わが国における血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率は 一般住民の約5倍である

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わが国における血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率は 一般住民の約5倍である ワークショップ「死因上位を占める感染症:実態と対策」 わが国における血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率は 一般住民の約5倍である 若杉 三奈子1)3)、風間 順一郎2)3)、和田 篤志4)、 谷口 正智4) 、井関 邦敏4)、椿原 美治4)、成田 一衛3) 1)新潟大学 臓器連関研究センター、2)血液浄化療法部、3)腎・膠原病内科学分野、 4)日本透析医学会統計調査委員会 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD Background Methods Results Discussion Conclusion 背景 透析患者の大腿骨近位部骨折発症率は、一般住民の約4倍と報告されている(Alem AM, et al. Kidney Int 2000;58:396-9)。 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD Background Methods Results Discussion Conclusion 背景 However, @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD Background Methods Results Discussion Conclusion 背景 この報告(Alem AM, et al. Kidney Int 2000;58:396-9)は、米国白人のみのデータを用いた結果である。 大腿骨近位部骨折発症率には、人種差が  あることが知られており、一般住民では   わが国は米国白人の約半分である(Ross PD, et al. Am J Epidemiol 1991;133:801-9, Hagino H, et al. Bone 1999;24:265-70)。 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

一般住民の大腿骨近位部骨折発症率には 人種差があることが知られている Background Methods Results Discussion Conclusion 一般住民の大腿骨近位部骨折発症率には 人種差があることが知られている 米国白人 ESRD患者 一般住民 日本人  ESRD患者 一般住民 ? 4倍* 約半分** *Kidney Int 2000;58:396-9 ** Am J Epidemiol 1991;133:801-809, Bone 1999;24:265-270

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD Background Methods Results Discussion Conclusion 目的   わが国の血液透析患者における、大腿骨近位部骨折発症率を算出し、 一般住民の発症率と、性年齢調整を行い比較した標準化発症率比を明らかにする。 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD Background Methods Results Discussion Conclusion 方法 一般住民の大腿骨近位部骨折発症率 2007年に行われた全国調査の論文(Arch Osteoporos 2009:4;71-77)からデータを引用。 200床以上の病院は全数調査。 200床未満はランダムサンプリング。 全体の回答率は66.6%(900床以上では76.2%) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD Background Methods Results Discussion Conclusion 一般住民の大腿骨近位部骨折発症率 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD Background Methods Results Discussion Conclusion Table 4 Incidence rate of hip fracture per 10,000, 1992-2007 (Orimo H, et al. Arch Osteoporos 2009:4;71-77) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

方法 透析患者の大腿骨近位部骨折発症率 日本透析医学会統計調査委員会のデータセット(JRDR-09001)を用いて、算出した。 Background Methods Results Discussion Conclusion 方法 透析患者の大腿骨近位部骨折発症率 日本透析医学会統計調査委員会のデータセット(JRDR-09001)を用いて、算出した。 2007年末データ 2008年末データ Wakasugi M, et al. J Bone Miner Metab 2013

方法 解析対象者の参入基準 解析対象者の除外基準 骨折発症患者の定義 2007年末に週3回の施設血液透析を施行 Background Methods Results Discussion Conclusion 方法 解析対象者の参入基準 2007年末に週3回の施設血液透析を施行 2007年末の骨折既往に関する調査で「既往なし」と回答 2008年末の骨折既往に関する調査で「既往あり」又は「既往なし」と回答 解析対象者の除外基準 2008年末時点で、腎移植、離脱、または行方不明 骨折発症患者の定義 2007年末調査で「骨折既往がない」と回答し、2008年末  調査で「骨折既往がある」と回答した患者 Wakasugi M, et al. J Bone Miner Metab 2013

本解析対象者の属性は 2007年末全透析患者と同様 Background Methods Results Discussion Conclusion 本解析対象者の属性は 2007年末全透析患者と同様 解析対象者 2007年末全透析患者 患者数(人) 128,141 275,119 女性の割合 38.1% 38.6% 平均年齢 (SD)(歳)  男性 63.56 (12.29) 64.16 (12.52)  女性 65.35 (12.52) 65.99 (12.92) 透析歴  5年未満 48.6% 49.5%  5~10年未満 26.2 25.0  10~15年未満 12.7 12.2  15~20年未満 6.3 6.2  20~25年未満 3.4 3.6  25年以上 2.7 3.5

HD患者の大腿骨近位部骨折発症数 70代に最も多く、男性より女性に多い Background Methods Results Discussion Conclusion HD患者の大腿骨近位部骨折発症数 70代に最も多く、男性より女性に多い (人) 男性 女性 (歳)

一般住民の大腿骨近位部骨折発症率 (Arch Osteoporos 2009:4;71-77よりデータ引用) Background Methods Results Discussion Conclusion 一般住民の大腿骨近位部骨折発症率 (Arch Osteoporos 2009:4;71-77よりデータ引用) 発症率 (1000人年あたり) 一般住民 男性 女性 Wakasugi M, et al. J Bone Miner Metab 2013

一般住民と同様に、血液透析患者の大腿骨近位部骨折発症率は、年齢とともに上昇し、男性よりも女性で高い。 Background Methods Results Discussion Conclusion 一般住民と同様に、血液透析患者の大腿骨近位部骨折発症率は、年齢とともに上昇し、男性よりも女性で高い。 発症率 (1000人年あたり) 血液透析患者 一般住民 男性 女性 Wakasugi M, et al. J Bone Miner Metab 2013

