集合住宅団地における棟間気流性状および 外壁面対流熱伝達率の実測 集合住宅団地における棟間気流性状および 外壁面対流熱伝達率の実測 1013433 宮本 徹也 1013327 得丸 貴史
ヒートアイランド現象と呼ばれる都市温暖化 研究目的 ヒートアイランド現象と呼ばれる都市温暖化 都市温暖化の解明には都市にある様々な土地利用形態特有のエネルギー交換過程の把握が必要 都市の代表的な構成要素の一つである 集合住宅団地のエネルギー交換過程の実測 そこで
測定場所概要 ・建物は4階建て(高さ約11m) ・地盤は緩く傾斜 ・北風と南風が多く吹く場所 測定期間 9月18日~12月2日 場所:東京都武蔵野市 桜堤団地 道路 N ・建物は4階建て(高さ約11m) 電柱 ・地盤は緩く傾斜 ・北風と南風が多く吹く場所 20m 106 107 106棟 107棟 測定期間 9月18日~12月2日 24時間常時測定。
測器配置 106棟 107棟 電柱 壁面測器設置構成 3次元超音波風速計 SAT計 日射計 長波放射計 屋上 ①3次元超音波風速計 ⑨~⑭3次元超音波風速計 ⑯地面SAT計 ⑰通風管付熱電対 電柱 電柱:10月18日に設置。 ⑨~⑮10月22日から測定開始 屋上 ①3次元超音波風速計 測器配置 壁面測器設置構成 3次元超音波風速計 日射計 長波放射計 SAT計 107棟 106棟
3次元超音波風速計(壁面から1m離して設置) SAT計 長波放射計:L↓ 日射計:S↓ SAT計 S↓-S↑+L↓-L↑- G =H S↓(1-α)+L↓-εσTS-G=H α:日射反射率 ε:放射率 Ts:表面温度 ①式 ②式 実測値 事前に決定 50mm G:伝導熱量 0 S↓入射 日射量 L↓:入射 赤外放射量 H:対流による 顕熱輸送量 L↑:赤外放射量 S↑反射 表面に熱電対、熱流板を貼付 斜面により円滑に風を流すように工夫。 風
次に循環流成分の強い3階壁面の気流性状を示す。 団地内の棟間気流性状 北風の場合 循環流が形成 上空 北風 北 106棟 南 107棟 断面図 次に循環流成分の強い3階壁面の気流性状を示す。 上空 南風 南風の場合 北風の場合の逆の循環流が形成 南 107棟 106棟 北 断面図
「らせん状」の気流 循環成分が強い住棟3階(106側、107側)壁面 106側:住棟と平行な気流(東風、 西風)になる。 N S E W 106棟 N W S E 107棟 N E W S 106側:住棟と平行な気流(東風、 西風)になる。 循環流が水平方向にも移動する「らせん状」の気流になり循環成分より住棟平行成分の方が強い。 「らせん状」の気流 107側階段突出し部分による 107側:風向、気流ともに 一定ではない。 風の乱れが原因 循環成分が強い 住棟平行成分が強い 106棟: 107棟: 上空風向と壁面近傍風速の 鉛直成分と住棟平行成分の比の関係 上空風向と壁面近傍風向の関係
外壁面対流熱伝達率 ・風速により対流熱伝達率は どのように変化するか ・対流熱伝達率は表面温度で ・棟間空間に上下温度差がある場合 どのように変化するか ・対流熱伝達率は表面温度で ・棟間空間に上下温度差がある場合 の対流熱伝達率への影響は?
濾紙面水分蒸発法 ⇒SAT計の検証を目的 蒸発 放射 対流 伝導 60mm×60mmの試料で計測 断熱材 500mm 断熱材 500mm 濾紙面水分蒸発法は対流のみ 断熱材 放射 対流 伝導 500mm 500mm
・SAT計は、24時間無人で連続計測可能。 ・濾紙面水分蒸発法は、30分毎に手動で計測。 任意の4日間で各10回、計40回計測した。 SAT計地上部分は計測不良 ⇒同位置での比較はできなかった ⇒SAT計2・3・4階部分と比較検討した
・ばらつきが少なく高い精度で測定できた。
・風速と熱伝達率には直線関係が成り立つ! ←わずかな建物の突起が影響! 建物の突起 107棟4階 107棟3階 107棟2階 106棟2階 106棟3階 106棟4階 濾紙地上 ・ 107棟4階と107棟3階の値が大きくなる! ・風速と熱伝達率には直線関係が成り立つ!
表面温度について 熱の入れ替わり多い 熱の入れ替わり少ない ー不安定 中立 安定+ 冷たい空気 暖かい空気 暖かいSAT計 冷たいSAT計 バルク係数:無次元伝達率 Rb= 浮力の効果 風(慣性力)の効果 熱の入れ替わり多い 熱の入れ替わり少ない ー不安定 中立 安定+ 冷たい空気 暖かい空気 暖かいSAT計 冷たいSAT計
中立 ー不安定 安定+ 浮力により熱が運ばれている 効果は無視できない。
上下温度差について 冷たく重い空気が 上にあるので 空気が良く混ざる。 冷 暖 冷 暖 106 棟 107 棟
冷 暖 棟間空間全体の上下温度差(大気安定度) については、それによる対流熱伝達率の 系統的な変化は認められなかった。
まとめ 棟間気流性状について ・棟間ではらせん状の気流が卓越する。 外壁面対流熱伝達率について ・わずかな建物の突起が大きく影響する。 ・風速に比例して大きくなるが、 わずかな突起が大きく影響する。 ・浮力による効果は無視できない。 ・棟間の上下温度差は影響しない。