Interventions to Improve the Physical Function of ICU Survivors (CHEST 2013;144(5):1469-1480) 聖マリアンナ医科大学 救急医学 田北 無門
背景 ICU survivorsの69%は身体機能(physical function:PF)低下を合併し、その後のQOLの低下につながる。 これまで、ICU survivorsの身体機能低下に関して3つのsystematic reviewが行われているが、どれもその病態生理や発症頻度などにとどまっていたり、ICU収容中に発生した筋障害や神経障害に対する治療にとどまっていた。 ↓ 今回のstudyでは、ICU survivorsの退院時もしくは退院後の長期的なPFを改善させうるであろう効果的な治療とその開始のタイミングについてレビューした。
方法① ☆systematic reviews (SRs) ・文献 MEDLINE Excerpta Medica Database (EMBASE) Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature (CINAHL) Physiotherapy Evidence-Based Database (PEDro) ・Reviewer:2名 ・期間:1990年1月~2012年12月 ・言語:英語
結論① Inclusion Criteria) ①18歳以上 ②比較試験である (Intervention vs Non Intervention) ③Outcomeが長期的な 身体機能(physical function:PF)の改善 Exclusion criteria) ・18歳未満 ・後天的な脳損傷の合併; ・Outcomeが退院前もしくはOutcomeの評価がいつされたか明記されていない。 ・Interventionが専門的なもの(血行再建術など) ・ICU入室患者ではない。
討論① 結論 身体機能(PF)の長期予後を改善させる方法は理学療法(exercise/PT)である。
討論② Limitation これらのstudyは二重盲目試験にするのは困難であり、フォロー中にdrop outする患者も多いため、studyとしての質は低いといわざるをえない。 英語の論文検索しかしていない それぞれのstudyのサイズ、介入方法、結果が多種多様であり、定まった結論を出すことが難しい。 Long term follow upのlongの期間の定義がない。 Interventionを開始するタイミングやフォローアップする期間についてのコンセンサスが得られていない。
討論③ 今後のstudyの展望 ①理学療法導入は早い方がよいのか、検討。 ②さらなる長期予後の調査。 (長期の定義が必要) ①理学療法導入は早い方がよいのか、検討。 ②さらなる長期予後の調査。 (長期の定義が必要) ③どの理学療法が優れているのか、検討。
聖マリアンナとして 我々が日常業務で行っているdaily awake、早期経腸栄養開始、血糖コントロールは長期的な患者のPF(Physical Function)を改善させない??(ただし、今回のstudyのPrimary Outcomeは生命予後には言及していないため日常業務としてのこれらの治療は必要と考える。)