) 58 (19.3) 82 (16.3) クリオプレシピテート 4 (2.0) 7 (2.3) 11 (2.2) 赤血球濃厚液 41 (20.3) 165 (54.8) 206 (41.0) 血小板 9 (4.5) 28 (9.3) 37 (7.4) 血漿製剤 8 (4.0) 20 (6.6) 28 (5.6) PCC(3因子含有) 2 (1.0) 3 (1.0) 5 (1.0) PCC(4因子含有) 1 (0.5) 10 (3.3) rFVIIa 4 (0.8) aPCC 5 (1.7) 9 (1.8) その他 42 (20.8) 69 (22.9) 111 (22.1) 血漿増量剤 35 (11.6) 59 (11.7) トラネキサム酸 43 (8.5) アルブミン 19 (9.4) 17 (5.6) 36 (7.2) Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub, Supple
重篤な有害事象 緊急手術患者群 (n=202) 出血患者群 (n=301) 合計 (n=503) 重篤な有害事象* 51 (25.2) 国際共同試験 重篤な有害事象 緊急手術患者群 (n=202) 出血患者群 (n=301) 合計 (n=503) 重篤な有害事象* 51 (25.2) 66 (21.9) 117 (23.3) せん妄 4 (2.0) 7 (2.3) 11 (2.2) 心停止 7 (3.5) 1 (0.3) 8 (1.6) 敗血症 3 (1.0) 7 (1.4) 敗血症性ショック 6 (3.0) 心不全 2 (1.0) 4 (1.3) 6 (1.2) 肺水腫 呼吸器不全 3 (1.5) 肺炎 0 (0.0) 4 (0.8) 急性腎損傷 3 (0.6) 心原性ショック 深部静脈血栓症 出血、頭蓋内 多臓器不全症候群 硬膜下血腫 腹膜炎 2 (0.4) 虚血性脳卒中 ショック *:1%以上の有害事象 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub, Supple
イダルシズマブ投与前後のECTの時間推移 国際共同試験 イダルシズマブ投与前後のECTの時間推移 75 125 375 225 175 275 325 25 出血患者群(n=293) 緊急手術患者群(n=194) (秒) イダルシズマブ投与後の経過時間 ECT イダルシズマブ 2.5g×2本 (1本目) (2本目) 5 95パーセンタイル 90 10 50 基準値上限 ベース ライン (投与前) 10- 30分 1 時間 2 4 12 24 1本目 投与後 ECT:エカリン凝固時間 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub, Supple
イダルシズマブ投与前後のTTの時間推移 出血患者群(n=291) 緊急手術患者群(n=193) TT イダルシズマブ投与後の経過時間 (秒) 国際共同試験 イダルシズマブ投与前後のTTの時間推移 50 250 150 100 200 出血患者群(n=291) 緊急手術患者群(n=193) (秒) イダルシズマブ投与後の経過時間 TT 5 95パーセンタイル 90 10 25 75 基準値上限 イダルシズマブ 2.5g×2本 (1本目) (2本目) ベース ライン (投与前) 10- 30分 1 時間 2 4 12 24 1本目 投与後 TT:トロンビン時間 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub, Supple
イダルシズマブ血漿中濃度 緊急手術患者群/出血患者群(n=474) イダルシズマブ血漿中濃度 イダルシズマブ投与後の経過時間 国際共同試験 イダルシズマブ血漿中濃度 緊急手術患者群/出血患者群(n=474) イダルシズマブ投与後の経過時間 イダルシズマブ血漿中濃度 (nmol/L) 5,000 40,000 15,000 10,000 30,000 35,000 25,000 20,000 ベース ライン (投与前) 10- 30分 1 時間 2 4 12 24 1本目 投与後 イダルシズマブ 2.5g×2本 (1本目) (2本目) 5 95パーセンタイル 90 10 25 75 50 Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub, Supple