第7章 不確実性の処理 :期待値、感度分析、情報の価値 第7章 不確実性の処理 :期待値、感度分析、情報の価値 政策評価(06,11,24)三井
考察する3つの論点 1)期待値(expected value) 2)感度分析(sensitivity analysis) 3)情報価値(value of information) 政策評価(06,11,24)三井
1.期待値分析 政策評価(06,11,24)三井
小惑星衝突に対する地球防衛プロジェクト 防災基盤型社会資本整備 表7.1 政策評価(06,11,24)三井
小惑星衝突に対する地球防衛プロジェクト 表7.1 0.001×25000+0.004×5000-60 政策評価(06,11,24)三井
小惑星衝突に対する地球防衛プロジェクト 表7.1 政策評価(06,11,24)三井
小惑星衝突に対する地球防衛プロジェクト 表7.1 0.001×20000+0.004×4000-20 政策評価(06,11,24)三井
小惑星衝突に対する地球防衛プロジェクト 表7.1 政策評価(06,11,24)三井
小惑星衝突に対する地球防衛プロジェクト 表7.1 政策評価(06,11,24)三井
小惑星衝突に対する地球防衛プロジェクト 表7.1 政策評価(06,11,24)三井
予防接種事業分析のための意思決定ツリー 葉のでる節 Vaccination Program 政策評価(06,11,24)三井
意思決定ツリー 2年目 1年目 V 1 2 NV 政策評価(06,11,24)三井
上側の大枝:予防接種事業 政策評価(06,11,24)三井
意思決定ツリー 2年目 P2 Ce/v 免疫が残る 1年目 P1 Ce/v 1-P2 2年間にわたる効果 NV 1-P1 V 1 Ca+Cs 1-P1 V 1 Ca+Cs 2 NV 政策評価(06,11,24)三井
下側の大枝:予防接種事業なし 政策評価(06,11,24)三井
意思決定ツリー 2年目 P2 Ce/v 1年目 P1 Ce/v 1-P2 NV 1-P1 V 1-P2 1 Ca+Cs P2 V Ce/v 1-P1 V 1-P2 1 Ca+Cs P2 V Ce/v Ca+Cs 1-P1 2 NV 1-P2 NV P1 P2 Ce/nv 免疫が残る Ce/nv 政策評価(06,11,24)三井
意思決定ツリーの解の求め方 将来から現在に向かって(後ろ向きに)解いて行く 流行確率 流行の有無にかかわらず生じる予防接種の費用 流行したときの予防接種による費用軽減の便益 政策評価(06,11,24)三井
意思決定ツリー 2年目 P2 Ce/v 1年目 P1 Ce/v P2Ce/v 1-P2 NV 1-P1 V 1-P2 1 Ca+Cs 1-P1 V 1-P2 1 Ca+Cs P2Ce/v /(1+d) P2 V Ce/v Ca+Cs +P2Ce/v Ca+Cs 2期目の費用の割引現在価値 P2Ce/nv /(1+d) 1-P1 2 ? NV 1-P2 NV P1 P2Ce/nv P2 Ce/nv Ce/nv 政策評価(06,11,24)三井 仮定 : Ca+Cs >P2(Ce/v - Ce/v)
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意思決定ツリー 2年目 P2 Ce/v 1年目 P1 Ce/v P2Ce/v 1-P2 NV E[Cv] 1-P1 V 1-P2 1 1-P1 V 1-P2 1 Ca+Cs P2Ce/v /(1+d) P2 V Ce/v Ca+Cs +P2Ce/v Ca+Cs P2Ce/nv /(1+d) 1-P1 2 NV 1-P2 E[Cnv] NV P1 P2Ce/nv P2 Ce/nv Ce/nv 政策評価(06,11,24)三井 仮定 : Ca+Cs >P2(Ce/v - Ce/v)
2.感度分析 感度分析の3つの方法: 部分的感度分析 partial sensitivity analysis 最悪・最善ケース分析 worst- and best-case analysis モンテカルロ感度分析 Monte Carlo sensitivity analysis 政策評価(06,11,24)三井
① 部分的感度分析 感度分析を綿密に行うためには、重要度の高い想定に関する部分的な限界効果を考察する必要がある。 しかしながら、 ① 部分的感度分析 感度分析を綿密に行うためには、重要度の高い想定に関する部分的な限界効果を考察する必要がある。 しかしながら、 ここには「鶏が先か卵が先か」という問題が存在する。 つまり、 重要度の高い想定を見分けること自体、感度分析を行う前にはできない場合が多い。 なぜなら、 想定の重要度は、想定の範囲や想定の変化に対する純便益の限界的な反応に左右されるからである。 政策評価(06,11,24)三井
