国際宇宙ステーション搭載全天X線監視装置MAXI/GSCのエネルギー波高値較正実験 宮川雄大、鵜澤政美、山岡和貴、吉田篤正(青学大)松岡勝、磯部直樹、上野史郎、冨田洋、片山晴善、森井幹雄(JAXA) 三原建弘、小浜光洋、中島基樹(理化学研究所)河合誠之(東工大)桜井郁也(名大) 1.Introduction ■全天X線監視装置MAXI(Monitor of All sky X ray Image) ・2008年度に国際宇宙ステーションの日本実験モジュールである「きぼう」の曝露部に搭載予定 ・検出感度1mCrabを目標 ・2種類のX線検出器を搭載 従来の全天X線監視装置の約10倍の感度!! 1時間~数年のタイムスケールの変動を観測 ■MAXI/GSCの特徴 ・2~30keVのエネルギー領域に感度 ・X線を入射出来る有効面積 ⇒過去最大の約5340cm2 ・GSC・・・一次元位置感応型ガス比例計数管 ・GSC・・・電荷分割方式を用いている 比例計数管:GSC(2~30keV) CCD:SSC(0.5keV~10keV) MAXI ISS 2.実験目的 4.Analysis and result ■12台をMAXIに搭載⇒GSC16台のcalibration(4台はスペア) Xe L殻吸収端 (4.8keV) ■現在迄に6台(FM004、FM005、FM008、FM009、FM010、FM011)の測定完了!! 非線形 ほぼ線形 GSC作動領域 仕事関数が変わる ■エネルギー較正 Energy PH 2次 3次 MAXI・・・位置分解能を優先する為に 印加電圧を高くする GSC・・・印加電圧と波高値の関係 が非線形(制限比例領域) 空間電荷効果による ガス増幅率の揺らぎ 地上でエネルギーと波高値の関係を較正する 図:ガス入り検出器の種々の動作領域 3.実験方法 ※ガス異常増幅現象の影響 ∝ほぼE-0.5 <図:FM005> Y(mm) X(mm) 80(C0) 48(C1) 16(C2) -16(C3) -48(C4) -80(C5) -5(P3) 358mm 236mm off wire < on wire ■理想的な比例領域 ※F:ファノ因子、b:単一電子雪崩の変動、n0:一次電子対の数 ※ 左辺(エネルギー分解能)、右辺(第1項:一次電子数の揺らぎ、 第2項:単一電子の増幅率の分散) ■高い電圧の場合 空間電荷効果の影響⇒増幅率に雪崩相互の影響 570mm GSC Characteristic X Ray Secondary target X ray (Primary target = W) 図:GSCカウンター 各雪崩が独立とはみなせなくなる。(b≠定数) b*とおく。 ※測定で扱うターゲット 2.31keV(S)~22.16keV(Ag)まで全13種類 b*がどのような振る舞いをするのか考える b*とnoMa(a = 0.1~0.9)に関して、プロット。 それを以下の形式でフィッティング!! ①b*が一定⇒b* = b0 ②b*が変化する所⇒b* = c + b1 × (n0 Ma) 5.光電吸収によるXe L-edgeの影響 <図:FM008のC0でのガス増幅率の揺らぎ> a = 0.3の時が最もよくデータを 表現できる!! ■XeLの評価 XeのL殻吸収端(4.8keV)での『とび』を以下の値(XeL)で評価する。 6.Summary (eV) ■6台のフライトモデルについて、E-PHの calibrationを完了!!(残り10台…) <表:1650V(運用予定である印加電圧)での各カウンターの『とび』値> ※単位は[eV] ■XeLの評価 FM004 FM005 FM008 FM009 FM010 FM011 C0P4 220 192 212 218 214 233 C0P3 255 203 260 247 237 259 C1P4 222 210 289 182 205 248 C1P3 273 249 227 253 272 C2P4 207 269 244 C2P3 258 223 267 287 266 C3P4 194 229 211 C3P3 246 235 292 230 283 C4P4 209 234 C4P3 351 242 256 C5P4 213 C5P3 228 299 241 6台の測定から得た結果 Xe L-edge = 200±50 (eV) ■エネルギー分解能の算出 ①1400V・・・∝ほぼE-0.5 ②1650V・・・空間電荷効果によるガス増幅率の揺らぎが支配的 b*はM0.3に依存!! Astronomical scientific society at March 29th in 2005