~研究会の取組及び研究主題について~ H21.12.24 於:京都市立西総合支援学校 医療的ケアと重症児教育 ~研究会の取組及び研究主題について~ H21.12.24 於:京都市立西総合支援学校
研究主題 医療的ケアと重症児教育に関する知識と技能を高める
経過 総教研の立ち上げ H21年6月 幹事会(役割、研究会の方向性、研修内容) HPの立ち上げ 8月 HPの資料室作成 9月 総教研の立ち上げ H21年6月 幹事会(役割、研究会の方向性、研修内容) HPの立ち上げ 8月 HPの資料室作成 9月 総支研準備、HP資料追加 10、11月 総支研 研修会 12月
医療的ケア 在宅医療として認められている行為 日常的に家庭において行われている、医療的生活介護・援助行為 日常的に家庭において行われている、医療的生活介護・援助行為 継続的なケアが必要なため医師の指導の下、患者や家族が行うよう委ねられた行為
「医療的ケア」 医療的 医療行為 生活 生活援助 (医行為) 援助行為 行為 経管栄養 吸引 吸入など 絶対的 医行為 相対的 医行為 血圧測定、爪切り、歯磨き等 経管栄養 吸引 吸入など 経管栄養・吸引などの日常生活に必要な医療的な生活援助行為を、治療行為としての医療行為とは区別して「医療的ケア」と呼ぶことが、関係者の間では定着しつつある。東京都内の肢体不自由養護学校全校において、最近は「医療的ケア」を日常生活で要する生徒は全児童生徒の約25%(約500名)、学校生活でも必要としているのはその約半分という多数に増加している。この傾向は全国的で、肢体不自由養護学校の平成14年度全国調査では、医療的ケアを必要としている児童は通学生徒の17.7%、2,640名の多数となっている。知的障害養護学校や病弱養護学校等にも医療的ケアを要する生徒が多数通学しており、その数は800名以上と推定されている。 「医療的ケア」
医療的ケアの内容 ・経管栄養(鼻腔注入、胃瘻、腸瘻、口腔ネラトン) ・痰の吸引(口腔内、鼻腔内、咽頭部、気管内) ・(自己)導尿の補助 ・吸入(薬剤吸入、ネブライザー吸入) ・酸素療法 ・経鼻エアーウェイ・人工呼吸器の管理、etc.
特別支援学校医療的ケア実施体制状況 H19.5.1 文科省 特別支援学校医療的ケア実施体制状況 H19.5.1 文科省
特別支援学校医療的ケア実施体制状況調査結果 H20年5月1日 文科省
京都市の医療的ケア(49人) 経管栄養 鼻腔 胃瘻・腸瘻 (口腔ネラトン) 26 痰の吸引 経鼻・経口 30 気管内 7 37 導尿 鼻腔 胃瘻・腸瘻 (口腔ネラトン) 26 痰の吸引 経鼻・経口 30 気管内 7 37 導尿 自己導尿の補助 0 介助導尿(間欠・留置) 2 2 吸入 薬剤の吸入 13 酸素療法 酸素の吸入 8 その他 経鼻エアウェイ、人工呼吸器.etc 10 合計 延べ人数 96
京都市の医ケア実施状況 H22 実施ケア内容 小計 口腔内(鼻腔内)吸引 29 経管栄養(胃ろう等を含む) 27 自己導尿の補助 介助導尿 介助導尿 2 薬液等の吸入 14 気管切開部の管理 7 気管内吸引 人工呼吸器の管理 1 酸素吸入 8 経鼻エアウェイの管理 その他 3 計(延べ人数) 98
医療的ケアをめぐる対応の展開 施設・病院 → 在宅へ 在宅医療の進歩普及 医療的ケアを要する児童の増加 *在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 平成16年5月〜 施設・病院 → 在宅へ 在宅医療の進歩普及 医療的ケアを要する児童の増加 家族以外の者による在宅ALS患者の吸引の容認(厚労省) 横浜、大阪、東京などでの、教員に よる医療的ケアの実践と、実績 文科省による実践研究 モデル事業 学校等での医療的ケアについての経緯を、このスライドにまとめた。 以下、このスライドの各項について説明する。 教員による医療的ケアの実施が、横浜では市レベルでの取り組みとして20年以上前から先駆的に開始され、大阪では現場の教員や養護教諭の取り組みとして実践され、東京では都としての対応が開始されていたが、全国的にニーズが増加してきているのもかかわらず、全国的レベルでの行政の取り組みは皆無であった。 14年 16年 平成10年 15年 厚労省 研究会* 医師有志635名に よる要望書 小児神経学会「見解と提言」 日本神経学会の意見書
学校で医療的ケアが行われることの 意義・必要性 教育的 意義 医療的 意義 福祉的 意義 意義・必要性 教育的 意義 医療的 意義 福祉的 意義 学校で、家族の負担によってではなく医療的ケアが実施されることの必要や意義として、ここに示す三つが、共通認識されておくべきである。
