増加する都市型集中豪雨 いま都市河川多摩川の 危険個所とは 増加する都市型集中豪雨 いま都市河川多摩川の 危険個所とは 環境情報学部2年 川田 千尋(t07211ck) 中村 仁美(t07558hn) 多摩川において ゲリラ豪雨が来ると仮定したときの 適切な避難地の予測
背景 近年、夏の都市に今までにない集中豪雨が襲来しており、「ゲリラ豪雨」という単語が作られたほどひどく被害を及ぼしている 現在多摩川は氾濫が少なく、浅瀬のところは現段階では少々水につかる程度で大したことはないが、最近予期できない都市型集中豪雨があり、そういった豪雨に現段階のシステムでは後手になっている傾向があった。 多摩川の河川敷利用には公園・緑地も多く含まれており、未曽有の増水時に逃げ遅れる人が出る可能性もある。
目的 そのために どこで雨がどれだけ降った時にどの個所が増水するのか抽出したい 2008/8/28の夜から翌日明け方まで東京を襲った大雨の際の水位データと降水データを利用して、水位が上昇した観測所2点をピックアップした 観測所2点の増水に関わっていると思われる雨量観測所を抽出し、傾向を分析することにした
石原
田園調布(上)
方法と作業の流れ 雨量観測所と水位観測所の位置をGPSデータを調べてExcelに入力 標高データを入手 土地利用図を入手 雨量観測所と水位観測所のデータも重ねる 解析した図に土地利用図を重ね、本流と支流を結び抽出 ArcGISで ラスタ解析(水文解析)して川を抽出 雨量観測所・水位観測所の関係を見て予測 降雨量測定所と水位測定所の距離を測る 集めたデータを基に現在危険とみなしている2地点の特徴を考察する
水文解析の流れ 標高データ (Dem) 凸凹の除去 (Fill) 流向の計算(Flow Direction) 累積流量の 計算(Flow Accumulation) 集水域の作成 (Watershed) 河川ラスタの 作成(>20m) 支流ごとに グループ化 (Stream Link) 河川ごとの グループ化(Region Group) 最大流量の認識(Zonal Max) 流出点の作成(Pour Point) 河川流域の作成(Basin)
河川 標高データから河川を割り出す 土地利用図から多摩川を重ねる(濃い青) 水色が支流 流向は赤の濃い部分から薄い部分 桃色の点が水位測定所 他の点は雨量測定所 ※標高データは50mメッシュ、パラメーターは20m以上
河川流域 雨量観測所に降雨したときに多摩川に水が流れる範囲 つまり、豪雨があるときに、水位が上がる影響があり、危険地になる可能性がある場所
雨量観測所から水位観測所までの距離(m) 石原 田園調布(上) 田園調布(下) -13890.096745 875.386783 世田谷 -7972.806372 6792.677156 多摩 3869.984192 18635.467720 府中 6897.668166 21663.151694 日野橋 12722.396737 27487.880265 柚木 14742.071434 29507.554962 浅川橋 21202.630500 35968.114028 八王子 22372.664982 37138.148510 高尾 27357.229872 42122.713400 美山 29734.571817 44500.055345 御岳 41117.759164 55883.242692 小沢 42087.334358 56852.817886 檜原 42472.572291 57238.055819 御岳山 44507.392780 59272.876308 小河内 53750.349996 68515.833524
水位への影響 時間 石原 田園調布(上) 最高雨量(mm) 田園調布(下) -1 12 世田谷 1 14 多摩 49 府中 40.5 日野橋 12 世田谷 1 14 多摩 49 府中 40.5 日野橋 2 61 柚木 60 浅川橋 3 58 八王子 5 6 高尾 37 美山 79 御岳 13 小沢 4 21 檜原 20 御岳山 小河内 3から9 4から10 11
考察 最高降雨量と到達時間の関係から2地点に影響を及ぼし、思われた箇所は「日野橋」・「柚木」・「高尾」の3地点である。 特に「高尾」は2地点からの距離が離れているにも関わらず影響を及ぼす時間が明らかに早い。 →危険地帯と評価できる可能性がある 「八王子」は2地点からの距離が「高尾」より近いにも関わらず水位に影響を及ぼす時間が明らかに遅い。 →安全地帯と評価できる可能性がある ※どの水位に達すると危険な可能性があるのかは、それぞれの河川で危険注意水位の値が決められているので、その数値を利用している
終わりに、問題点や反省点等 計画性がなかった データ入手に手間取った 最初1990年夏から2008年夏までの降雨量のデータを入力したが、使わなかった 時間がかかった レポート提出までには、東京都23区の5mメッシュもできればやりたいと考えている フィールドワークもレポート提出までにやる!
参考資料 どうもありがとうございました!! 『図解ArcGIS2-GIS実践に向けてのステップアップ-』川崎昭如・吉田聡(著)、古今書院(発)、2006.08.16 水文水質データベース、国土交通省、<URL: http://www1.river.go.jp/>、2008.12.17 国土交通省関東地方整備局 京浜河川事務所、国土交通省関東地方整備局 京浜河川事務所、<URL: http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/index.htm>、2009.01.07 どうもありがとうございました!!