ハロン湾、ハイフォン港の水環境問題に関する海岸工学的研究

Slides:



Advertisements
Similar presentations
我が国沿岸の想定高潮偏差 九州大学大学院 山城 賢 第 11 回九州地区海岸工学者の集い 平成 13 年 7 月 28 日(土)
Advertisements

熊野灘海流予測システム開発 進捗状況報告 (株)三菱総合研究所. 熊野灘海流予測システム 内容 – 熊野灘で作業中である、地球深部探査船「ち きゅう」のために海流予測を行う 黒潮の変動を数キロメートルのオーダーで予測 –JCOPE をネスティング » 日本近海 1/36 度モデル(同化あり)
リモートセンシング 測量学実習 第 2 回. 本日の概要 実習の目的 リモートセンシングとは? 概要 リモートセンシングのしくみ 衛星画像とバンド マルチバンドと解析 IKONOS ArcGIS を用いた解析 使用データ 作業フロー.
河川法について 旧河川法 河川法・・・・・河川を管理するルール *洪水対策を目的とした、治水のための河 川管理のルールつくり *公共の利害に重大な関係がある河川を直轄 河川(一級河川) *その支派川について都道府県知事が認定し た河川(二級河川) 河川、河川の敷地および流れについて、私権を 排除し、すべて公的な資産として国家が管理し.
温暖化に対する 寒冷圏の応答 予想以上に氷流出進行? 2月 17 日朝日新聞 3月 25 日朝日新聞 阿部彩子 地球 Frontier 研究センター 東大気候システム研究センター 国立環境研究所.
省エネ型有機性産業排水処理による水環境改善事業 【環境省 平成24年度アジア水環境改善モデル事業】
Harvey Nash. All rights reserved.
JRA-55再解析データの 領域ダウンスケーリングの取り組み
数値気象モデルCReSSの計算結果と 観測結果の比較および検討
雨水吐越流が都市河川・堀川に与える影響について
私の国へLet's Go!!~ベトナム~ 発表者:NGUYEN TIEN DONG.
水工学夏期研修会 2012年8月27日 CommonMPによる流出計算 菊森 佳幹(よしと) 1.
山口市における ヒートアイランド現象の解析
酒井哲郎:海岸工学入門,森北出版 第6章(pp.66-87)
霞ヶ浦湖内水質モデルを活用した 水質長期変動の解明と未来可能性
人文地理学の空間データベースの課題 高阪宏行・荒井良雄.
自然教育園における 冷気の「にじみ出し現象」の実測 方位による冷気流出の差異について
大阪府の発生源・環境の状況 大阪府環境農林水産総合研究所 2012/03/17 e-シンポ.
海岸近くの流れ:沿岸流、潮汐流、吹送流、波による質量輸送
渇水と渇水調整会議 *渇水調整会議は世界でも例を見ないわが国独特のシステム *渇水被害の軽減に果たす役割 *利根川渇水調整会議
交通量観測地点を考慮した時間OD推定 モデルの開発と大規模ネットワークへの適用
中国の水郷「烏鎮」 における水質浄化の課題と対策
ヤマトシジミによる 木曽三川汽水域における生息地評価
GIS 立地分析への応用 担当 村山祐司 教授 T A  薛 琦.
沿岸生態系 海での物質循環・流動生態系モデル
リモートセンシング 地球観測衛星等のような無限遠から,対象物に直接触れずに対象物の大きさや形,性質を観測する技術
水質調査の現地観測手法について 茨城大学農学部 黒田 久雄.
東京大学空間情報科学研究センターを 中心とした空間情報データベースの整備
静岡大学システム工学科 前田研究室4年 50113006 阿部 茂晴
新たな自治の仕組みの構築 副首都・大阪の確立に向けた取組みの推進 51
夏季における首都圏の ヒートアイランドの実態について
