チャネル結合AMDによる sd殻Ξハイパー核の研究

Slides:



Advertisements
Similar presentations
相対論的場の理論における 散逸モードの微視的同定 斎藤陽平( KEK ) 共同研究者:藤井宏次、板倉数記、森松治.
Advertisements

自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
4.3 連立1次方程式   Ax = b   (23) と書くことができる。
HBT干渉法における 平均場の効果の準古典理論
---核力プロジェクトの近未来の拡張の形(私見)---
山崎祐司(神戸大) 粒子の物質中でのふるまい.
クラスター変分法による 超新星爆発用 核物質状態方程式の作成
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
中性子過剰核での N = 8 魔法数の破れと一粒子描像
Ξハイパー核の現状と今後の研究計画 肥山詠美子(奈良女大).
埼玉大学大学院理工学研究科 物理機能系専攻 物理学コース 06MP111 吉竹 利織
to Scattering of Unstable Nuclei
平均場理論計算による sd-shell ハイパー核の形 1. sd殻核と変形 2. 自己無撞着平均場理論 と核変形
原子核物理学 第4講 原子核の液滴模型.
大規模数値計算による原始銀河団領域に関する研究
Dissociative Recombination of HeH+ at Large Center-of-Mass Energies
原子核物理学 第8講 核力.
電子 e 光子 g 電磁相互 作用を媒介 陽子 中性子 中間子 p n ハドロン 核力を  媒介 物質の 究極構造 原子 原子核 基本粒子
HERMES実験における偏極水素気体標的の制御
Λハイパー核の少数系における荷電対称性の破れ
ストレンジネスが拓く エキゾチックな原子核の世界
非局所クォーク模型Gaussianバリオン間相互作用とその応用
銀河風による矮小銀河からの質量流出とダークマターハロー中心質量密度分布
核物理の将来 WG ストレンジネス sub group
QMDを用いた10Be+12C反応の解析 平田雄一 (2001年北海道大学大学院原子核理論研究室博士課程修了
Azimuthal distribution (方位角分布)
研究課題名 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状
D中間子崩壊過程を用いた 軽いスカラー中間子の組成の研究
原子核物理学 第2講 原子核の電荷密度分布.
理研RIBFにおける 中性子過剰Ne同位体の核半径に関する研究
量子力学の復習(水素原子の波動関数) 光の吸収と放出(ラビ振動)
Charmonium Production in Pb-Pb Interactions at 158 GeV/c per Nucleon
4体離散化チャネル結合法 による6He分解反応解析
背景 課題 目的 手法 作業 期待 成果 有限体積法による汎用CFDにおける 流体構造連成解析ソルバーの計算効率の検証
2重井戸型ポテンシャルに捕捉された 冷却原子気体の非平衡初期分布緩和過程に対する非平衡Thermo Field Dynamics
原子核物理学 第5講 原子核の振動と回転.
「核力についてどんなことができるか」展望
原子核の殻構造の相対論的記述 n n n σ ω n σ ω n 柴田研究室 石倉 徹也 1.Introduction n n
G-matrix folding modelによる Ξ核の構造・生成
反対称化分子動力学で調べる ハイパー核構造
ストレンジネスで探る原子核 -ハイパー核の世界-
中性子過剰F同位体における αクラスター相関と N=20魔法数の破れ
井坂政裕A, 木村真明A,B, 土手昭伸C, 大西明D 北大理A, 北大創成B, KEKC, 京大基研D
最尤推定・最尤法 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
水素の室温大量貯蔵・輸送を実現する多孔性材料の分子ダイナミクスに基づく解明と先導的デザイン
HMM音声合成における 変分ベイズ法に基づく線形回帰
格子ゲージ理論によるダークマターの研究 ダークマター(DM)とは ダークマターの正体を探れ!
Massive Gravityの基礎と宇宙論
「少数粒子系物理の現状と今後の展望」研究会
α decay of nucleus and Gamow penetration factor ~原子核のα崩壊とGamowの透過因子~
原子核物理学 第7講 殻模型.
Cylindrical Drift Chamber
課題研究 P4 原子核とハドロンの物理 (理論)延與 佳子 原子核理論研究室 5号館514号室(x3857)
大規模並列計算による原子核クラスターの構造解析と 反応シミュレーション
原子核物理学 第6講 原子核の殻構造.
核内ω中間子質量分布測定のための 検出器開発の現状
ハイパー核物理分野から見た K原子核物理へのコメント
Brueckner-AMDの軽い原子核への適用
低エネルギー3核子分裂反応について 法政大学 石川壮一 1.はじめに 2.3体クーロン問題の定式化 p-p-n系
媒質中でのカイラル摂動論を用いた カイラル凝縮の解析
(K-,K+)反応によるΞハイパー核の生成スペクトル
2016年夏までの成果:標準理論を超える新粒子の探索(その1) 緑:除外されたSUSY粒子の質量範囲 [TeV]
2017年夏までの成果:標準理論を超える新粒子の探索(その1) 緑:除外されたSUSY粒子の質量範囲 [TeV]
現実的核力を用いた4Heの励起と電弱遷移強度分布の解析
荷電粒子の物質中での エネルギー損失と飛程 内容: 柴田研究室 05_05556 岡村 勇介 Bethe-Blochの式と飛程
Massive Gravityの基礎と宇宙論
荷電粒子の物質中でのエネルギー損失と飛程
陽子の中のSeaクォーク 柴田研究室 02M01221 渡辺 崇 [内容] 1.Seaクォークとは 2.β崩壊とクォーク
混合ガウスモデル Gaussian Mixture Model GMM
軽い原子核の3粒子状態 N = 11 核 一粒子エネルギー と モノポール a大阪電気通信大学 b東京工業大学
Presentation transcript:

