未来社会を展望し,生活を創る力を育てる 技術・家庭科教育 山梨県研究主題 ~『思考のトレーニング』を取り入れた授業を通して~

Slides:



Advertisements
Similar presentations
身の回りの IT 情報科教育法 後期 10 回 2004/12/18 太田 剛. 目次 1. 最終提出の確認 2. ルータの説明 ( 先週の続き ) 3. 身の回りの IT 1/8 の授業は情報科教員の試験対策です。
Advertisements

研修のめあて 授業記録、授業評価等に役立てるためのICT活用について理解し、ディジタルカメラ又はビデオカメラのデータ整理の方法について研修します。 福岡県教育センター 教員のICT授業活用力向上研修システム.
本日のスケジュール 14:45~15:30 テキストの講義 15:30~16:15 設計レビュー 16:15~16:30 休憩
平成19年度 「長崎県国語力向上プラン」 地区別研修会
平成19年度長崎県国語力向上プラン地区別研修会
平成23年度 新通小学校 学校説明会 今年度 ここに力を入れていきます.
徹底活用するための校内研修パッケージ これから、「子どもの学びを支えるヒント集2」を活用した校内研修を始めます。
当校の現状と課題及び 解決の方向性について
「道徳の時間」の進め方について 球磨教育事務所  .
「21世紀型コミュニケーション力の育成」研修モジュール
マイクロティーチング 演習 指導案作成 模擬授業発表
「ICT社会におけるコミュニケーション力の育成」 研修モジュール C-6:ポスターセッション
仮説の立て方、RQの絞り方 論文を考える根本的思考 担当・柴田真吾
ワークシート6 社会科.
「ICT社会におけるコミュニケーション力の育成」 研修モジュール C-1:パネルディスカッション
第47回関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究大会長野大会
平成21年度 特別支援学校新教育課程中央説明会 (病弱教育部会).
ネット・ケータイの賢い使い方を 中学生にプレゼンしよう!
認知カウンセリング 学習意欲改善に対する可能性.
その全容はこちらです。   Special Bonus Plan 1:30日実践後の“無条件”全額返金保証”
関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究大会
女子学生が化粧品を購入する際の 顧客満足度を高めるための提案
<研修資料>研修後の具体的な取組の事例紹介 <クラスの実態に合わせて個々の学級担任が取り組んだ例>
どこで、何を使って?(準備物と場の設定)
「学びへの挑戦!楽しく分かりやすい授業への改善と工夫」
変数のスコープの設計判断能力 を育成するプログラミング教育
基礎・基本と活用する力を確かに育む学校の組織的な取組
「21世紀型コミュニケーション力の育成」研修モジュール
情報科教育法 課題4 「情報科学習指導案」 2003/07/09 千葉佑介 野田誠遼平井亮自
少経験者を育てる「3+1授業研究」 今年度からの取組 立案(P) 研究授業(C) 実践(D) 次への抱負(A) 研究協議(A)
新学習指導要領説明会 技術・家庭(技術分野) 内容の数が2から4へ  ・改善の基本方針  ・内容の解説  ・指導計画の作成.
情報モラル学習(教職員) これだけは知っておいてほしい情報モラル.
●校内研修(自立型研修)での活用 自立型研修での活用について紹介します。 研修の中でも最も身近なものとして、校内研修があげられます。
