勤務医の労働環境改善と ドクターフィーについて 2010年9月19日 医療再生フォーラム21 第1回シンポジウムー勤務医と病院の連帯を求めてー 勤務医の労働環境改善と ドクターフィーについて 海野信也 日本産科婦人科学会 医療改革委員会委員長 北里大学病院 副院長 Website: 「周産期医療の広場」 http://shusanki.org/ Twitter: NobuyaUnno
日本産科婦人科学会 年度別入会者数(産婦人科医)
分娩施設に勤務している割合 日産婦学会 女性医師継続的就労支援委員会2007年調査
年齢層別 月間在院時間 当直体制のある一般病院 年齢層別 月間在院時間 当直体制のある一般病院 2008年 日本産科婦人科学会調査
年齢層別 大学病院勤務医の在院時間 2008年 日本産科婦人科学会調査
病院勤務医の労働環境の確保 医療提供を持続しながら、在院時間を減少させる必要 過渡期の対応:実現するまでは、業務内容を適正に評価し、処遇する 施設あたり医師数を増やす 仕事を減らす 過渡期の対応:実現するまでは、業務内容を適正に評価し、処遇する
どうしたら在院時間を減らすことができるか 施設あたり医師数を増やす 医師全体の数を増やす 24時間体制の病院の勤務医師数を増やす 仕事を減らす 24時間体制の病院の集約化を行い、全体としての夜間勤務医・宿直医の数を減らす 看護師・助産師・コメディカルスタッフの養成・定員を増やし、医師以外の職種ができる仕事を医師がやらないようにする 医療クラークの導入 思いつくことは、ぜんぶやりましょう それには人件費を増やす必要があります
過渡期の対応:業務内容を適正に評価し、 処遇する 時間外勤務手当を適正に支給する 宿直者 非宿直者 過剰勤務を評価する 時間外手術・分娩手当 時間外重症手当・外来手当 業務量を正確に把握し、適正な人員を確保する 現状の診療報酬では、すべての病院が赤字に転落する → 次回以降の改定では医師の人件費増を前提とした対応が必要
医師はなぜ「ドクターフィー」を主張するのか 「業務内容を正当に評価されていない」という基本認識がある 医師にはサラリーマン的な働き方は求められない 医療行為の責任を負う 高度で希少な技術の安定的提供 応招義務 他の職種では代替できない医師の本来業務が直接的に評価されるべき 他の職種がどんなに増えても宿直を代わってはもらえない
「より多くの患者に、より高度な医療を提供する医師」になる 医師の報酬のあり方 慢性期の医療 急性期の医療 基本給 出来高 に応じた 報酬 + 希少技術 高度技術 標準以上の質的・量的患者対応 ドクターフィー 「より多くの患者に、より高度な医療を提供する医師」になる インセンティブとして機能することを期待
まとめ 勤務医の在院時間を指標として、これを減少させるための施策が必要 それは結局「人件費」を増やすことにつながる。現行の診療報酬では事実上不可能 より高度な医療を、より多くの患者に提供するためのインセンティブとして「ドクターフィー」は有効