開放端磁場における低温プラズマジェットに関する研究

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顕微発光分光法による n 型ドープ量子細線の研 究 秋山研究室 D3 井原 章之 ’ 07 11/20 物性研究所 1次元電子ガスを内包し、 状態密度の発散や 強いクーロン相互作用の 発現が期待される。 しかし試料成長や測定が難しいた め、 バンド端エネルギー領域の 吸収スペクトルに現れる特徴を.
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較正用軟X線発生装置のX線強度変化とスペクトル変化
2009年8月27日 熱流体力学 第14回 担当教員: 北川輝彦.
実習B. ガンマ線を測定してみよう 原子核・ハドロン研究室 永江 知文 新山 雅之 足立 智.
第2回応用物理学科セミナー 日時: 6月 2日(月) 16:00 – 17:00 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
内部導体装置Mini-RT 真空容器内に超伝導コイルを有する。 ポロイダル方向の磁場でプラズマ閉じ込め。 ECHでプラズマを加熱。
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固体電解コンデンサの耐電圧と漏れ電流 -アノード酸化皮膜の表面欠陥とカソード材料の接触界面-
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
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宇宙磁気流体・プラズマシミュレーション サマーセミナー ~三次元MHDコードの作成〜
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ダブルパストムソン散乱計測を用いた 2方向圧力同時計測
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研究背景 電荷移行反応とは・・・ 核融合(重水素 + 三重水素→ヘリウム原子核+中性子) ・・・しかし、
22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
飛行時間法を用いた2次イオン 質量分析器の設計及び開発
Bursty Bulk Flow 生成に関する理論モデル
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超並列宇宙プラズマ粒子シミュレーションの研究
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これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
ガス電子増幅器を読み出しに用いた タイムプロジェクションチェンバー (GEM-TPC)の開発
堆積炭塵爆発に対する大規模連成数値解析 研究背景 研究目的 計算対象および初期条件 燃焼波の様子(二次元解析) 今後の予定
プラズマの渦構造 ーその宇宙論的起源を考えるー
実験結果速報 目的 装置性能の向上 RF入射実験結果 可動リミター挿入 RFパワー依存性 トロイダル磁場依存性 密度依存性
大型ヘリカル装置における実座標を用いた 粒子軌道追跡モンテカルロコードの開発
「大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの共同利用・共同研究拠点化」に向けた要望書・意見書のお願い
γ線パルサーにおける電場の発生、粒子加速モデル
2008年 電気学会 全国大会 平成20年3月19日 福岡工業大学 放電基礎(1)
弱電離気体プラズマの解析(LXXVI) スプラインとHigher Order Samplingを用いた 電子エネルギー分布のサンプリング
高次のサンプリングとスプラインを用いた電子エネルギー分布のサンプリング
0次元計算による定常高イオン温度STの可能性
? リー・ヤンの零点 これまでの格子QCD計算の結果 今年度の計画 リー・ヤンの零点分布から探る有限密度QCDにおける相構造の研究
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開放端磁場における低温プラズマジェットに関する研究 吉田和行*1), 長原洋1), 根津篤2), 松浦治明2), 赤塚洋1),2) 1)東京工業大学大学院 創造エネルギー専攻 2)東京工業大学 原子炉工学研究所 * E-mail: yoshida.k.ae@m.titech.ac.jp, Phone: 03 – 5734 - 3379, Fax: 03 – 5734 - 3379 イントロダクション 実験装置 電流:300[A] 磁場:0.16[T] 2.0 m 2つの油拡散エゼクタポンプ  +メカニカルブースタポンプ  +油回転真空ポンプ ポンプ速度 : 16000 [l/sec] 到達圧力 : ~10-4 [Torr] 放電条件 直流アーク電流 : 120[A] 直流アーク電圧 : 25[V] 作動ガス : He 開放端磁場でのプラズマ膨張の応用と関連研究 80 mm 100 mm 60 mm マテリアルプロセス プラズマ推進 宇宙科学と核融合研究 (電位形成に注目) 薄膜堆積とイオン注入 1.2 m 人口衛星や宇宙探査機 Plasma Generator 開放端磁場で電気二重層の存在が確認されている[1] 電気二重層はオーロラの発生機構に関連[2] ミラー磁場における開放端磁場での電位形成が閉じ込め性能に影響する[3] しかし,開放端磁場における低温プラズマの研究は少ない 目的 開放端磁場でのヘリウムイオン加速を測定し,加速を確認する 開放端磁場でのヘリウムイオン加速と電位形成の機構を検討する 1.2 mm マッハプローブで測定 軸上の測定(para-perpマッハプローブ[4]) イオンの加速機構モデル 軸上の実験,計算結果 5 mm 仮定 B* A* B A モデルは加速領域で実験結果を表現している  二流体 (イオンと電子)  準中性 (ni=ne)  熱平衡 (Ti=Te)  準一次元  定常状態 イオン イオンは 電場 2) プラズマ流断面積の増加 で加速される 連続の式 (a) 加速領域ではプラズマは準中性 再結合係数[5] Perpendicular 電極   電場 残留中性粒子 との衝突 このモデルでは加速領域後は表現できない 運動方程式 Parallel 電極 Acceleration zone (b) Parallel 電極 電子温度,電子密度,プラズマ電位 これらの現象は衝撃波で起こると考えられる エネルギー方程式 ポリトロープ変化 T0/Ti=(n0/ni)γ-1 ( = 5/3) 状態方程式 Parallel と perpendicular 電極 暗部の発生 (c) (d) イオンマッハ数 電子 二次元のプラズマ流構造は? ボルツマンの関係式 二次元プラズマ流の測定 二次元プラズマ流の測定 まとめ 7 mm 軸上をpara-perpマッハプローブで測定し,開放端磁場でイオンが加速されていることが確認された. モデルと実験結果との比較から 8 mm マグネット <4方向マッハプローブ[6]> 互いに90度ずつ角度を変えた4つの電極を持つ マッハ数+流れ方向を測定 開放端磁場でイオンが 1) 電場 と 2) プラズマ流断面積の増加で加速される 加速領域ではプラズマは準中性 モデルは加速領域後は表現できない 電極D 20 mm マグネット 電極A C 40 プローブ r A 4方向マッハプローブで二次元プラズマ流を測定 B D Dの電極で通常のラングミュアプローブと同様にプラズマ電位を測定 予想通り軸上ではr 方向の速度はなく,正しく測定できている マッハ数増加と電位降下の位置が対応しており,電場がイオン加速に寄与している z 軸方向マッハ数 -60 -40 マッハ数が増加する場所で電位降下がある 今後の予定 <実験結果> 軸(z)-半径(r )方向マッハ数ベクトル線図  円周方向の流れの測定  二次元一流体モデルの数値計算 参考文献 電場がイオン加速に寄与していることがわかる C. Charles and R. Boswell, Appl. Phys. Lett. 82, 1356 (2003). H. Alfvén, Tellus 10, 104 (1958). K. Sato, J. Plasma Fusion Res. 68, 562 (1992). A. Ando et al., J. Plasma Fusion Res 81 451 (2005). T. Fujimoto, J. Phys. Soc. Jpn. 54 2905 (1985). A. Ando and S. Kado, J. Plasma Fusion Res 83 167 (2007). 予想通り軸上ではr 方向の速度はなく,正しく測定できている プラズマ電位