地域包括支援センターの実践 〜認知症徘徊模擬訓練を通して〜

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地域包括支援センターの実践 〜認知症徘徊模擬訓練を通して〜 こんにちは。九州保健福祉大学4年の黒木みなみです。 これから認知症徘徊模擬訓練を通して学んだことを発表させていただきます。 九州保健福祉大学 4年 黒木みなみ

徘徊とは? 徘徊には目的がある 徘徊とは、自宅や入所している施設を出て、あてもなく歩き回るような行為のこと。 まず、徘徊について説明させていただきます。徘徊についてはスライドに書いてある通りです。 周りから見れば「あてもなく歩き回っている」と思われるかもしれませんが、本人にとっては、自宅に帰る、とか子供を迎えに行くため、 など目的地や理由があっての行動なのです。 しかし、この徘徊により認知症高齢者の死亡事故が全国でも多発しています。 高齢者の方が地域で出来る限り生活していけるようにする為には、徘徊への対応を私たち地域住民も知っておく必要があると思います。

認知症徘徊模擬訓練とは? 認知症高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるように、認知症高齢者に対応する方法を学び、実際に行方不明になった認知症高齢者を捜索し、安全に保護するための方法を体験する。 徘徊への対応の一つとして行われているのが認知症徘徊模擬訓練です。 徘徊模擬訓練の説明についてはスライドにあるとおりです。

模擬訓練に参加した経緯 私が実習をさせていただいた、財光寺地域包括支援センターは1年に1回認知症徘徊模擬訓練を行っていた。 私の住む細島地区でも地区社協と日向市社協が協力し、認知症徘徊模擬訓練を行うことになり、実習指導者の方とともに参加することとなった。 私が認知症徘徊模擬訓練に参加した理由はスライドに書いてある通りです。 財光寺地区の認知症徘徊模擬訓練には今回参加できなかったのですが、私の住む日向市細島地区でも 認知症徘徊模擬訓練を実施することになり、そこへ実習指導者と参加することになりました。

細島地区の特徴 •海と山が地区の半分以上を占めている •地域住民同士の交流が多い •徘徊高齢者の死亡事故がおきている •海と山が地区の半分以上を占めている •地域住民同士の交流が多い •徘徊高齢者の死亡事故がおきている 細島地区の地域の特徴としては、海と山が地区の半分以上を占めています。 また古くから住んでいる人が多いため地域住民同士の交流が多い地域です。 細島地区では徘徊高齢者の事故が起きているのですが、 徘徊高齢者は他の地区から来た方がほとんどです。これは高齢者の方が昔細島地区に住んでいたため、 自分の家に戻るために細島まで来られたと考えられます。 なので今回の細島地区徘徊模擬訓練ではこの地域の特徴をもとに徘徊高齢者は他の地区から徘徊した高齢者という設定で訓練を行いました。

徘徊模擬訓練の様子をお見せします!! それでは今から実際の徘徊模擬訓練の様子を写真を使って説明していきたいと思います。 これからお見せする写真は財光寺徘徊模擬訓練の時の写真です。

開会式 この写真は開会式の様子です。 今回の徘徊模擬訓練には地区の関係者、行政、中学生、財光寺地区の福祉施設の職員などが参加しました。

認知症への対応説明 開会式の後に、認知症高齢者へ対応方法について事前学習を行います。

グループごとに事前打ち合わせ 財光寺地区は地区が大きいため、三つの地区で徘徊模擬訓練を実施しました。 事前説明が終わると、グループごとに捜索ルートを決め、捜索への準備を行います。

模擬訓練開始 事前打ち合わせで決めたルートを歩き、捜索を行います。

認知症高齢者への対応 認知症高齢者を発見すると、事前学習で習ったように声掛けを行います。

認知症高齢者の発見後 見つけてくれて ありがとうカード これは一昨年の徘徊模擬訓練の様子なのですが、認知症高齢者を発見したあとは、この 見つけてくれてありがとうカードをもらい、警察へ通報を行います。

徘徊模擬訓練を通して学んだ事 良かった点 ・認知症高齢者に対しての対応方法が学べる ・地域を歩くことで地域の特徴を知る事ができる ・地域の人たちとの交流の場となった 今回の模擬訓練に参加してみてよかった点は、一つめは「認知症高齢者に対しての対応方法を学べる」ということです。 私は、これまで認知症高齢者の方多く関わってきましたが、今回の徘徊模擬訓練では、徘徊を行っている認知症高齢者への対応方法について学ぶことができ、 とてもよかったです。 二つ目は「地域を歩くことで地域の特徴を知ることができる」ということです。 私は小学校4年生の時に細島地区に引っ越してきました。小学校も地区の小学校には行かなかった為 これまであまり自分の住んでいる地域を歩くという体験をしてきませんでした。今回の模擬訓練で細島地区を歩いてみると、すくぞばに港があるので、 山の上にある家が多かったり、道がものすごく狭かったりと様々な発見がありました。 徘徊模擬訓練は認知症高齢者の対応方法を学ぶだけでなく、普段自分たちが住んでいる地域の良いところや課題点について発見する 機会にもなると思いました。 三つめは「地域の人たちの交流の場になる」ということです。 細島地区は他の地区と比べ住民同士の交流が多い地区です。今回の模擬訓練では細島地区に住む小学生から大人の方と 交流を行うことができ、貴重な経験をさせていただきました。

徘徊模擬訓練を通して学んだ事 課題点 ・認知症に対する知識が少ない為に、同じ ような対応になってしまう。 ・認知症に対する正しい知識、理解 課題点 ・認知症に対する知識が少ない為に、同じ ような対応になってしまう。 ・認知症に対する正しい知識、理解 次に課題だと考えられる点は、まず一つ目は「認知症に対する知識が少ない為に、同じような対応に なってしまう」ということです。 今回の徘徊模擬訓練では、事前学習が短かった為 実際に訓練中に徘徊している高齢者に声掛けを行うとき戸惑う人が多く、訓練後の反省会でも そういう意見が多く上がっていました。 この訓練を一回で終わらすのではなく、何度も重ねていくことが大事なのではないかと感じました。 二つ目は、実際に行方不明になった場合どうするのかとということです。 訓練後の反省会の時に市の消防士の方がおっしゃっていたのですが、実際に認知症高齢者の捜索願いが出されても 家族の方が住民の方には伏せて捜索してほしいと言われることが多いため、警察や消防で捜索することがほとんどなのだそうです。 しかし、それでは限界があり死亡事故も多いため、認知症について正しい理解と対応を地域の方にはしていただきたいとのことでした。 ひとりでも多くの高齢者の方が地域でできるかぎり生活しつづけられるように、私たち地域住民一人ひとりが考えていくことが大切なのだと 感じました。

ご清聴ありがとうございました 以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。