国家構築の際におけるタイの「標準化」、 国民の統一化 『タイ民主主義のかたち』 概要 国家構築の際におけるタイの「標準化」、 国民の統一化 2 1 商品の普及・消費生活 3 教育の普及 言葉の標準化 =標準語 生産活動、 経済活動、 消費活動の標準化 メディアの普及 (言葉や価値観の標準化) ⇒ ⇒ 4 国家の政治制度の普及 (政治制度、代表制度、法の標準化や 経済的な近代化)
タイ民主主義のかたち 1 教育制度の普及・識字率・高等教育 タイ民主主義のかたち 1 教育制度の普及・識字率・高等教育 1.教育の普及 ~教育制度の主な内容= 標準語。「標準」語の指定、決定、主導性の問題。 国の様々な言語や方言からどれがなぜ選定されるのか? 標準語の内容。 その「標準語」を以前から持っている層による国の理想的な過去(歴史)、伝説や文学(道徳) 識字率を高める機能 国の経済開発のために労働力を強める目的 2.初期の教育制度の主な対象~ 初期に、首都近辺にいる貴族関係を持つ家族の息子 その後、プロフェッショナルをつくる国立大学の普及 最終的に、地方の公立小学校(4年制)の奨励
『タイ民主主義のかたち』 2 消費商品の大量生産・分配 『タイ民主主義のかたち』 2 消費商品の大量生産・分配 平準化の物質的基盤 (p3~p6) 重視する点: 経済開発に伴う他の3つの制度の普及と その社会への影響: 規格化された大量生産過程や 賃金労働 ・ 商品の普及 ・ 消費活動の普及
『タイ民主主義のかたち』 3 テレビ・放送メディアの普及 『タイ民主主義のかたち』 3 テレビ・放送メディアの普及 1.技術の面 情報を伝達する技術 2.内容の面 国営においての標準化された情報 画一化された情報 3.社会構成の面 個人用テレビ。個人の空間や時間で情報を取れるようになる。個さを認めながら、全ての個人が同様なメディアやその中身を受信するために統一化を発達させる。
タイ民主主義のかたち 4 法の「標準化」と民主主義 タイ民主主義のかたち 4 法の「標準化」と民主主義 p6~p10: 近代国家構築は「平準化」を促す。近代法、近代政治、近代教育はグローバル化され、経済成長を助長することを狙う。 疑問点: 1.標準化とは、「同一化」、「統一化」に相当する。 そうしたら「民主主義」の精神との差異はあるだろう。 2.民主主義の必然的な要素(定義)を検討して見ると、社会のため ではなく、国の経済成長の段階に伴う政治体系であろうか?
タイ民主主義のかたち 6 タイにおける新中間層論の端緒 タイ民主主義のかたち 6 タイにおける新中間層論の端緒 p10~p11 教育や工業化によって、国が新たな社会層を生み出す。 これらの層は貴族・庶民ではなく、上流・中間・労働者となる。 近代国家にとっては、 “中間層”の社会の中・経済の中の役割 は? 民主主義の進行が必然的に中間層の発生に 推進されるのか?
タイ民主主義のかたち 7 現代タイにおける民主化運動の担い手 タイ民主主義のかたち 7 現代タイにおける民主化運動の担い手 p11~p14 タイのNESDB(国家経済社会開発庁)などの政府組織が持つ、(農村生活向上)事業に政治的な目標もある。 近代法の下で庶民が被選挙権者となる。 そのことも含めて、こうした政治的な目標・意図には、経済的な成長をもたらす希望があるということも考えられる。
『タイ民主主義のかたち』 タイ現代政治への政治社会学アプローチ 『タイ民主主義のかたち』 タイ現代政治への政治社会学アプローチ タイ政治研究の流れ (pp2~3) に戻す、最後の疑問点: 1.市民への呼応は、「国」の諸政治制度が行うべき? 2.国の社会開発(民主化)に、市民の社会経済の 「モビリティ」が必要なのか?