サイバーALARAプログラムの開発 Choi, Hoon 放射線保健研究院 韓国水力原子力会社 2012年ISOEアジアALARAシンポジウム サイバーALARAプログラムの開発 Choi, Hoon 放射線保健研究院 韓国水力原子力会社
KHNPの概要 KHNPは、2001年4月に韓国電力公社(KEPCO)から分離された6つの発電子会社の中で最大の企業である。 水力及び原子力発電(21の運転中のNPP)により、発電施設の約25%を占める。 KHNPは古里、霊光、蔚珍及び月城で原子力発電所を運転しており、また漢江システムの水力発電所も数か所で運転し、全国電力供給量の約 40%を供給している。
RHRI(放射線保健研究院)の概要 RHRIは、低線量の放射線被ばくが人に及ぼす影響を評価及び研究し、放射線被ばく事故の発生時に速やかに医療処置の支援を提供することを目的として、1996年に創立された。 これまでRHRIは、放射線量測定法の研究、国際的規模の放射線緊急医療ネットワークの構築、及び放射線業務従事者の健康管理に取り組んできた。
KHNP情報システムのサイバーALARAセンター サイバーALARAセンターについては、今年初めに開催された 「2012年国際ISOE ALARAシンポジウム」において、放射線管理情報システムの一部としてすでに紹介された。 サイバーALARAセンターは、実際の放射線管理システムにとって非常に重要な構成要素として機能すると考えられる。 ALALAセンターの詳細情報をこのプレゼンテーションで紹介するが、特にサイバーALARAセンター計画立案の歴史と理由に重点を置いて説明する。
サイバーALARAセンターの背景情報 サイバーALARAセンターの「ALARAプロセス」のために、2つの研究プロジェクトがRHRIによってすでに実行されている。 第一のプロジェクトは「NPPの主な作業現場 における放射線照射野 の分析(2008年3月-2011年2月)である。 第二のプロジェクトは「IAEAの基本安全基準のNPPへの適用と対策に関する調査(2009年3月-2011年8月」である。
最良オプションの選択基準 d0 d1 d mSv Base Ref(d) Ref(d) = Base(d/d0)a d2 2 1 Base Ref(d) Ref(d) = Base(d/d0)a d2 2 1 US$/man-mSv 「放射線回避因子」に基づいて評価された韓国NPP放射線業務従事者にとっての人/mSvの金銭的価値が第2研究プロジェクト「 NPPへの適用に関する調査」の1節として含まれた。 これらの3つすべての部分が 「ALARA プロセス」の内容であり、それを今回1つずつ説明する。
ALARAプロセスの内容 1. 「被ばく状況の評価」のために行う放射線照射野の分析 2. 「改訂された線量拘束値と線量限度」のレビュー 1. 「被ばく状況の評価」のために行う放射線照射野の分析 2. 「改訂された線量拘束値と線量限度」のレビュー 3. 「最良オプションの選択」の金銭的価値
「被ばく状況の評価」のために行う 放射線照射野の分析 2010 방사선안전 심포지움
「被ばく評価」のために行う放射線照射野の分析 NPPにおける職種別分析と分類を行い、過去の被ばくデータを収集し、それに基づいて主な作業現場の「放射線被ばくのデータベース」を構築した。 「防護オプションの特定」のために、各職種の被ばく環境の分析法を確立した。 該当する作業現場の放射線照射野分析のために、照射試験と放射線輸送シミュレーションをTLD及びその他のシステムを使用して実施した。
「被ばく評価」のために行う放射線照射野の分析 職種別の「実効線量」分析及び等価線量の再構築 線量の低減と最適化に対する遮へい効果の分析 主な作業現場の放射線照射野分析及び実効線量の品質分析に関する最終報告書の作成 等価線量推定指針の作成及びそのデータベースの構築 * スタッド・ホール試験時の原子炉上の測定点(上図)及びガンマ線のエネルギー・スペクトル(下図)
「線量拘束値と線量限度」 のレビュー 2010 방사선안전 심포지움
「線量拘束値と線量限度」のレビュー ICRPは、2007年に新しい勧告「ICPR103-職業放射線防護に関する線量拘束値」を発表した。 研究プロジェクトの目的の1つは、IAEAの改定されたBSSをNPPの安全測定に適用する際の最適対応策について調査することであった。
「線量拘束値と線量限度」のレビュー 線量拘束値は、最適化の手順において検討するオプションの範囲を定めるために用いられる個人線量の線源関連値である。この概念はICRP60で初めて導入された。 被ばく状況の計画では、職業被ばくは特定線源に関する線量拘束値未満であることが望ましい。
「線量拘束値と線量制限」のレビュー この調査の結果、「ALARAセンター」の要件は個々の作業員の被ばく分布の平衡性を満足させることであることが明らかになった。 「優良慣行」及び「放射線防護の最適化」を業務に反映させるためには、ALARA S/W又はALARAプログラムの開発が必要である。 線量拘束値の適用 : - 放射線防護系統の大幅な変更は不要
「最良オプションの選択」 の金銭的価値 2010 방사선안전 심포지움
「最良オプションの選択」の金銭的価値 韓国原子力発電所(NPP)の運転員にとっての人/mSvの金銭的価値を 2011年に算出した*。 2011年に算出した*。 NPP作業員の調査に基づく回避因子が推定に用いられた(2010年に、 2,157の回答があった)。 この調査には、異なるレベルの被ばくに基づく段階的な離散系モデルと金銭的価値が用いられた**。 * 放射線回避因子に基づいて評価された韓国NPP放射線業務従事者の人/mSvの金銭的価値(B Leeその他、RPD、2011年) ** 実質GDPに基づいて人/シーベルトの真の金銭的価値を評価するために用いられた階段関数モデル (Seong H. Na、2009年)
「最良オプションの選択」の金銭的価値 調査対象として、10の韓国NPP(古里1-2、霊光1-3、蔚珍1-3及び月城1-2)を選択した。 放射線回避係数: 放射線業務従事者の放射線回避度を5刻みの人/mSvで調査し、2刻みに変換して平均化した。 * 放射線回避と平衡を考慮し、これらを反映した人/mSvの金銭的価値のモデル(上図)及び線量レベルごとの放射線回避因子「α」(CEPN)(下図)
「最良オプションの選択」の金銭的価値 2010年8月に、KHNP及び提携企業の協力を得て、10のNPPで当時放射線業務に従事していた作業員に対して約2,500通のアンケートを配布した。 αref(d) は、個人の被ばくレベルdに基づく人/mSvの金銭的価値である。 αbase は、線量単位による健康有害の基本的な金銭的価値である。 dは個人の年間被ばくレベルであり、aは放射線回避因子である。 * ICRP出版物101及びIAEA SRS No. 21(下式)に提示されている基本モデル式
「最良オプションの選択」の金銭的価値 * 2009年時点での韓国の特殊要素と基本的な金銭的価値(左表)及び線量レベルごとのKHNPの放射線回避因子と金銭的価値(上表) これらの放射線回避因子はNPP運転員の人/mSvの金銭的価値を 判別するための1つの重要な基準として用いられた。
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