夏休みボトムアップ企画 進路指導部 孫 一 進路指導部の孫一です。 本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
ICT活用指導力向上のための ICT教育研修と校内研修
ワークショップ型研修の進め方 .
【演習】 アクティブ・ラーニングの 視点を取り入れた 授業をデザインしよう
第2章 教材開発の方法 第2節 三種類の自作テキスト教材   2. 一斉授業プログラム 教科書32-39頁の解説です.
心のバリアフリー研修 基本プログラム例C 00:00.
徹底活用するための校内研修パッケージ これから、「子どもの学びを支えるヒント集2」を活用した校内研修を始めます。
専門学校コンソーシアムTokyo 御中 “レジリエンス“プログラム教員研修会 はじめに 開催要項 【主催会社】 代表取締役 平澤 公康
Kinjo Gakuin Univ. © 2007 Motohiro HASEGAWA
【演習】 アクティブ・ラーニングの 視点を取り入れた 授業をデザインしよう
情報科の評価 情報科教育法 後期5回 2004/11/05 太田 剛.
4.「血液透析看護共通転院サマリーVer.2」
平成15・16・17年度 田辺市教育委員会指定研究校 『情報化社会を生きる児童の育成』
単元の学習地図で目指す「深い学び」 ~「知識の構造化」の視点を取り入れた学習~
技術分野で学ぶ内容.
(中学校)学習指導要領前文 これからの学校は 子どもたちの育成 教育課程を通して =「社会に開かれた教育課程」の実現
「知識の構造化」を目指した取り組み ~学習地図の作成~
第1時目 第2時目 第3時目:今日は、前回2回分の学習をもとに、考えていきましょう。 ◯たくさん安い物を作った結果、どんな事が起
福岡県教育センター ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 研修担当の先生へ ※ ※ ※ ※ ※ ※
Othelloのプログラム 班長:佐々木 悠二 班員:石黒 護     井上 雄滋     齊藤 良裕     清水 裕亮.
学習成果ごとの評価方法 授業中の評価 ペーパーテスト 言語情報 運動技能 知的技能 認知的方略 態度 ・一問一答の発問
「21世紀型コミュニケーション力の育成」研修モジュール A1 概要解説モジュール
子供の発言や行動を可視化して検討する 学習過程可視化法 ~小中学校活用版~ 1
自由席にしています。 資料のある席へお座りください.
学習指導案の検討会を通し て、 本時の授業への見通しを持ち、 参観の視点をつかむ。
生きる力を育む国語教育 説明的文章の読解を通して 鹿沼市立南摩中学校                 坂井清貴.
自由席にしています。 資料のある席へお座りください.
自由席にしています。 資料のある席へお座りください.
グループの先生方と 【対話】 していきます!
仮説演繹法 思考 経験 問題 : あるべき姿と現状のギャップ 課題 : 問題解決のために成すべきこと 問題 19世紀 あるべき姿(予想)
レジュメの構成 1.はじめに ・このテーマにした理由 ・自分の問題意識 (例)難民選手団は毎回結成 すべきと考える 2.・・・・について
情報処理の概念 #0 概説 / 2002 (秋) 一般教育研究センター 安田豊.
単元:情報のディジタル化 授業者:●山本くん、福田くん
映像を用いた 「からだ気づき」実習教材の開発
プレゼン資料(進行者用・研修者用)   校内研修会 教師自身の望ましい自己表現.
学校における教育の情報化の推進と校内研修の企画運営
平成20・21年度 国立教育政策研究所・教育課程研究センター指定
Presentation transcript:

