確率と統計2009 第12日目(A).

Slides:



Advertisements
Similar presentations
5 章 標本と統計量の分布 湯浅 直弘. 5-1 母集団と標本 ■ 母集合 今までは確率的なこと これからは,確率や割合がわかっていないとき に, 推定することが目標. 個体:実験や観測を行う 1 つの対象 母集団:個体全部の集合  ・有限な場合:有限母集合 → 1つの箱に入っているねじ.  ・無限な場合:無限母集合.
Advertisements

1標本のt検定 3 年 地理生態学研究室 脇海道 卓. t検定とは ・帰無仮説が正しいと仮定した場合に、統 計量が t 分布に従うことを利用する統計学的 検定法の総称である。
統計解析第 11 回 第 15 章 有意性検定. 今日学ぶこと 仮説の設定 – 帰無仮説、対立仮説 検定 – 棄却域、有意水準 – 片側検定、両側検定 過誤 – 第 1 種の過誤、第 2 種の過誤、検出力.
1 市場調査の手順 1. 問題の設定 2. 調査方法の決定 3. データ収集方法の決定 4. データ収集の実行 5. データ分析と解釈 – データ入力 – データ分析 6. 報告書の作成.
4. 統計的検定 ( ダイジェスト版 ) 保健統計 2014 年度. Ⅰ 仮説検定の考え方 次のような問題を考える。 2014 年のセンター試験、英語の平均点は 119 点であった。 T 高校では 3 年生全員がセンター試験を受験したが、受験生の中から 25 人を選んで調査したところ、その平均点は.
生体情報論演習 - 統計法の実践 第 1 回 京都大学 情報学研究科 杉山麿人.
統計学入門2 関係を探る方法 講義のまとめ. 今日の話 変数間の関係を探る クロス集計表の検定:独立性の検定 散布図、相関係数 講義のまとめ と キーワード 「統計学入門」後の関連講義・実習 社会調査士.
確率と統計 2007 平成 20 年 1 月 10 日 ( 木 ) 東京工科大学 亀田弘之. 復習.
エクセルと SPSS による データ分析の方法 社会調査法・実習 資料. 仮説の分析に使う代表的なモデ ル 1 クロス表 2 t検定(平均値の差の検定) 3 相関係数.
●母集団と標本 母集団 標本 母数 母平均、母分散 無作為抽出 標本データの分析(記述統計学) 母集団における状態の推測(推測統計学)
第4章 統計的検定 統計学 2007年度.
第4回 関連2群と一標本t検定 問題例1 6人の高血圧の患者に降圧剤(A薬)を投与し、前後の収縮期血圧 を測定した結果である。
看護学部 中澤 港 統計学第5回 看護学部 中澤 港
統計学第10回 多群の差を調べる~ 一元配置分散分析と多重比較 中澤 港
第4章補足 分散分析法入門 統計学 2010年度.
様々な仮説検定の場面 ① 1標本の検定 ② 2標本の検定 ③ 3標本以上の検定 ④ 2変数間の関連の強さに関する検定
確率と統計 平成23年12月8日 (徐々に統計へ戻ります).
第2回授業 (10/2)の学習目標 第5章平均値の差の検定の復習を行う。 (詳細を復習したい者は、千野のWEB頁の春学期パワ
多変量解析 -重回帰分析- 発表者:時田 陽一 発表日:11月20日.
検定 P.137.
統計的仮説検定 基本的な考え方 母集団における母数(母平均、母比率)に関する仮説の真偽を、得られた標本統計量を用いて判定すること。
4. 統計的検定 保健統計 2009年度.
第4回 (10/16) 授業の学習目標 先輩の卒論の調査に協力する。 2つの定量的変数間の関係を調べる最も簡単な方法は?
土木計画学 第5回(11月2日) 調査データの統計処理と分析3 担当:榊原 弘之.
第9回 二標本ノンパラメトリック検定 例1:健常者8人を30分間ジョギングさせ、その前後で血中の
統計的推定と検定 推定: 統計的に標本の統計量から母集団の母数(母平均・母標準偏差など)を推測することを統計的推定という 検定:
統計的仮説検定の考え方 (1)母集団におけるパラメータに仮説を設定する → 帰無仮説 (2)仮説を前提とした時の、標本統計量の分布を考える
心理統計学 II 第7回 (11/13) 授業の学習目標 相関係数のまとめと具体的な計算例の復習 相関係数の実習.
第6章 2つの平均値を比較する 2つの平均値を比較する方法の説明    独立な2群の平均値差の検定   対応のある2群の平均値差の検定.
確率・統計Ⅱ 第7回.
統計学勉強会 対応のあるt検定 理論生態学研究室 3年 新藤 茜.
臨床統計入門(3) 箕面市立病院小児科  山本威久 平成23年12月13日.
統計学 12/13(木).
ホーエル『初等統計学』 第8章4節~6節 仮説の検定(2)
母分散が既知あるいは大標本の 平均に関する統計的検定
統計学  西 山.
正規性の検定 ● χ2分布を用いる適合度検定 ●コルモゴロフ‐スミノルフ検定
対応のあるデータの時のt検定 重さの測定値(g) 例:
クロス集計とχ2検定 P.144.
母集団と標本調査の関係 母集団 標本抽出 標本 推定 標本調査   (誤差あり)査 全数調査   (誤差なし)査.
土木計画学 第6回(11月9日) 調査データの統計処理と分析4 担当:榊原 弘之.
Excelによる実験計画法演習 小木哲朗.
早稲田大学大学院商学研究科 2016年1月13日 大塚忠義
第2日目第4時限の学習目標 平均値の差の検定について学ぶ。 (1)平均値の差の検定の具体例を知る。
第8回授業(5/29日)の学習目標 検定と推定は、1つの関係式の見方の違いであることを学ぶ。 第3章のWEB宿題の説明
第11回授業(12/11)の学習目標 第8章 分散分析 (ANOVA) の学習 分散分析の例からその目的を理解する 分散分析の各種のデザイン
統計学 西 山.
確率と統計 年1月12日(木)講義資料B Version 4.
藤田保健衛生大学医学部 公衆衛生学 柿崎 真沙子
市場調査の手順 問題の設定 調査方法の決定 データ収集方法の決定 データ収集の実行 データ分析と解釈 報告書の作成 標本デザイン、データ収集
統計処理2  t検定・分散分析.
1.母平均の検定:小標本場合 2.母集団平均の差の検定
母分散の検定 母分散の比の検定 カイ2乗分布の応用
早稲田大学大学院商学研究科 2014年12月10日 大塚忠義
統計的検定   1.検定の考え方 2.母集団平均の検定.
データの型 量的データ 質的データ 数字で表現されるデータ 身長、年収、得点 カテゴリで表現されるデータ 性別、職種、学歴
母分散の検定 母分散の比の検定 カイ2乗分布の応用
第4章 統計的検定 (その2) 統計学 2006年度.
「アルゴリズムとプログラム」 結果を統計的に正しく判断 三学期 第7回 袖高の生徒ってどうよ調査(3)
クロス表とχ2検定.
母集団と標本抽出の関係 母集団 標本 母平均μ サイズn 母分散σ2 平均m 母標準偏差σ 分散s2 母比率p 標準偏差s : 比率p :
小標本に関する平均の推定と検定 標本が小さい場合,標本分散から母分散を推定するときの不確実さを加味したt分布を用いて,推定や検定を行う
藤田保健衛生大学医学部 公衆衛生学 柿崎 真沙子
確率と統計2007(最終回) 平成20年1月17日(木) 東京工科大学 亀田弘之.
数理統計学  第12回 西 山.
平成23年12月22日(木) No.9 東京工科大学 担当:亀田弘之
第3章 統計的推定 (その2) 統計学 2006年度 <修正・補足版>.
統計現象 高嶋 隆一 6/26/2019.
確率と統計 年12月16日(木) Version 3.
確率と統計 年1月7日(木) Version 3.
Presentation transcript:

確率と統計2009 第12日目(A)

平均値の差の検定 今日の問題意識: 前回の「平均の差の検定(あるいは平均の優位差の検定)」では、母分散がが事前に知られている、あるいは、標本分散で近似できることが前提条件であった。 だが、その条件が成り立たない、あるいは、成り立つかどうかわからない場合はどうすればいいのだろうか?

代表的な手法 t検定 分散分析法 分散分析は、t 検定を一般化したものになっているので、分散分析を学べば t 検定は使わなくてもよい。とはいえ、t検定もよくつかわれていますので、引き続き学んでください。

t検定の考え方 2つの平均maとmbの差maーmbに注目し、 その差は本来ゼロであり、測定値上の差は誤差の分だけと考えたとき、差が誤差の何倍に当たるかの値tを計算し、理論上tがそのような値を取る確率を調べ、その確率の値があまりにも小さければ「本来差がない」という 仮説を棄却する。

計算式 maとmb: 2つの標本のそれぞれの平均 SaとSb: 2つの標本のそれぞれの標準偏差 n: 標本におけるデータ数(条件AとBで共通)

t値と自由度とを計算し、t分布表をみて、 確率の値を知る。

例 表1.得点の平均と標準偏差 条件A 条件B データの個数n 平均m 標準偏差s   6 48.0 14.5 70.0 12.9

t検定の手順 t値を計算する。 自由度を計算する。 t分布表を調べ、当該t値の出現確率を 求める。 有意性を判定する。 結論を下す。 自由度 df = (Na – 1) + (Nb – 1) t分布表を調べ、当該t値の出現確率を 求める。 有意性を判定する。 結論を下す。 2条件のデータに対応がない 標準偏差に差がない    (通常のt 検定適用の条件)

判断の目安 0.05 < p < 0.10 「有意傾向である」 P<0.05 「有意である」(有意水準5%)

先ほどの例に適用してみよう。 「表1は条件Aと条件Bにおける得点の平均と標準偏差を示したものである。t検定の結果、XXXであった (両側検定:t(aaa)=bbb, .05<p<.10)。」 XXXには、本資料9ページの表現が入る。 “aaa”は自由度、“bbb”はt値が入る。 “p”は“p値”と呼ばれているもの(各自調べよ)

データに対応がある場合のt検定 (注)データに差のない場合など他の場合は、  また違った計算式になります。 重要

例 表1. 被験者No 条件A 条件B その差(A-B) 1 2 3 4 5 6 7 112 95 103 90 124 100 108 125 105 98 97 113 平均 標準偏差

1. t値の計算

2.自由度dfの計算 df=N-1

3.t分布表を調べる。

4.有意性の判断をする。 (自分でやってみよう)

5.結論を下す (自分で書いてみよう)

まとめ “t検定”は役に立ちますが、条件によって計算式が様々に変わります。将来必要になったら、あらためてじっくりと落ち着いて学んでください。 分散分析も大変優れた方法です。将来必ず学んでください。