2次元系における超伝導と電荷密度波の共存 Ⅰ.Introduction Ⅱ.モデルと計算方法 Ⅲ.結果 Ⅳ.まとめと今後の課題 栗原研究室 栗原研究室 M2 矢内 雄二郎
Ⅰ.Introduction Materials ・ 3次元でS.C. と CDWの共存相存在の理論的予想 (BaPb1-xBixO3 , Ba1-xKxBiO3 etc.) Taraphder et al. Phys, Rev. B (1995) ・ FET構造による2次元系作製の可能性 potential z Materials quasi 2D とみなせる 目的: 2次元系における超伝導・電荷密度波相の共存の可能性と 互いに及ぼす影響にいて調べる。
2次元系の特徴:Fermi面と状態密度 ky ky kx kx van Hove Singularity Half-fillingからずれた時 Half-filling 予想される事 予想される事 ( |kx| ,| ky|)=(π,π)付近で超伝導 完全なネスティング→CDW -4 -2 2 4 ε 状態密度の概念図 Dos(ε) 状態密度が発散する点がある。 van Hove Singularity
Ⅱ.モデルと計算方法 系のモデル:2次元の正方格子 引力型拡張ハバードモデル ・フォノンを介した電子-電子相互作用 オンサイトの引力相互作用 ・電子-電子クーロン相互作用 最隣接間の斥力相互作用 引力型拡張ハバードモデル
電荷密度波と超伝導の平均場 ハミルトニアンをFourier変換 1回目のBogoliubov変換(CDW)
2回目のBogoliubov変換(超伝導) ・平均場の波動関数 ・最終的な平均場のハミルトニアン
【ギャップ方程式】 電荷密度波と超伝導の平均場
Ⅲ. 結果 CDW相 HF filling 超伝導相 filling HF ・ H.F. 付近で nesting の効果が強い Ⅲ. 結果 HF 0.46 0.48 0.1 0.2 filling CDW相 ・ H.F. 付近で nesting の効果が強い ・ n~0.46 で CDW相が存在しなくなる HF filling 0.36 0.4 0.46 0.48 0.005 0.01 0.49 0.493 0.497 超伝導相 ・ H.F. (n=0.5)では超伝導相は 完全にCDWによって消されている ・ van Hove singularity の影響で 超伝導相は H.F. から少しずれた ところで最大のgap を持つ
filling幅が狭くなる。 ギャップの大きさが小さくなる。 filling filling 0.003 0.006 0.49 0.492 0.38 0.4 0.42 0.44 0.46 0.48 0.5 0.003 0.006 0.49 filling幅が狭くなる。 ギャップの大きさが小さくなる。 filling 0.49 0.492 0.494 0.496 0.498 0.03 0.06 filling
Ⅳ.まとめと今後の課題 2次元系において電荷密度波、超伝導2つの状態を考えて計算を行った ・ H.F. では常にCDW相が優勢 ・ 3次元の場合に比べ、filling を変化させた時の超伝導領域が小さい 2次元系において電荷密度波、超伝導2つの状態を考えて計算を行った ・ H.F. では常にCDW相が優勢 ・ H.F.から少しズレたところで超伝導 gapがCDWにより増大 されている ・ U,V を変化させた時の相図を完成 ・ 温度変化に対する各相の安定性 ・ next-nearest neighbor などの高次の効果
P.R.B 52 1368(1995) A.Taraphder et al. ・ filling が小さいと CDW が抑制される。 ・ 低温かつHFから0.4までの領域で SS と CDW に共存相が存在する。 Half-filling
各fillingに対する超伝導ギャップのCDWギャップ依存性 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.01
各相のエネルギー分散
n=0.46 の時(CDW相が消えるところ)のFermi面
n 0.5 コサインバンドの状態密度の場合におけるCDWギャップがなくなるfilling値 グラフは上から 状態密度の概念図 1 2 3 4 0.5 0.4 0.3 グラフは上から 状態密度の概念図 2δ 傾き一定として近似 n 0.5
状態密度一定の場合におけるCDWギャップがなくなるfilling値 0.25 0.5 0.75 1 1.25 1.5 1.75 2 0.44 0.45 0.46 0.47 0.48 0.49 nC