輝いて、自宅で ~終わりよければすべてよし~ 日本介護福祉士会 田中雅子
地域で安心して暮らすために 医療と介護・福祉サービスの充実 良質なサービス従事者の質の確保
介護サービス従事者の現状 不十分な労働・雇用条件 短期間の離職 労働市場内の人材の循環が十分でない 従事者の質のバラツキ 事業者による能力開発とキャリア支援が不十分 介護の仕事が魅力ある職業として十分確立していない
介護職の役割と仕事の特性① 生活全体を支援するための幅広い役割 ⇒利用者の生活に寄り添い、生活の時間・経験の一 部を共有することまでをも期待される ⇒利用者の代弁や権利擁護、各種サービス等につ いての情報提供や相談など家族への支援、地域 の社会資源やサービスとの橋渡しなど、利用者の 生活環境の整備 ⇒利用者を取り巻く社会関係や生活文化を理解
介護職の役割と仕事の特性② 利用者との協働作業としての介護 ⇒介護は、利用者と介護職が協働して、より よく暮らそうとする目標をともにし、このた めの方法や可能性を見つけ出し、創りだし ていく協働作業。(時には、利用者から多くのこ とを学び、成長し、支えられるている) ⇒利用者と介護職との協働作業、相互の関 係性によりケアが創造される
介護職の役割と仕事の特性③ 介護は考え・判断する精神労働 ⇒介護は身体的な行為を媒介とした精神労 働。多様な生活環境のなかで、利用者の 心情、心身の状況、周辺の環境要因など に配慮しながら、瞬時に自分のとるべき行 動を判断しなければならない
求められる介護福祉士像 (「介護福祉士のあり方及びその養成プロセスの見直しに関する検討会」報告書から 尊厳を支えるケアの実践 現場で必要とされる実践的能力 自立支援を重視し、これからの介護ニーズ、政策にも対応できる 施設・地域(在宅)を通じた汎用性のある能力 心理的・社会的支援の重視 予防からリハビリテーション、看取りまで。利用者の状態の変化に対応できる 多職種協働によるチームケア 一人でも基本的な対応ができる 「個別ケア」の実践 利用者・家族。チームに対するコミュニケーション能力や的確な記録・記述力 関連領域の基本的な理解 高い倫理性
「終わりよければすべてよし」 介護職の課題(悩み?) 利用者・家族から求められる医療ニーズへの対応 平成19年2月、日本介護福祉士会東海・北陸ブロック7県の「医療的行為に関するアンケート」から 問「吸引・点滴・経管栄養・インシュリン投与などの行為は法律で禁止されていることを知っていますか?」 ↓ 「知っている」97.6% 「知らなかった」2.4% 問「経管栄養(鼻管・胃ろう)について ↓ 「行っている」28.2% 「行っていない」68.8% 「行っている」者のうち、医師・看護職員からの指示が67%、家族・本人からの依頼が6.5%