未来社会を展望し,生活を創る力を育てる 技術・家庭科教育 山梨県研究主題 ~『思考のトレーニング』を取り入れた授業を通して~ 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 関東甲信越地区技術・家庭科研究会 研究部研修会 山梨県研究主題 未来社会を展望し,生活を創る力を育てる       技術・家庭科教育 ~『思考のトレーニング』を取り入れた授業を通して~ それでは,山梨県の全体提案発表をさせていただきます。 私は、研究部主任の梶原将司と申します。よろしくお願いいたします。 群馬大会の全体会提案で,本県の発表をさせて頂きました。ダブル部分もありますが,研究の概要を簡単に発表しながら, より具体的な内容の部分の提案をさせて頂きます。 山梨県中学校技術・家庭科研究会      研究部主任 梶原将司         2015.5.29

提案発表内容 1,山梨県全体研究の概要 2,「思考のトレーニング」 におけるキーワード 3,「つなぎ」の工夫について 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 提案発表内容  1,山梨県全体研究の概要 2,「思考のトレーニング」      におけるキーワード 3,「つなぎ」の工夫について 今から提案する内容は、次の3つになります。 まず,研究主題とその設定理由ですが 本県では,生徒・教師にアンケートを実施したところ・・・・・。

研究主題 未来社会を展望し、 生活を創る力を育てる技術・家庭科教育 「生活を創る力」= 「生活を工夫し創造する能力」 「未来社会」 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 研究主題 未来社会を展望し、   生活を創る力を育てる技術・家庭科教育    ~『思考のトレーニング』を取り入れた授業を通して~ 変化し続ける社会、持続可能な社会、循環型社会、これから(近い未来・遠い未来)の社会 「未来社会」 これからの生活を見通し,よりよい生活とは何かを考え、その実現に向けて自なりに思考・判断し課題を解決する力 「生活を創る力」 そこで研究主題を、「未来社会を展望し,生活を創る力を育てる技術・家庭科教育」, サブタイトルを~『思考のトレーニング』を取り入れた授業を通して~としました。 本県では,この「生活を創る力」を「生活を工夫し創造する能力」と捉え,この「能力」の育成について研究を進めてきました。 「生活を創る力」= 「生活を工夫し創造する能力」

見える化 生活を工夫し創造する能力 見えにくい力 育てること・評価すること が 難しい できないか! 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 生活を工夫し創造する能力 見えにくい力 育てること・評価すること が 難しい この「生活を工夫し創造する能力」を、本県では,・・・, 「課題に対して,技術・家庭科の視点で課題をとらえ(考え)・判断し,課題を解決する力」と捉えました。 しかし,この力は 「見えにくい力」であり, 故に,「育てること」や「評価すること」が難しいとされている現状があります。 そこで,この「見えにくい力」をなんとか可視化『見える化』できないかと考えました。 この「見えにくい力」を「見える化」することができたら, そこから,この力を「育てること」や「評価すること」が,より可能になるのではないかと考えたからです。 見える化 できないか!

未来社会を展望し,生活を創る力 『思考のトレーニング』 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 未来社会を展望し,生活を創る力   生活を工夫し創造する能力 『思考のトレーニング』 そこで,本県では,これから説明します『思考のトレーニング』というものを授業の中に取り入れていこうと考えました。 具体的には,まず「適切な課題」の工夫,「ワークシート」の工夫,「つなぎ」の工夫の3つの手立てを用いて, 「思考の過程」の「見える化」を行います。 そして,「見える化」した生徒の思考を,さらに「つなぎ」を通して育て上げて行きます。 この『思考のトレーニング』を通して,「生活を工夫し創造する能力」の育成を図りながら,研究主題の『未来社会を展望し,生活を創る力』を育てていきたいと考えました。 「思考の過程」の見える化 適切な課題 ワークシート つなぎ

材料と加工に関する技術 <製作品の設計の場面> 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 『思考のトレーニング』の具体例①:問題解決的な学習Ⅰの場面  材料と加工に関する技術 <製作品の設計の場面>  これは,第1分科会の「材料と加工に関する技術」におけるワークシートの一例になります。 ・場面としては,「製作品の設計」の場面であり,「問題解決的な学習Ⅰ」の場面ということになります。 ・授業展開としては,一次設計と二次設計を行わせる中での,最初の一次設計の場面になります。