チャネル結合AMDによる sd殻Ξハイパー核の研究 北海道大学 松宮浩志 前川秀基 椿原康介 大西明 KEK 土手昭伸

チャネル結合AMD (ccAMD) + (K-,K+)反応でのΞハイパー核生成でどの標的が有望か? AMD:clusterの存在や形を仮定しない + + チャネルの coupling 各チャネル:Gauss 波束のSlater determinant 変分パラメータ 線形結合で全系の波動関数を表現 我々は結合チャネルAMDという枠組みを開発しました。 本研究のモチベーションと致しましては、 (K-K+)スペクトロスコピーで見ることの出来るΞハイパー核を探したい、というところにあり、 そのためにまずΞ核の構造から調べていきます。 ハイパー核においては、核子との間にパウリ原理が働かないために 核の構造に大きな変化が起こることが考えられます。 そこで、クラスターやシェルモデルなどの構造のモデルを仮定しない枠組みであるAMDを用いることとします。 またΞハイパー核においては、 核内でΞ粒子がΞ0になっている状態とΞ-になっている状態が、 混合して存在しうる(チャネルカップリング)、という特徴があります。 そこで従来のAMDをチャネルの混合しうる系にも適用できるよう拡張したccAMDを開発しました。 ccAMDの枠組みを説明していきたいと思います。 まず各チャネルでの波動関数をスレーター行列式で用意します。 ここでのaはチャネルをあらわしていて、 たとえば12XiBeでは11B+Xi- 11B+Xi0を意味しています。 一粒子の波動関数は空間部分がガウス波束であらわされ、 それにスピン、アイソスピン、フレイバー波動関数をあわせて表現します。 これらの各チャネルの波動関数を線形結合で重ね合わせたものを 全系の波動関数として準備します。 この波動関数からハミルトニアンの期待値を計算し、 波束の中心zと重ね合わせの係数xとを 変分パラメータとして変分をとって波動関数を求めていきます。 ハミルトニアンは全運動エネルギー、重心の運動エネルギー、 相互作用項と、各チャネルでのバリオンの総質量を入れたものを用います。

matter中でのΞpotentialの深さ ccAMD with ESC04d[1] matter中でのΞpotentialの深さ ESC04dを現象論的に 2-Range Gaussianで表せるか? 運動量依存が 正しく再現されない AMD ESC04d 密度 相互作用 = 0.118 fm-3 0.159 fm-3 さて、Ξ粒子と核子との間の相互作用として、ESC04dを用いました。 核物質中でのΞのポテンシャルの密度依存を見たものがこちらです。 この密度依 現象論的に2体の相互作用の強さに密度依存のない2レンジのガウス型ポテンシャルを用意しました。 ESC04dでは運動量が上がるにつれポテンシャルが深くなっていきますが、TRGの方ではポテンシャルが浅くなっていきます。 このようなTRGでESC04が再現できないため、ここでは土手さん、赤石さんらの取った方法で計算します。 つまり、まず適当な密度から相互作用の強さを求め、それから計算したAMDの密度から相互作用を修正し、 またAMDで密度を計算…とselfconsistentになるように解いていきます。 これで得られた密度はこのようになっており、立体角平均した密度分布がこちらです。 [1] A.Rijken Y.Yamamoto nucl-th/0608074

Result 表面付近では 14MeV Woods-Saxon と合う to do… ccAMD DDHF (A 20) DDHF: A.Rijken Y.Yamamoto target: 12C 20Ne 24Mg 27Al28Si ccAMD DDHF (A 20) (couplingは非常に小さい) 表面付近では 14MeV Woods-Saxon と合う これからΞのセパレーションエナジーを計算したものがこちらです。 DDHFでの計算と、質量数が大きいほうで合ってきています。 またAMDの波動関数からポテンシャルをfoldしてかいたものがこちらです。 Be12Xのcore-Xポテンシャル14MeVのWSと比較すると、表面付近での一致が見えます。 今後と致しましては、… Jπprojection, multi Gauss AMD, ΞN-ΛΛcoupling to do…