4次元時空間(複素数)と ミンコフスキー時空間(実数)の差異

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4次元時空間(複素数)と ミンコフスキー時空間(実数)の差異 日本物理教育学会 九州支部総会  長崎県立小浜高等学校 山本文隆 VS  複素時空間(複素数)       ミンコフスキー時空間(実数)

スペースライクとタイムライクの範囲 ミンコフスキー時空間     (実数時空間)

固有時 への疑問 dτ=ds/ic 「空間と時間の物理学」(恒岡美和) では固有時間τの変化を 1 固有時 への疑問 「空間と時間の物理学」(恒岡美和) では固有時間τの変化を  dτ=ds/ic     1    =──√dx2+dy2+dz2+(icdt)2     ic        4次元複素時空間 スペースライク     dt dx   dy   dz    =──√(── )2+(── )2+(── )2-c2   ic dt   dt   dt        4次元ミンコフスキー時空間                 スペースライク   dt v  dt   =──√v2-c2 =dt√1-(─)2 =──   ic c γ     虚数  虚数     実数   実数            タイムライク

”全ての系に共通にそれぞれ個々に流れる時間 と説明してある。 固有時間 の 4次元複素時空間 での定義     v   γ=1/ √1-(─)2 (=1/√1-β2)(vは物体速度)        c として全ての系に     dt dt’ dt”   dτ =── = ── = ── =・・・     γ   γ’   γ” の関係があり、このdτを固有時と定義し ”全ての系に共通にそれぞれ個々に流れる時間 と説明してある。

双曲線の性質 双曲線とピタゴラス三角形 ao2=bd2-bo2 =bd2-β2bd2 =bd2(1-β2)=R2 bd=γR、ob=γβR 双曲線の性質 双曲線とピタゴラス三角形 ao2=bd2-bo2     =bd2-β2bd2    =bd2(1-β2)=R2  従ってγ= 1/√1-β2 として bd=γR、ob=γβR  点d(ct,x)    =d(γβR、γR)

2次元ミンコフスキー時空 ct2-x2=s2 単位時間双曲線 x2 -ct2=s2 単位距離双曲線   ct2-x2=s2 は   ct2=x2+s2   と考えてもいい。 

ローレンツ変換係数の関係 β:各慣性観測系同士の速度、対光速v/c 1)γ=1/√1-β2)変形 (γ=1/α >1) 1+γ2β2=γ2    (γ=1/α >1)  1+γ2β2=γ2  1+tan2θ=1/cos2θ   γ2(1-β2 )=1 2)α=√1-β2)変形     (α=1/γ <1)  α2+β2=1   cos2θ+sin2θ =1  

ローレンツ変換係数  と  三角関数 双曲線関数  三角関数三平方の定理 のγ倍 = 双曲線関数

変換係数 と 三角関数 と 双曲線関数 cosh2φーsinh2φ=1 変換係数 三角関数 双曲線関数 1 変換係数 と 三角関数 と 双曲線関数   変換係数     三角関数        双曲線関数            1 β2+α2=1 sin2θ+cos2θ=1 tanh2φ+───── ─ ─ =1             cosh2φ   1  ↓ γ2倍 =   ↓ ───── ─  倍  =   ↓ cosh2φ倍   cos2θ         1 γ2β2+1 =γ2 tan2θ+1=───── ─  sinh2φ+1=cosh2φ         cos2θ     cosh2φーsinh2φ=1

ハイパボリック関数の定義からの三角関数の導出

VS 複素時空間 ミンコフスキー時空間 4次元 s2=x2+y2+z2+i2c2t2 s2=x2+y2+z2ーc2t2 4次元 s2=x2+y2+z2+i2c2t2 s2=x2+y2+z2ーc2t2 3次元 s2=x2+y2+i2c2t2    s2=x2+y2ーc2t2            球            双 曲 筒 2次元 s2=x2+i2c2t2       s2=x2ーc2t2            円            双 曲 線 VS     複素時空間       ミンコフスキー時空間

ミンコフスキー時空、光世界線の上下左右 (2次元) ミンコフスキー時空、光世界線の上下左右  (2次元) s2=x2ーc2t2 >0  スペースライク 左右双曲線群    x2ーc2t2 =0          光世界線 s2=c2t2ーx2 >0  タイムライク  上下双曲線群

スペースライクとタイムライクの範囲

ミンコフスキー時空、光円錐の内外(3次元) s2=x2+y2ーc2t2 >0  スペースライク 光円錐外側    x2+y2ーc2t2 =0         光 円 錐 s2=c2t2+y2ーx2 >0  タイムライク  光円錐内側

ミンコフスキー時空間 双曲筒 s2= x2+y2ーc2t2 双曲皿 s2= c2t2-y2ーx2 把握空間 静止者発信 双曲筒 s2=  x2+y2ーc2t2 双曲皿 s2=  c2t2-y2ーx2 把握空間  静止者発信  x2+y2=(ct+s)2  運動者発信  (x+γβs)2+y2   = (ct+γs)2

世界円筒 ←S 系 S‘系 ↓ S 系 静止 s2 =x2+y2 運動 s2 =γ2(x-βct)2+y2 S‘系 世界円筒 ←S 系  S‘系 ↓ S 系  静止 s2 =x2+y2  運動 s2 =γ2(x-βct)2+y2 S‘系  運動 s2 =γ2(x‘+βct’)2+y‘2  静止 s2 =x‘2+y’2

右下:角度変換、速度変換による

右下 ローレンツ変換による

世界円筒の式 その断面と ローレンツ変換 x2+y2=s2 γ2(x’+βct’)2+y’2=s2 世界円筒の式 その断面と ローレンツ変換 x2+y2=s2           γ2(x’+βct’)2+y’2=s2          γ2(x-βct)2+y2=s2           x’2+y’2=s2 x-y断面              x‘-y’断面  x2+y2=s2   γ2x2+y2=s2   γ2x‘2+y’2=s2 x‘2+y’2=s2

光円錐の重ね合せ 把握空間 または 力線空間

把  握  空  間 往復の光信号で知ることができる空間の最大範囲

距離双曲筒 と 時間双曲皿