ニューロマーケティング H22.09.18 経営学科3年 李 ミヌ
ニューロマーケティングとは 脳科学の立場から消費者の脳の反応を計測することで消費者心理や行動の仕組みを解明し、マーケティングに応用しようとする試みです。神経マーケティングとも呼ばれており、関連する分野としては、実験経済学の延長として予測や報酬について研究する神経経済学が挙げられます。
ニューロマーケティングとは 通常、消費者の意思決定プロセスはアンケート調査のように認識可能で、言葉で表現できる情報でしか捉えられていません。一方、感情の動きなどの無意識下の決定プロセスについて人は正確に語ることが出来ません。そこでこうした無意識のプロセスに迫るべく、ニューロマーケティングが注目を浴びています。
研究と成果 このような研究が進んだ背景にはfMRI(核磁気共鳴計測)・NIRS(近赤外線分光法)・MEG(脳磁図)など被験者に損傷を与えない脳の活動計測技術、診断装置の発展があります。 具体的な成果としては、2004年の米国・ベイラー医科大学の神経科学者リード・モンタギューのグループによるコカ・コーラとペプシコーラの選好に関する実験があります。
研究と成果 コカ・コーラが好きな被験者に対して、ブランド名を伏せた場合と伏せなかった場合について飲用中の脳の活動を計測した結果、後者の場合にだけ前頭葉が活発に働いたことが観測されました。同様に、ペプシ派の人に実験を行ってみたところ、ブランド名を出した場合も出さなかった場合も、前頭葉における活動の違いが顕著にはみられませんでした。この実験の結論として、コカ・コーラの場合の方がよりブランド名の影響を受けているということが言えます。
適用と事例 アップルー製品価値を、より最大化させている手法(脳はなじみのブランドが好き) ホンダー人顔に似ているバイク開発(脳映像実験で相手車が認識する可能性43%高い) セール商品には赤い値札(赤色が興奮を起こす) デパートや大型スパ=静かな音楽(主婦) ファーストフード店=早い音楽(顧客回転率)
適用と事例 選挙ポスターや印刷広告はモデルの左側顔を強調する場合が多い。これは、左側顔筋肉が右脳の支配を受けて感情表現がよく現れるという研究結果を応用したのである。それで、左側には広告モデル、右側にはテキストを配置する。 (右脳=視覚、左脳=言語) 脳は利益より損に敏感するため、この商品をつかわなかったら損をするということを刺激させるCMが多い
適用と事例 http://article.joins.com/article/article.asp?Total_ID=3887328
今後の動向 ニューロマーケティングは企業が莫大なマーケティング費用を投資する前に製品デザインや広告が消費者にどんな影響を及ぼすのかが定量的に測定することができるので応用範囲がもっと増えると見込んだ 今後はBMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)といった脳の反応と機械をつなげる技術も発展していくことから、脳科学はより身近になり、マーケティングへの応用も広がっていくと考えられます。その結果、消費者の意思決定プロセスについてより深い知見が得られることが期待されます。
参考文献 「脳、欲望の秘密を解く」Hans Geork、フルム出版、2008年
「おわり」」