表1 Monoclonal Immunoglobulin deposition disease(MIDD) とその関連疾患 Non-Neoplastic Kidney Diseases. ARP Press 2005, p199.
図1 LHCDD(HE像) 糖尿病腎症 で認める様な 結節性病変
図2 LCDD(PAS像) PAS陽性の 結節性病変。 結節性糖尿病 性糸球体硬化 症同様核成分 に乏しい結節 結節性糖尿病 性糸球体硬化 症に似たMico- Aneurysmaを 認める
図3 LCDD(MT像) 糸球体には糖尿病腎症で認める様な結節性病変があるが、血管には硝子様物質の沈着が無いか乏しい
図4 LCDD(PAM像) 糖尿病腎症 で認める結節 性病変と比し PAMの染色 後は軽度で ある
図5 HCDD(HE像) この症例では 結節性病変は 目立たず 半月体形成を 認める
図6 HCDD(IF像;gamma鎖) 糸球体及び細小動脈、細動脈、尿細管基底膜にgamma heavy chainの沈着を認める
図7 LCDD(IF像;kappa鎖) 糸球体結節部~係蹄壁、ボウマン嚢、尿細管基底膜にkappa light chainの沈着を認める
図8 LHCDD(EM像) 矢印の様に糸球体基底膜の内皮下に顆粒状の沈着物を認めるが、外透明層には沈着物は認めない
図9 LHCDD(EM像) 矢印の様に近位尿細管基底膜の外側に顆粒状の沈着物を認める
解説 表1にMIDDとその関連疾患を示した。 光顕上は結節性糖尿病性糸球体硬化症との鑑別が一番重要である。 PAMの染色性や血管の硝子様変化が鑑別点として挙げられるが 最終的には特殊染色による確定診断が必要である。 アミロイド症との鑑別も重要であるが特殊染色や電顕がなくてもCongo red染色ではMIDDは陰性であることより鑑別できる。 MIDDの90%以上はLCDDで、10%未満がLHCDDである、HCDDは極めて稀で世界で10数例の報告しかない。 MIDDではアミロイド症同様、腎、心、肝などの全身のMIの沈着を認めるが予後決定因子は骨髄腫の有無や組織像でなく、初診時の血清Crであると言われている。