電動の総2階建てバス (フルダブルデッカ-) の開発研究計画

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電動の総2階建てバス (フルダブルデッカ-) の開発研究計画 事例 研究計画要約書 電動の総2階建てバス (フルダブルデッカ-) の開発研究計画 東京都市大学 都市生活学部 准教授 西山 敏樹

背 景 ・温暖化対策として電気自動車への期待が高まっている. ・メ-カ-による電気自動車開発は,軽自動車または小型自動車が主体で,多くの県民がその恩恵を享受するまでには時間がかかる. ・我々が培ってきた電気自動車開発の概念は,車輌の大小にかかわらず,高性能・高機能を実現できる. 2

目的と目標 ・我々が開発してきた電気自動車(乗用車)の技術的な概念を大型車輌に適用. ・収益性の高さの観点から,この技術を総2階建てバスに応用し試作車を開発する. ・試作から実用化に至る開発を行い,製品を販売するための事業を立ち上げる.そして地球温暖化に自動車技術の観点から貢献する. 3

電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)の意義 ・電動であるため無公害で省エネルギ-. ・一度に大量の乗客を運べるため,乗客の利便性や運転手の人件費削減で大きな効果. ・無騒音,低振動による乗客への快適性提供と運転の容易性による労働負担の軽減が可能. 4

電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)の基本概念 ・集積台車は,床下のフレ-ム構造の中に電池その他の基本部品を挿入し,車輪の中にモ-タ-を収納するため,床から上の利用可能空間を大きくできる. ・路線バスの運行経費は,60~85%が人件費であり,車体価格,燃料費はそれぞれ5~10%の割合である. ・集積台車の技術を用いると総2階建てバスを容易に実現することができる.その結果,1人の運転手が一度に運べる乗客を増やせる.ゆえに,車輌価格が高くても収益性の高い車輌を実現できる. 5

電動総2階建てバス (フルダブルデッカー)の仕様 ・全長 12m ・全幅 2.5m ・全高 3.8m ・定員 ロマンスシ-トで80名 ・一充電走行距離 150km ・登坂力 15% ・最高速度 130km/h ・充電時間 30分で70%,1時間で満充電 6

電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)の 設定価格の考え方 ・バスの運行経費の主となる人件費や燃料費,減価償却費を求め,既存のバス2台分と比較する. ・運転手の人件費は年800万円とし,燃料費などは現実に近い数字を参照し,6年間を償却期間とする. ・電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)の価格は,1台あたり2,500万円,5,000万円,1億円のそれぞれで計算する. 7

電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)と 既存の路線バスの運用経費比較 (単位:円) 電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)と 既存の路線バスの運用経費比較                  (単位:円) 既存バス2台分 人件費 9,600万 燃料費 3,200万 車輛費用 4,200万 総費用 1億7,000万 ダブルデッカ- 4,800万 300万 5,000万 2,500万 1億 7,600万 1億1,000万 1億5,100万 車体価格は1台5,000万円と設定 8

電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)の収支 (単位:億円) 9

電動総2階建てバス(フルダブルデッカー)製造原価の見積もり 10

電動総2階建てバス(フルダブルデッカー)事業化のための体制図 11

電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)の 開発手法 ・バス事業者のニーズ調査とニーズに基づく車輌デザインの計画. ・デザインに基づく試作開発. ・試作開発車の動作検証とバス会社の評価を得て,事業化に向けた計画を書き上げる. 12

電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-)の 開発,販売計画の概要 ・3年間で第一次試作と第二次試作を行う. ・製造は4年目に50台から始めて次第に台数を増やす. ・製造開始5年目に,年間1000台の大量生産を目指す. 13

電動総2階建てバス(フルダブルデッカ-) の開発・製造スケジュ-ル 14

電動総2階建てバス(フルダブルデッカー) 研究開発のまとめ 環境,エネルギーの観点から電動総2階建てバス(フルダブルデッカー)は極めて有効である. 電動総2階建てバスは収益性の面から,事業として十分に成立する. 神奈川県発の環境対策事業として、早急に立ち上げることが望まれる.