アジア都市圏における水問題解決のための適応策に関する研究
(事業名) 事業概要を表す図・イラスト等を記載 提案者 (株)○○、○○大学、○○市 事業費 ○○,○○○千円 (千円未満切り捨てで記載)
関東平野スケールでみた 夏季夜間の冷気生成域の分布   山内 恵太.
空間情報科学の共同利用空間データベース構築の課題
バングラデシュにおける対流活動と局地風に関する研究
神戸周辺沿岸海域における 有機フッ素化合物の分布と推移
国内及び海外における 情報公開セクションの公開内容
中越沖地震で発生した 津波のシミュレーション  環境・建設系 犬飼 直之 助教.
アクリルたわしアクション(ESA) ベトナムでの活動
図3 地球環境変動の中核的課題と動向 自然圏(Natursphäre) 人類圏(Anthropophäre) 生物圏 大気圏 水文圏 土壌圏
アジア都市圏における水問題解決のための適応策に関する研究
リモートセンシング 測量学実習 第2回.
3.ヴァリアブルバージョンの応用例 3.1 五ヶ所湾の海域浄化装置の効果に関する 数値シミュレーション
自然・環境ブック 新潟県 良好な水質の確保 <内容> ・水質ってなんだろう? 2ページ ・水質はどうやって確認しているの? 7ページ
アジア都市圏における水問題解決のための適応策に関する研究
Environment Risk Analysis
海岸近くの流れ:沿岸流、潮汐流、吹送流、波による質量輸送
7月25日 13:00-15:00 アジア汚水管理パートナーシップ (AWaP) 設立記念シンポジウム 水 ■参加費 無料 申込
セントレアの環境問題 メンバー 030谷出 031寺西 032中尾 033中島 034長田 035中土.
流速ベクトル.
陸奥湾の海水温分布とその長期変化傾向 児玉安正・清水和也(弘前大・理工) 清藤真樹・扇田いずみ (青森県産業技術センター・水産総合研究所)
ヤマセ時に津軽海峡で発生する強風 島田照久(1) 川村宏(1) 沢田雅洋(2) 余偉明(2)
360 Kim Ma Street, Ba Dinh District, Hanoi, Vietnam
○○大学(○□県□△市) プロジェクト名:「○○(人材育成像を明確にしたプロジェクト名をつける)※30字以内」 18pt
事業名:海の共創基盤~せとうちマリンプロムナード~
学部生対象 地球水循環研究センター(一部)説明会 趣旨説明
境港地区 高度衛生管理基本計画(概要) 高度衛生管理対策の内容 ≪概要≫ ・境漁港は、特定第3種漁港(全国で13漁港)の一つ。
大阪大学 国際医療シンポジウム Go Global!! 4@上海 公益財団法人 日中医学協会 日本留学経験者交流会
河川工学 -洪水流(洪水波の伝播)- 昼間コース 選択一群 2単位 朝位
平成14年大大特共同研究 サブテーマ3「断層モデル等の構築」 地下構造モデル化の研究 表層地盤とサイト特性
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第8章(pp )
国際フェリーなどの利用促進の仕組みの構築に加え、大阪港の客船寄港増加を目指し、大阪港の客船ターミナルの機能強化や客船誘致の仕組みを構築する。
屋外絶縁用高分子材料の 撥水性の画像解析に関する研究
水平井戸による循環式浄化システム 解 析 事 例 マルチ水平ウェル研究会.
ジオシンセティクスを用いた埋立地キャッピング層における水分移動数値シミュレーション
拠点システム構築事業 サブサハラアフリカ諸国の教育改善
開発担当者 :新潟大学国際センター 教授 田中亨
Water Quality Problems in Reservoirs and Rivers
アジア都市圏における水問題解決のための適応策に関する研究
Presentation transcript:

