二硫化ジフェニル(Cas No ) 高用量群の雌RBC(-11%)になぜ有意差が付かないか/前回勉強会

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二硫化ジフェニル(Cas No. 882-33-7) 高用量群の雌RBC(-11%)になぜ有意差が付かないか/前回勉強会 小林克己 前川先生勉強会つづき /2010-5-18

結論(高用量群は対照群に対して11%低下/赤血球数) 対照群に5.81という最小値があり,この個体は高用量群の最小値5.84より小さく,Hg & Htc↓, RC53% ↑ ↑, 組織所見多数/脾臓. この個体が足を引っ張っている. この対照群の変動係数は,9.8%と極めて大きい.      化審法150試験の 95%信頼区間は3.92~4.40%,    最小値1.10~最大値8.98%. 検定は,Dunnettの検定を用い,検出力の低い「両側検定」採用している. 「片側検定」を採用すると5%水準で有意差が検出できる.

解析決定樹 (山崎らを改良したツール) 化審法・28日反復投与毒性試験の使用率は, 10/122

赤血球数(×106/μL) at Day 43 調査項目 群 (各群雌5匹) 対 照 1 mg/kg 6 mg/kg 30 mg/kg 群 (各群雌5匹) 対 照 1 mg/kg 6 mg/kg 30 mg/kg 平均値±S.D. 7.022±0.690 7.190±0.361 6.884±0.310 6.274±0.414 % 100.0 102.3 98.0 89.3 等分散性 バートレットの検定,有意差ナシ, P = 0.406 全群間の差 分散分析,有意差アリ, P = 0.0355, どこかの群間に差アリ 計算値(Dunnett) -0.563 0.466 2.530 Dunnettの表 5%水準で,両側検定 (2α) = 2.592, 片側検定 (α) = 2.227 結  論 両側検定で解析している/統計学的有意差が検出されない 7.30, 7.48, 7.13, 5.81, 7.39/対照群,変動係数 = 9.8%(大きい) 標準変動 係数(雌) 化審法150試験: 4.16±1.48, 95%信頼区間は3.92~4.40, 最小値1.10 ~ 最大値8.98 回復期間 at Day 57 8.060±0.453 (100.0) 計算値(t) = 2.608, P<0.05*(2α), **, P<0.025*(α) 7.490±0.183* ( 92.9)

両側検定と片側検定による有意差検出の差 測 定 項 目 検定回数 Dunnettの検定 片側検定 両側検定 体 重 528 223 212 体     重 528 223 212 飼料摂取量 832 235 189 血液学検査 352 123 105 生化学検査 576 215 181 尿 検 査 64 7 5 器 官 重 量 224 47 42 器官重量比 82 67 合   計 2800 932 (100) 801(86)

Studentのt-検定とDunnettの検定による有意差検出の差 測 定 項 目 検定回数 両側検定 t-検定 Dunnettの検定 体     重 528 233 212 飼料摂取量 832 279 189 血液学検査 352 126 105 生化学検査 576 235 181 尿 検 査 64 10 5 器 官 重 量 224 61 42 器官重量比 89 67 合   計 2800 1033 (100) 801(78)

主な定量値に対する試験機関別変動係数の小さい順位(特徴のある定量項目) 調査項目 試験機関名 三菱 安科研 バナファーム 安評センター 化合物安全研 畜安研 食薬センター 日本バイオリサーチ ボゾリサーチ 体  重 2 1 7 5 3 8 6 4 飼料摂取量 尿  量 リンパ球(%) GOT活性値 ナトリウム量 脳 重 量 肝 重 量 脾 重 量 平均順位 2.6 3.1 3.8 4.3 4.6 5.4 6.6 7.1

クラスター分析による各試験機関の分類 MCSI: 三菱安科研 PL: バナファームラボ ANC: 安評センター SRI: 化合物安全研 NB:日本バイオリサーチ FDSC: 食薬センター BRC: ボゾリサーチ