「グラフは噛みかたと満腹になるまでの食事の量の関係を示しています。満腹になるまでの食事の量を調べますと、食事を普通に噛んでいる人に較べて良く噛んでいる人の方が満腹になるまでに食べる量が少ないことがわかっています。」

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「グラフは噛みかたと満腹になるまでの食事の量の関係を示しています。満腹になるまでの食事の量を調べますと、食事を普通に噛んでいる人に較べて良く噛んでいる人の方が満腹になるまでに食べる量が少ないことがわかっています。」

「家森(やもり)先生は長寿の秘訣には六つの法則があるとおっしゃっています。一つは大豆や大豆加工食品を食べることです。二つ目は過剰な塩分を取らないこと。三つ目の法則は魚(さかな)をたくさん食べて、肉は食べ過ぎないようにバランスよく食べることです。四つ目は牛乳や乳製品を取ること。五つ目は野菜や果物を欠かさない食事をすること。そして最後に、食事を明るく、また楽しく食べることも長寿の秘訣だということだそうです。」

「厚生労働省の調査では、家族そろって週4回以上夕食とる子供たちは約半分ですが、3回以下の子供たちも約半分います。家族の仕事や子供たちの塾通いなど様々な理由で家族団欒の食事が出来なくなっていることがわかります。」

「このグラフは家族そろって食事することが子供たちの情緒にも影響を与えていることを示しています。キレるということが最近問題になっています。子供たちがキレたことがあるかどうかと食事の様子を調べた調査では、「家では殆ど1人でする」、「家では殆ど食事しない」など、家族での食事の機会が少ない子供たちほどキレることが多いことが示されています。」

「アメリカには2型糖尿病の多い人達がいます。この人達は糖尿病に罹っていない人達に較べて2.5倍歯周病に罹りやすいことが知られています。糖尿病によって生じる病気である合併症には網膜症、腎障害、神経障害、末梢神経障害、大血管障害などがありますが、歯周病も関係が深いのです。糖尿病になると歯周病に罹りやすくなるので注意する必要があるのです。」

「また糖尿病の人達で、歯周病のある人とない人を長期間調べていくと、重症の歯周病の人が糖尿病の状態が2倍以上悪いことも報告されています。グラフのように歯周病の治療が進み状態が改善するとともに糖尿病の程度が軽減するという報告もあるのです。糖尿病によって歯周病に罹りやすくなり、またその歯周病で糖尿病もまた悪い影響を受けていると考えられているのです。」

「グラフは発がん物質など体に変異を起こすいろいろの物質を唾液に30秒間浸して、その毒性の変化を調べたものです。殆どの物質で、唾液に浸す前の緑色の値が唾液に浸したあとの黄色の値に変化して毒性が激減していることが分かります。よく噛むことでよく出てくる唾液は、こんな素晴らしい働きもしているのです。」

「このグラフは高齢者の方々の歯の状況と日常生活の様子の関係を見たものです。棒グラフは下に行くほど歯が健康でよく噛める人達ですが、よく噛める人達の方が1人で出かけたりする人が多いことが分かります。逆に歯を失って入れ歯も持っていない人達はでかけたりすることが少なく、寝たきりの方も多いことが示されています。」 「自分の歯がある方が、またよく噛める入れ歯を入れているほうが高齢者の日常生活、健康にはとてもいいのです。また栄養を十分に摂ることのほかに、噛む動作そのことや、食事を楽しむことも脳にいい影響をあたえると考えられています。」

「このグラフは入れ歯の具合と認知症の関係を示したものです。入れ歯の具合の良くない上の棒グラフの人達には認知症の方が多く見られます。逆に入れ歯の具合の良い、よく噛めている下の方グラフの人達は入れ歯の具合の良くない人達より認知症が少なくなっているのです。よく噛めるかどうかはこんなことにまで影響しているのです。」

「このグラフは『8020』(ハチマルニイマル)の達成者、80歳で20本以上歯が残っている人達と、非達成者80歳で20本以下しか歯が残っていない人達合わせて約2万7千人の方の、歯科を除いた医療費を調べたものです。『8020』(ハチマル)が達成できていない非達成者に較べて『8020』(ハチマル)達成者のほうが、歯科を除いた医療が約17パーセント少なく済んでいるのです。歯が健康だと病気に罹りにくいことをしめしているのです。

「私たちのからだは左側の絵のように、簡単に言えばドーナツのような筒型(つつがた)になっており、真ん中の穴が右の人の絵の口から肛門までの通路にあたります。これを消化管(しょうかかん)と言います。人のからだの、この筒型の通路の外側は皮膚、内側は粘膜に覆われています。」

「この絵はおなかの中の腸を示しています。腸の粘膜の断面を大きく拡大したのが左下の写真です。このヒゲのような細かい粘膜のシワは絨毛(じゅうもう)と呼ばれるものです。 絨毛の表面積はシワで折りたたまれたようになっていますが、引っ張って広げると皮膚の表面積の200倍以上になり、その広さはテニスコートの約1.5面分に相当すると言われています。」

「写真のように、腸管表面にある免疫の仕組みは絨毛とよばれる細かいヒダの中にあります。正常な絨毛は背が高く林のようですが、点滴で絶食を続けていると腸管に食物、栄養が触れなくなってしまい、絨毛のヒダが消えてしまうのです。このことがからだをまもる免疫の能力を低下させると言われています。」

「表のように栄養サポートチームを通じて腸管からの栄養補給を促すと、カテーテル敗血症と呼ばれる、点滴などの針を刺したところからの細菌の侵入、繁殖による全身への拡がりが見られなくなり、褥創(じょくそう)と呼ばれる床ずれの発生も激減しています。また体力の回復、抵抗力の増加により、平均の入院期間、平均在院日数も少なくてすむようになることもわかってきているのです。」

「この図は仰向けで寝ている人を横から見たものです。通常では、口から入った食べ物や口の中の汚れ、歯垢(しこう)と呼ばれる歯の周りで繁殖した微生物は、胃につながっている食道に流れ込むと考えられています。しかし喉(のど)の異常や、健康な状態でも点線のように、それらが肺につながっている気管に入り込むことがあることが知られてきたのです」。

「このグラフは介護を受けている高齢者の方の2年間の肺炎の発生の程度を示したものです。口の中の手入れ、口腔ケアを受けない人達の肺炎発生率が19パーセントであるのに較べて、口腔ケアを受けている人達の肺炎の発生率は11パーセントとほぼ半減するのです。口腔ケアが高齢者の肺炎を減らすのに役立つことがわかります」

「表は我が国の食料が日本国内でどれだけ調達できているかを示す食糧自給率を、年毎(としごと)に示したものです。穀物全体では1970年46パーセントであったものが2004年には28パーセントに低下しています。1960年と較べると、小麦、大豆など主要な穀物が激減しています。牛肉、豚肉をはじめ魚介類さえも半減しているのです。」