ハロン湾、ハイフォン港の水環境問題に関する海岸工学的研究 ハロン湾、ハイフォン港の水環境問題に関する海岸工学的研究  梅山 元彦 Tokyo Metropolitan University

アジア大都市ネットワーク21 「新しいアジアとの交流事業」 2006 8月 ANMC21参加都市の大学との共同研究開始 9月 ハノイ水利大学学長に国際交流協定の締結を提案 11月 ハノイ水利大学海岸工学部との共同研究を開始     「ホン河における塩水浸入に関する研究」 2007 2月 ハノイ水利大学学長の首都大学東京訪問     学術交流に関する協定書の調印 (西澤学長とHoc学長) 4月 ハノイ水利大学海岸工学部との共同研究 (2年目)     「ハロン湾における流動および水質に関する研究 」 11月 ISSUE2007にハノイ水利大学Cat海岸工学部長が講演

「アジア高度研究」 2008 9月 アジア高度研究採択 11月 ハノイ水利大学海岸工学部5周年式典参加 2009 9月  アジア高度研究採択 11月 ハノイ水利大学海岸工学部5周年式典参加 2009 5月 「アジア高度研究」留学生面接のためハノイ水利大学へ 9月 Nguyen Hoang Duc (専門:水工学)来日     「ホン河デルタで発生する塩水遡上現象の数値解析」 2010 5月 留学生面接のためベトナム国家大学へ 9月 Nguyen Kim Cuong (専門:海洋物理学)来日     「ハイフォン港における流動・漂砂・水質に関する研究 」

ホン河における塩水浸入に関する研究 (2006-2007)

ホン河における塩水浸入に関する研究の内容 河口域の塩水侵入のデータ収集    風速と風向、水位、流量、水質、塩分データ。 b) 塩水進入のデータ解析    塩分濃度分布を定式化。    塩水進入と潮汐の特性を関連付ける。    河口域の支流での塩分分布を調べ、塩水侵入長を決定する。 c) 現地観測    平成19年1月3日-18日、ホン河の16地点で塩分、濁度、溶存酸素量、BOD等の現地観測を行った。 d) 参加メンバー    ハノイ水利大学 (Vu Minh Cat 海岸工学部長、Le Xuan Roanh 海岸工学副部長、Bui Du Duong 他2名のスタッフ)

ハロン湾における流動および水質に関する研究 (2007-2008)   ハロン湾の悪化する海洋環境についての原因を追究し、ベトナムの国民にとっても、首都大学東京とハノイ水利大学にとっても有益で実行可能なプロジェクトを創生していく。

ハロン湾の位置

ハロン湾内観測地点

ハロン湾における流動および水質に関する研究の内容 ハロン湾の地理情報や既存データ収集    地理情報としては、地図、海図、既存データとしては、風、温度、降雨、波、潮汐、河川流水量、水質と塩分等を収集 。 b) 既存データを使った流れ解析    ハロン湾内と湾外の流れ場と温度場に関して三次元数値解析モデル(ROMS)を使って計算する 。    地形、現地データから得られる潮汐の特徴と流れとの関係を調べる。 c) 現地観測    平成20年1月8日-16日、湾内の6地点で、1日4回 ( 1、7、13及び 19時)、水位、速度、温度等の現地観測を行った。

沿岸流速分布 1:00 上げ潮 7:00 満潮 13:00 下げ潮 19:00 干潮

数値計算結果

数値計算と現地観測データとの比較 (Dau Go Cave)

ハイフォン市ドーソン海岸における流動・漂砂・水質に関するベトナム国家大学海洋学部との共同研究 (2010 -) ラックウェン港予定地 Lach Huyen Gateway Port ドーソン海岸 Do Son Beach

ハイフォン市ドーソン海岸の研究内容 a) ラックウェン港開発調査計画    コンテナ 50,000DWT - 14.0m x 300m x 4バース    バルク   50,000DWT - 13.0m x 250/300m x 2バース    雑貨    30,000DWT - 12.0m x 200~260m x 5バース b) プロジェクトによる環境へのインパクト    航路の増深による水象に与える影響。漂砂の影響。 c)  数値モデルの構築    航路浚渫・埋立てによる汚濁拡散シミュレーションの実施。    ドーソン海岸付近の漂砂による海岸侵食、堆積問題。 d)  メンバー    ベトナム国家大学海洋学部長 Dinh Van Uu教授 他    首都大学東京留学生 Ngyuen Kim Cuong