思考の見える化 「つなぎA」 ここでは,自分の考えや理由を書くための助けとなる,『(考えようとする)問い』を「つなぎA」として入れていく。 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 思考の見える化 「つなぎA」 ここでは,自分の考えや理由を書くための助けとなる,『(考えようとする)問い』を「つなぎA」として入れていく。 まず始めに,中央に自分の考える作品の構想図を書かせます。 この時一緒に,自分のアイディアを『ワークシートの記入』のルールに従って,○や□を使って記入させていきます。これが,「思考の過程」の「見える化」です。 この時,生徒が自分の考えを導きやすいように支援的な声かけ「つなぎA」を教師が入れていきます。例えば「ここは本が取り出しやすい構造になっているかな?」「どうしてここはこうなってるの?」「丈夫な構造になっているかな?」等の「声かけ」を行っていきます。 この時大切なのは,思考が止まってしまっている生徒がいた場合,教師はその生徒の思考が、どの段階で止まっているのかを判断し,的確な「声かけ」を行うことが必要となってきます。

思考を支援するための ワークシートの工夫例 思考の見える化 技術を評価する側面を明記 「つなぎC」 「つなぎA」 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 思考を支援するための    ワークシートの工夫例 思考の見える化 「つなぎA」 ここでは,自分の考えや理由を書くための助けとなる,『(考えようとする)問い』を「つなぎA」として入れていく。 「つなぎC」 続いて,その下に、評価の側面を明記した記入スペースを用意しておきます。そこに自分の出した考えを一度まとめさせます。そのとき、教師は支援的な声かけ『つなぎA』を入れながら、ここでも生徒の思考を助け、広めていきます。そして、このまとめを使って,友達と相互評価をさせます。これが生徒同士の情報交換『つなぎC』になります。 お互いの考えを知ることで,更に思考を広げさせていくのがねらいです。 特に,考えが浮かばず思考することが止まってしまっている生徒にとっては,他の生徒の「思考の道すじ」をたどることで, 生徒の思考を助け・導くことにつながっていくことが期待できます。 これが『つなぎC』生徒同士の情報交換の一例です。 技術を評価する側面を明記

「つなぎB」・・ワークシートの見取り(フィードバック評価) 山梨県全体提案発表プレゼン資料 2015/2/13 制約条件(機能面) 制約条件(環境的側面) 制約条件(丈夫な構造) CDに比べて,本には色々な大きさのものがあります。 より機能的に使える方法はないかな? 制約条件(環境的側面) ⑤ A さらに,つなぎBとして,生徒が思考したワークシートの内容(すなわち「思考の過程」)を見取り(評価し),それを生徒へフィードバックしていきます。この時の評価を特に「フィードバック評価」と名付けました。 この「フィードバック評価」をしてあげることにより,生徒は自分の思考の内容や方向性について再確認及び再認識することが可能となります。 具体的に,どのようにフィードバック評価を行っていくかは,現在,各分科会で研究を進めているところでありますが,一つの具体例として次のような方法を考えています。 例えば,生徒の記述内容から, 「材料を少なくする為」と書かれていますが,これは制約条件の中の環境的側面のことについて書かれているので○。 「強度に不安がある」と書かれていますが,これは制約条件の中の丈夫な構造のことについて書かれているので○。 「はじの本が取りやすい」と書かれていますが,これは制約条件の中の機能面のことについて書かれているので○。 「格好いいから」も大切な条件ではあるが,ここではあまり重要視していないので△。 「置くスペースが狭いので」と書かれていますが,これは制約条件の中の機能面のことについて書かれているので○。 「残った材料を利用」と書かれていますが,これは制約条件の中の環境的側面のことについて書かれているので○。 「本箱を安定させるために・・・・・・」は,本は様々な大きさの物があるから,より機能的に使い安方法はないかと言葉でフィードバックすることも一つの方法として考えられます。 そして,全部で○が5つあるので⑤と表記してやる方法も考えられますし,何個以上だからとAと表記してやる方法も考えられます。 これが,ワークシートに書かれた「思考の過程」を教師が評価し,フィードバックする,つなぎBになります。 制約条件(機能面) または 「つなぎB」・・ワークシートの見取り(フィードバック評価) ワークシートの内容を教師が見取り,生徒にフィードバックする。