基研研究会「弦理論と場の理論---量子と時空の最前線」

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基研研究会「弦理論と場の理論---量子と時空の最前線」 2007年 8月 9日 @近畿大学 Non-relativistic string and D-branes on AdS5 x S5 from semiclassical approximation 吉田 健太郎 (KITP,UCSB) 阪口 真 氏 (岡山光量子研) との共同研究 JHEP 0705 (2007) 051, hep-th/0703061 JHEP 0610 (2006) 078, hep-th/0605124

1. イントロダクション AdS/CFT IIB string on AdS5 x S5 1. イントロダクション AdS/CFT [Maldacena ’97] IIB string on AdS5 x S5 N=4 SYM with SU(N) (large N) 弦の状態 複合演算子 e.g., ? エネルギー スケーリング次元 困難の一つ:     AdS5 x S5 上の超弦の取り扱い   AdS5 x S5 上の超弦は解けるか?  未だ困難 [Bena-Polchinski-Roiban] 弦側の近似法・解析法を考えることは、まだ重要

2) Non-relativistic (NR) limit: (時空) NR string AdS string AdS5xS5上の超弦の簡略化 (AdS string= string on AdS5 x S5 ) 1) Penrose limit: PP-wave string AdS string 光円錐ゲージで厳密に解ける (∵) Free massive (世界面上の理論) [Metsaev] 回転するBPS粒子周りの半古典近似として解釈される [GKP] ゲージ理論側:  BMN演算子 [BMN] 2) Non-relativistic (NR) limit: (時空) NR string AdS string [Gomis-Gomis-Kamimura] 静的ゲージで厳密に解ける (∵) Free massive and massless 但し、世界面はAdS2 ゲージ理論側:   ??? 半古典近似としての解釈:  ??? 今日の話題

Plan of the Talk 1. イントロダクション 2. AdS/CFTにおけるNR limit 1. イントロダクション  2. AdS/CFTにおけるNR limit (a short review) 3. 半古典近似としてのNR limit (our work) ゲージ理論で対応する演算子 4. まとめと今後の展望

2.   AdS/CFTにおける NR limit a brief review -

平坦空間上の場合のNR limit: NR limit: 作用: 質量公式: として、 エネルギーが正 巻き付き数は正 [Gomis-Ooguri] [Danielsson-Guijosa-Kruczenski] 作用: のみゼロでない。 1方向を半径   でコンパクト化 NR limit: として、 エネルギーが正 巻き付き数は正  ( NR で粒子のみが残ることのアナロジー ) 質量公式: : 1方向の巻き付き数 : transverseの運動量 [Klebanov-Maldacena]

NR limitのAdS/CFT対応への応用 [Gomis-Gomis-Kamimura] 計量: AdS2 ラグランジアン: B場との結合項: (v: zweibein of AdS2 ) NR limit: とスケールして、極限         をとる。 但し、 作用の発散部分が相殺して、有限に残る

作用 (κ対称性固定後): 解ける! 誘導された計量: 世界面は AdS2 静的ゲージ AdS2上の自由場理論 κ対称性の固定: AdS5 作用 (κ対称性固定後): κ対称性の固定:  AdS5 S5 フェルミオン 誘導された計量: , (       が       と相互作用) 世界面は AdS2 静的ゲージ AdS2上の自由場理論 解ける! [Sakai-Tanii, 1984]

ボソン部分: フェルミオン部分: 3つ SO(3) x SO(5) 対称性 5つ フェルミオンの共変微分: 質量 SO(3) x SO(5) 対称性 5つ フェルミオン部分: フェルミオンの共変微分: : AdS2のspin connection フェルミオンも質量を持つ SUSY: [e.g., Sakai-Tanii] 16 linearly realized SUSY + 16 non-linearly realized SUSY maximal SUSY

NR limit における代数: 前の論文で示したこと: ポアンカレ群 ガリレイ群 (Minkowski) PSU(2,2|4) Newton-Hooke (AdS) [ ボソン対称性: SL(2,R) x SO(3) x SO(5) ] 前の論文で示したこと: [Sakaguchi-K.Y.] 1)  AdS5xS5上のD-brane作用に対するNR極限 2)  IW contractionの整合性から、可能な1/2 BPS AdS-braneの分類 [ボソン対称性: AdSp x Sq x SO(5-p) x SO(5-q)] cf. 1/2 BPS AdS-brane の分類 brane probe:  [Skenderis-Taylor] κ対称性: [Sakaguchi-K.Y.]