② 最悪・最善ケース分析 情報が異なる選択に導く潜在的な可能性が大 ⇒ 意思決定における情報の価値は大 ② 最悪・最善ケース分析 情報が異なる選択に導く潜在的な可能性が大 ⇒ 意思決定における情報の価値は大 最悪ケースの純便益がプラス ⇒ 最悪ケースの情報的価値が大 最善ケースの純便益がマイナス ⇒ 最善ケースの情報的価値が大 最悪ケースの分析は次のようなバイアスに対するチェックになる。 認識上の限界(cognitive limitations) 楽観的予測を生み出す官僚主義的誘因(bureaucratic incentives) 純便益がパラメーターの非線形関数 ⇒ 注意が必要 政策評価(06,11,24)三井
③ モンテカルロ感度分析 <モンテカルロ分析の3段階> 重要度の高いパラメーターについての確率分布を指定 ③ モンテカルロ感度分析 <モンテカルロ分析の3段階> 重要度の高いパラメーターについての確率分布を指定 各パラメーターの確率分布から無作為抽出を行って得たパラメーターの値の組を用いて、純便益の実現値を計算 2段階の作業を何回も繰り返して、純便益の実現値を大量に作り出す。それらの実現値の平均値が純便益の期待値の推定値になる。また、ヒストグラムを作成することで純便益の分布の特徴を捉える。 政策評価(06,11,24)三井
3.情報と準オプション価値 科学者が次のような探査装置の開発を提案したとする。 その装置は 大型小惑星と地球が衝突するということを0.01の確率で教えてくれる。 大型小惑星と地球は衝突しないということを0.999の確率で教えてくれる。 というものである。 このような「情報の価値」は次のようにしても求められる。 政策評価(06,11,24)三井
表7.4 ゲーム1 =大型小惑星と地球が衝突するという探査結果がもたらされた場合のゲーム ゲーム2 =大型小惑星と地球が衝突しないという探査結果がもたらされた場合のゲーム 政策評価(06,11,24)三井
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したがって、探査装置が8.94(兆ドル)以下であれば、この装置に投資する価値があることになる。 表7.4における期待純便益 =0.001×24940+0.999×0=24.94 情報の価値 =表7.4における期待純便益 -表7.1における期待純便益 =24.94-16 =8.94 である。 したがって、探査装置が8.94(兆ドル)以下であれば、この装置に投資する価値があることになる。 政策評価(06,11,24)三井
準オプション価値 意思決定に関係するより良い情報が将来入手可能であれば、意思決定を遅らせるほうが賢明かもしれない。 準オプション価値 =取り消し不可能な意思決定を遅らせることによって得られる情報の期待価値 適切な意思決定問題の定式化 ⇒ 準オプション価値の計算 ⇒ 正確な期待純便益の計算 政策評価(06,11,24)三井
開発に関連した準オプション価値 政策評価(06,11,24)三井
第1期 第2期 FD LD ND 政策評価(06,11,24)三井
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第1期 第2期 FD LD ND 政策評価(06,11,24)三井
第1期 第2期 p FD p LD ND p 政策評価(06,11,24)三井
FDを選択すると第2期に選択の余地はない。 ← 不可逆性 p 第1期 第2期 FDを選択すると第2期に選択の余地はない。 ← 不可逆性 p 1-p FD p LD 1-p ND p 1-p 政策評価(06,11,24)三井
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第1期 第2期 BF - BL BF FD p -CF LD 1-p -(CF - CL) BL FD p FD LD 1-p -CL LD LD 1-p -(CF - CL) BL FD p FD LD 1-p -CL LD BF FD ND p LD BL ND 1-p FD -CF LD BF>BL>0>-CL>-CF -CL ND 政策評価(06,11,24)三井
外生的学習(exogenous learning)のケース 1期経過後に、どちらの事象が発生したかを確実に知ることができるとする。 =FDでなくLDを選択することで得られる準オプション価値 政策評価(06,11,24)三井