教員も実施者となりながら、医療的ケアが行われる ことの、教育的意義 (北住映二Dr.) ことの、教育的意義 (北住映二Dr.) ・ 教育条件の改善 「訪問」から「通学へ」、授業の継続性 家族の都合や体調不良による欠席の減少、等 ・ より本質的な教育的意義 教育内容の深まり 教員と生徒の関係性の深まり 文部科学省による、研究事業での成果のまとめの「教育的効果」 ① 子どもの精神的成長が見られ、母子分離ができた。 ② 生活リズムが確立し欠席日数が減少した。 ③ 授業中に保健室に連れていくことが無くなり授業の継続性が保 たれるようになった。 ④ 様々な活動に参加できるようになり、表情が豊かになった。 ⑤ 発達に応じた自立心が芽生えてきた。 教育的意義の第1は、教育条件の改善である。訪問教育であった生徒が、医療的ケアが学校で可能になることにより、通学が可能になることが多い。また、学校での医療的ケアが母親家族だけに委ねられている場合には、家族の都合や体調不良によって本人が欠席せざるを得なくなるが、学校スタッフによって医療的ケアは行われることにより、このようなことは回避される。 教育的意義の第2として、教員が医療的ケアにかかわることにより、教育内容が深まる、教員と生徒の関係性が深まるなどの本質的意義も実践を通して認識されてきている。 文部科学省は、医療的ケアについての研究事業のまとめの中で、教育的効果の報告として、ここに示す5点をあげている。
医療的意義 ■ 直接的な医療的意義 医療的ケアが学校でも必要に応じて実施されることにより、誤嚥 や脱水を防いだり(経管栄養)、呼吸困難の防止や軽減が可能に なり(吸引)、健康・生命が維持できる。 (例えば、学年が上がるにつれて嚥下機能が低下し、経管栄養 が必要になる児童がかなりあるが、学校スタッフは注入ができな い、家族も来校できないという理由で、誤嚥のリスクを冒しながら 教員が無理に経口摂取を学校で続けている例が少なくない。 学校での対応が可能であれば、このようなリスクは回避できる。) ■ より広い医療的意義 学校スタッフが医療的ケアにかかわることを通して、適切な 医療的配慮と対応が向上している。 医療的な意義や必要性は、ここに示す通りである。生命と健康を守ることが基本的義務である私たち医師にとっても、このような医療的意義は大きいものである。 かっては、医療的ケアを要するような重度な児童が通学することにより死亡率が増えるのではないかという危惧が医師から表明されていた。しかし、学校スタッフが医療的ケアにかかわることを通して、適切な医療的配慮も向上しており、医療的ケアの実施が進む中で、生徒の急変や死亡がむしろ減少したとの報告もある。 医療的ケアの実施が進む中で、生徒の急変や死亡 が減少したとの報告もある
福祉的意義 ・母親の負担の軽減 ・兄弟姉妹を含めた、家族のQOLも守られる (障害児者のライフサイクルの中で、学校は学齢期における 福祉的機能を実質的に大きく担っていることが、強く認識 されるべきである。) 学校に通学し家族の負担によってではなく医療的ケアが行われることにより、母親の負担の軽減が得られ、兄弟姉妹も含めた家族のQOLも守られる。 学校は本来は教育の場であり、福祉サービスの場では無いことは基本としてあるとしても、現実には障害児者のライフサイクルの中で学齢期における福祉的機能を学校が大きく担っている。このような客観的な社会的機能・価値と、その一つとしての学校でのスタッフによる医療的ケア実施の福祉的意義は、関係者とくに福祉行政関係者に、強く認識されるべきである。 兄弟姉妹の問題(とくに心理的負担)は学校スタッフには認識されにくいものだが、心理カウンセリングを要する状態になる場合もある。兄弟姉妹の問題も視野に入れての関係者の対応が必要であり、医療的ケアの学校での実施はこの点でも重要である。
医師法第17条・違法性阻却」 「医師法第17条」 (1) 当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある行為 (2) 反復継続し、またはその意思をもって行うこと 「違法性阻却」 ・・・「形式的には法律に抵触するが、実質的には違法性を問われない、処罰されない」 正当化されるための要件 (1)目的の正当性 (2)手段の相当性 (3)法益衡量 (4)法益侵害の相対的軽微性 (5)必要性・緊急性
医療的ケアと重症児教育研究会HP 西総合支援学校HP →「総合支援学校教育研究会」→「医療的ケアと重症児教育研究会」 西総合支援学校HP →「総合支援学校教育研究会」→「医療的ケアと重症児教育研究会」 http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/nishi-y/index/Index2/iryou_kenkyu/index2.html) ※HP内容を、みんなの持ち寄り情報により充実させていきたい(日常的に使えるHPに) → 是非、使える情報を! 研修資料室PW:*****
本日の日程(午前) 9:30 11:40 12:00 重症児教育に生かす授業作り VTR視聴 教材の紹介 講義「授業作りの視点」 9:30 11:40 12:00 重症児教育に生かす授業作り VTR視聴 教材の紹介 講義「授業作りの視点」 講師 前舞鶴養護学校北吸分校 教諭 京都教育大学専攻科卒業 田中 茂 氏 まとめ 昼食 途中休憩あり ※ 昼食後も、車は東門より入ってください。
本日の日程(午後) 13:00 13:30 14:5015:00 16:4517:00 経管栄養剤の試飲 講義(重症児の呼吸障害・吸引・吸入・感染予防など) 講師 まつい内科呼吸器科医院院長 松井 輝夫 医師 休憩・準備 講義・実技指導 FBM(ファシリテーションボールメソッド) 講師 FBM研究会インストラクター 大島 昇 氏 まとめ・アンケート記入 等 終 了