半古典近似としての NR limit ゲージ理論で対応する演算子

NR limit の半古典近似としての解釈: NR limit:    静的なAdS2解の周りの半古典近似 半古典近似の作用 [Drukker-Gross-Tseytlin] 実際に作用を比較してみると一致している。 cf. Penrose limit:   S5で回転するBPS粒子の周りの半古典近似 [GKP] AdS空間上のDBI作用の半古典近似 AdS空間上のDBI作用のNR limit [Sakaguchi-K.Y.] D-braneの場合:

Penrose vs. NR ? ? ? ? ? ? Penrose NR 古典解: S5で回転するBPS粒子 静的なAdS2 (弦の場合) Penrose NR 古典解:   S5で回転するBPS粒子           静的なAdS2 解の対称性:         U(1) SL(2,R) 作用の対称性: SO(4) x SO(4) SO(3) x SO(5) 基底演算子:                        ? ? ? 1-impurity: ? ? ?

Penrose vs. NR Penrose NR 古典解: S5で回転するBPS粒子 静的なAdS2 解の対称性:         U(1) SL(2,R) 作用の対称性: SO(4) x SO(4) SO(3) x SO(5) 基底演算子:                        1/2 BPS Wilson line (直線) 1-impurity: Wilson lineへの場の挿入

ゲージ理論側における演算子挿入 どういう演算子挿入を考えればよいか? 1) Wilson loop の展開 として、直線 の周りで展開する [Sakaguchi-K.Y.] この部分 どういう演算子挿入を考えればよいか? 1)  Wilson loop の展開 として、直線    の周りで展開する cf. Wilson loopの展開によるBMN演算子の導出 [Miwa] 演算子挿入の辞書: (AdS5 方向) (S5 方向) 作用の対称性とも整合的

2) 超対称性 3) ボソンの質量とスケーリング次元の関係 R4 C 要請: 1-impurityの演算子がSUSYを保つ の線形結合が必要 2)   超対称性 要請:  1-impurityの演算子がSUSYを保つ の線形結合が必要 3) ボソンの質量とスケーリング次元の関係 ボソンの質量: (AdS2 の境界での質量次元) [GKP-W] 挿入位置の制限: R4 挿入する場の次元と一致! C (フェルミオンもOK)

4.   まとめと今後の展望

4. まとめと今後の展望 まとめ 今後の展望 AdS/CFT対応におけるNR limit 4.  まとめと今後の展望 まとめ AdS/CFT対応におけるNR limit 実際に、各DBI作用で示した 等価 静的な弦, AdS-brane解の周りでの半古典近似 NR 弦に対応するゲージ理論側の演算子: Wilson loopのdeformation 今後の展望 1) (dual) Giant Wilson loop の場合 [Sakaguchi-K.Y., in preparation] 2) 角運動量を含む場合 Deformation of Wilson loop [Drukker-Kawamoto] [Miwa-Yoneya] Deformation of giant Wilson loop [Drukker et.al.] [Miwa-Sumitomo-K.Y., work in progress]

A rotating AdS2 S5 AdS5 J AdS2 回転の寄与 Impurity insertion ? BMNと同じにはならない [Drukker-Kawamoto, Miwa-Yoneya] S5 AdS5 J AdS2 回転の寄与 余分な対称性の破れ Impurity insertion ? BMNと同じにはならない NRの解析で得た辞書との関係?  [Sakaguchi-K.Y., in preparation]

AdS5xS5上のDBI作用に対する NR limit : [Sakaguchi-K.Y.]  DBI作用に対する NR limit : (Dirichlet 方向) とスケールして、 但し、座標系はAdS-braneの形が明白になるようにcoset constructionをして導入する NOTE: F-stringについては、GGKと同じ結果を与える。 発散部分は定数 RR-flux で相殺する。 c.f., ODp-theory [Gopakumar-Minwalla-Seiberg-Strominger]