(規模の拡大等を行うため2戸の農家が法人化) ② 農事組合法人 e-FARM久留米 (規模の拡大等を行うため2戸の農家が法人化) 法人の概要 ● 代表者:代表理事 城戸 紀彰 さん ● 設立年月日:平成18年10月27日 ● 構成員数:6人(農家2戸) ● オペレーター:7人 経理担当:1人 ● 経営面積:84ha ● 作付面積:水稲25ha、麦70ha、大豆2ha、 たけのこ2ha、にんにく2ha、キャベツ3ha、 とうがらし0.2ha ● 作業受託面積:田植え・刈取り20ha ● 加工品名:精米、餅 福岡県久留米市 法人設立の経緯 ● 地区内に共同防除を目的とした上津営農組合が平成 16年に設立。 ● 平成19年産より導入される品目横断的経営安定対策 への対応より、法人化の話が持ち上がり、まず3戸の 農家で普及センターやJA等からの指導を受けながら 半年かけて検討を行った。最終的には親同士が友人、 息子同士が同級生であった城戸氏と馬場氏の2家族 で平成18年10月に法人を立ち上げる。 生産販売所の地産地消のぼり旗の前で 左が城戸代表理事、右が馬場理事 リーダーの確保 ● 法人を設立した際の父親の年齢は58歳と59歳であったので、後継者(息子26歳)にバトンタッチ する時期であろうと、親同士で話し合って若い者に任せるとし、代表理事を城戸紀彰氏(現在32 歳)とした。 合意形成のポイント ● 経営もそれぞれ違う2戸の農家が1つの会社になるこ とで、互いのレベルを合わせるのに苦労した。会社と なると各々が経営者感覚でやらないといけないという ことであり、そこをじっくり話し合った。 ● 今まで2戸で作付していた農産物を、全部会社名義に するというのを基本とした。 ● 最初は小作権等々の関係で、農地を取り上げられる のでないかと思う農家もあったので、その際は農業委 員や税理士を連れて説明を行うなどして理解を得て いった。 手前はキャベツ畑、奥のほ場はこれから麦の作付を待っています。 1
経営安定のための工夫 今後の課題と経営展開の方向 法人化によるメリットを伺いました ● 米、餅、野菜、たけのこ等のインターネット販売や近隣の スーパー・道の駅・直売所など13店舗でも販売している。 その他に野菜は農協や民間との契約栽培を行っている。 ● 餅にキャベツ、ニンニク、明太子をそれぞれ入れた野菜 餅は購入者から好評であり、現在、年間を通じて生産・販 売できる加工所の増設を行うため、平成24年度6次産業 化推進整備事業の活用を予定している。野菜餅には規格 外の野菜も使っている。 ● 福岡県減農薬・減化学肥料栽培認証(fマーク)を取得し、 安心安全な農産物の提供を行っている。 ● 耕作放棄地の再生を行っており、平成23年度は50~60a を重機等により抜根を行い復元している。 加工所のもち米の蒸し器と餅つき器 今後の課題と経営展開の方向 ● 近隣の農地は個別農家が耕作しているため集 積できない。そのため耕作する農地は、一番遠 い団地まで約10kmと広範囲であり、農地の集約 が課題である。しかし、このことを逆手にとって、 水稲の品種を地域ごとに分けて作付けし、早生 から売り始めるなど、販売の付加価値を付けた い。また、作業時期が分散されるので機械や作 業の効率も良くなると考えている。 法人化を目指す組織へのアドバイス 集落営農の法人化に対しては、各々の農家 の気持ちを一緒にすること。個々の農家のレ ベルを合わせるために、レベルを上げること。 他には、 ● 米麦だけではなく、野菜を取り入れることによっ て、農作業を分散させていくとともに、雇用により 人を育てていきたい。 ● 今後は、以前加工していた味噌「こだわりの味 噌」についても検討中。米の特別栽培米や野菜 餅など付加価値を付けた加工品など、「この地域 でできること」「大手食品会社にできないこと」を やっていく。更に、農産物は昔は作って農協に出 せばお金になったが今は厳しいので、売り先を 見つけ、売ってから物を作ることにより、生産・加 工コストの効率化に努める。 ・経理は集約して、米代で払うのではなく、面 積に応じた仕事量として賃金を払う。 ・経理が整っているカントリー組合を中心とし た法人化が有効に思われる。 ・年配者は水管理、草刈り、若者は機械作業、 経理経験者を経理と、組合員が得意とすると ころを引き出してやれるならうまく行くのでは ないか。 法人化によるメリットを伺いました ● 個人では規模拡大など限界があるが、2戸の農家が集まり、雇用により人を集め、人を育て ることにより経営も拡大し、安定してくる。 ● 6次産業化推進整備事業などの活用による施設等の整備ができる。 〔意見交換会開催日:平成24年10月25日〕 2