第228回灘区民健康講座 平成17年6月24日 義歯の管理について 灘区歯科医師会 谷岡 望
1.義歯とは 義歯 は身近な 人工臓器
1.義歯とは 歯が欠けたり無くなった場合に、人工の装置で補うことを「補綴(ほてつ)」といいますが、義歯(ぎし)はその補綴装置のひとつで、一般的に入れ歯(いれば)と呼ばれています。その目的は、 ・機能の回復 (物を咬んで飲み込むことや話すこと) ・審美性の修復、改善 (口元や顔貌)
1.義歯とは 義歯装着前 義歯装着後
2.義歯の種類 義歯(入れ歯)とは、患者さんが自分で取り外しできるものを言います *差し歯、ブリッジ、インプラントなどは義歯とは別物です
2.義歯の種類 総義歯 (全部床義歯、総入れ歯) 部分床義歯 (部分入れ歯) 特殊な義歯 (顎義歯、スピーチエイドなど)
2.義歯の種類 総義歯 部分床義歯
2.義歯の種類 特殊な義歯 顎義歯 スピーチエイド
3.義歯の使い方 義歯は 靴を履き慣らすようなつもりで
3.義歯の使い方 はめ方、はずし方① ・はめる時は水で一度ぬらして、 手指で丁寧に(咬みながらはめない、舌ではずさない) ・はめる時は水で一度ぬらして、 手指で丁寧に(咬みながらはめない、舌ではずさない) ・起きている間ははめて、寝る時にはずして歯ぐきを休ませる(一日24時間はめたままにしない、はずした時は水の中に保管して乾燥させない)
3.義歯の使い方 はめ方、はずし方② ・寝ている間も義歯をはめたままにする場合は、一日のうち2時間位ははずしておく時間を確保する *寝ている間に顎(あご)が不安定に感じ る場合 *残っている歯が歯ぐきを傷つける場合 *義歯を失くしてしまわないかと心理的 に不安な場合
3.義歯の使い方 慣らし方① ・食事は、やわらかい物や小さくした物を奥歯で左右均等に、ゆっくり咬む(調理の工夫や、咬み方の練習) ・発音は、サ行・タ行などの練習や、新聞などを実際に声を出して読む(積極的にしゃべる)
3.義歯の使い方 慣らし方② ・まず2~3日は我慢して慣らし運転を(はめたりはずしたり繰り返し) ・傷ができるような痛みは、かかりつけ歯科医師に相談する ・受診前日からは必ずはめる ・落ち着くまで1カ月、自然に気にならなくなるまで3カ月位かかるつもりで
3.義歯の使い方 その他の注意点 ・自分でやすりで削ったり、ペンチで曲げたりしない ・割れたり何かが取れた時、自分で修理しない ・市販の義歯安定剤を常用しない ・不具合の有無に関わらず季節毎の定期健診を受ける
4.義歯のお手入れ 義歯は 食器(お箸やお茶碗など)を洗うようなつもりで
4.義歯のお手入れ 義歯の汚れ (デンチャープラーク) =糖分 + 細菌 (こけ、水垢のようなもの)
4.義歯のお手入れ 義歯の汚れ カンジダ菌 劣化した 市販の義歯安定剤 劣化した軟性裏装材
4.義歯のお手入れ 義歯の汚れが引き起こす病気 ・口臭 ・誤嚥性肺炎 ・義歯性口内炎 等
4.義歯のお手入れ 機械的清掃(ブラッシング) ↓ 化学的清掃(義歯洗浄剤)
4.義歯のお手入れ 機械的清掃(ブラッシング) *水を張った洗面器を下に置く 誤って落とした時に無くしたり割ったりしないように。
4.義歯のお手入れ 機械的清掃(ブラッシング) *歯磨剤を付けずに毎食後ブラッシング
4.義歯のお手入れ 化学的清掃(義歯洗浄剤) *お湯には漬けない
義歯の管理について 不具合の有無に関わらず定期健診を受けましょう