一般住民と比べた、わが国血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率比は、男性6.2倍 Background Methods Results Discussion Conclusion 一般住民と比べた、わが国血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率比は、男性6.2倍 年齢 (歳) 一般住民の骨折発症率(1000人年)* Patient time at risk(人年) 骨折数の 期待値 観測された骨折数 標準化骨折率比 SIR (95% CI) < 40 0.032 3,323 0.11 4 36.4 (9.9, 93.1) 40-49 0.092 6,815 0.63 15 23.8 (13.3, 39.3) 50-59 0.203 17,782 3.61 86 23.8 (19.1, 29.4) 60-69 0.481 23,954 11.52 157 13.6 (11.6, 15.9) 70-79 1.812 202,06 36.61 228 6.2 (5.4, 7.1) 80-89 6.103 6,177 37.70 96 2.5 (2.1, 3.1) ≥ 90 14.662 358 5.25 9 1.7 (0.7, 3.3) 合計 95.42 595 6.2 (5.7, 6.8) 観測数  595 標準化骨折発症率比 = =      = 6.2 (SIR) 期待数  95.42 * Arch Osteoporos 2009:4;71-77よりデータを引用 Wakasugi M, et al. J Bone Miner Metab 2013

一般住民と比べた、わが国血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率比は、女性4.9倍 Background Methods Results Discussion Conclusion 一般住民と比べた、わが国血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率比は、女性4.9倍 年齢 (歳) 一般住民の骨折発症率(1000人年)* Patient time at risk(人年) 骨折数の 期待値 実際の骨折数 標準化骨折率比 SIR (95% CI) < 40 0.015 1,605 0.02 3 150.0 (30.9, 438.4) 40-49 0.070 3,483 0.24 17 70.8 (41.3, 113.4) 50-59 0.295 10,208 3.01 54 17.9 (13.5, 23.4) 60-69 0.811 14,072 11.41 186 16.3 (14.0, 18.8) 70-79 3.971 12,706 50.45 308 6.1 (5.4, 6.8) 80-89 15.714 5,738 90.17 246 2.7 (2.4, 3.1) ≥ 90 31.358 484 15.18 28 1.9 (1.2, 2.7) 合計 170.49 842 4.9 (4.6, 5.3) 観測数  482 標準化骨折発症率比 = =      = 4.9 (SIR) 期待数  170.49 * Arch Osteoporos 2009:4;71-77よりデータを引用 Wakasugi M, et al. J Bone Miner Metab 2013

日本のHD患者の大腿骨近位部骨折発症率は、 一般住民の約5倍である Background Methods Results Discussion Conclusion 日本のHD患者の大腿骨近位部骨折発症率は、 一般住民の約5倍である 米国白人 ESRD患者 一般住民 日本人  HD患者 一般住民 5倍 4倍 約半分 Wakasugi M, et al. J Bone Miner Metab 2013

サブ解析 原疾患:糖尿病性腎症の有無 SIR 男性 女性 一般住民と 骨折発症率が同じなら、 1.0になります 8.6倍 6.7倍 Background Methods Results Discussion Conclusion サブ解析 原疾患:糖尿病性腎症の有無 男性 女性 SIR 平均年齢(SD) 男性 糖尿病性腎症 64.3 (10.5)   ˶  以外 63.1 (13.2) 女性 66.3 (11.3) 64.9 (13.0) 一般住民と 骨折発症率が同じなら、 1.0になります 8.6倍 6.7倍 糖尿病性腎症以外 糖尿病性腎症以外 糖尿病性腎症 糖尿病性腎症

男性 5.5倍 3.8倍 サブ解析 透析歴別での検討 女性 SIR 透析歴 Background Methods Results Discussion Conclusion サブ解析 透析歴別での検討 SIR 男性 女性 5.5倍 3.8倍 透析歴 平均年齢 64.8 64.9 64.8 64.3 62.1 59.5 67.6 67.2 67.4 66.0 63.5 61.5   (SD)     (12.7)  (12.6) (12.5) (12.3) (12.1) (10.1)       (12.7) (13.2) (12.8) (12.7) (12.1) (10.1)

考察 わが国においても、透析患者の骨折発症率は一般住民と比べ高い。 透析歴1年未満でも、すでに高かった。 Background Methods Results Discussion Conclusion 考察 わが国においても、透析患者の骨折発症率は一般住民と比べ高い。 透析歴1年未満でも、すでに高かった。 保存期CKD患者で骨折発症率が高いという報告 Nickolas TL, et al. J Am Soc Nephrol 2006;17:3223-3232. Fried LF, et al. J Am Soc Nephrol 2007;18:282-286. Dooley AC, et al. Am J Kidney Dis 2008;51:38-44. と、あわせ考えれば、透析患者の骨折予防対策には、導入後では遅く、保存期からの介入が必要である。 原疾患やそれに対する治療による、影響の可能性も検討する必要がある。

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD Background Methods Results Discussion Conclusion 今後、明らかにすべきこと 具体的に、いつから何を行えば、有効な骨折予防対策となりうるのか? 日本人における保存期CKD患者の骨折発症率 いつから発症率は上昇するのか? 保存期CKD患者の骨折リスク要因 介入可能なリスク要因は何か? @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

結語 わが国においても、血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率は 受け入れがたいほど高く、 骨折予防についての対策立案が 急務である。 Background Methods Results Discussion Conclusion 結語 わが国においても、血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率は 受け入れがたいほど高く、 骨折予防についての対策立案が 急務である。 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD 謝辞    本研究では、(社)日本透析医学会統計調査委員会のデータセット(JRDR-09001)を用いて解析を行いました。   本統計調査にご協力いただいた、患者さん、医療関係者、ならびにすべての関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。   どうもありがとうございました。 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD