卒業論文発表 中性子ハロー核14Beの分解反応 物理学科4年 中村研究室所属 00-0591-9  小原雅子.

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卒業論文発表 中性子ハロー核14Beの分解反応 物理学科4年 中村研究室所属 00-0591-9  小原雅子

14Be 序論 2中性子ハロー核 安定核 中性子ハロー核 12Be+ n n + n 12Be 12Be + n + n ボロミアン核 ドリップライン H He Li Be B C N O F N=8 N=20 陽子数Z 中性子数 N 安定核 中性子ハロー核 14Be n n 12Be 12Be+ n 12Be n + n 12Be + n + n ボロミアン核

目的 1 2中性子ハロー核14Beの ソフトE1共鳴状態の探索 2 非束縛核13Be の質量測定 と価中性子の配位決定

目的と手法1 巨大双極子 B(E1)[W.u.] 共鳴 ソフトE1共鳴? (E1遷移確率) Ex クーロン分解反応 g p n 1~2MeV   共鳴 B(E1)[W.u.] ソフトE1共鳴? p (E1遷移確率) n 1~2MeV 10~20MeV Ex [MeV] 1中性子ハロー核では共鳴 2中性子ハロー核では? (励起エネルギー) クーロン分解反応 n 12Be 208Pb g

NE1(光子数)[個] Ein=70MeV 断面積=(光子数)×(遷移確率) の積分値 (=反応断面積σ)が大きい Ex(励起エネルギー)[MeV] 低励起E1強度の存在 EX B(E1) 2MeV 1W.u σ=449mb 10MeV 1W.u σ=37mb 共鳴状態?直接分解?

13Be 目的と手法2 14Be 13Be 12Be+n 不変質量法 不変質量 1中性子ストリッピング反応 P(n) 12Be P(12Be) 12C n 14Be 13Be 12Be+n 不変質量法 相対エネルギー 不変質量 放出粒子の静止質量

? 価中性子の配位 p n 13Be (12Be + n) p n 11Be (10Be + n) 2s1/2 2s1/2 1d5/2

RIPS (RIKEN Projectile-Fragment Separator) 実験 RIPS (RIKEN Projectile-Fragment Separator) 重イオンビーム 大 A Z Magnet1 18O beam 100MeV/u Be Energy Degrader Target 入射核破砕反応 Magnet2 小 (磁場 回転半径) × Z大 Z小 不安定核ビーム 一定 14Be beam  70MeV/u

各検出器の配置図 (Pb,C) n n 12Be 14Be beam 70MeV/u Neutron counters Veto counters (Pb,C) target Drift chamber n n NaIs 12Be PPACs Hodoscope Drift chamber 14Be beam  70MeV/u Dipole magnet

解析 入射粒子の識別 ⊿E[ch] 14Be @RIPS 14BeのPurity ・・・86% TOF [ns]

荷電粒子の識別 Z=4 A 原子番号Zの識別 質量数Aの識別 ⊿E[ch] 12Be TOF[ns] TOF[ns] 14Be 11Be 10Be TOF[ns] TOF[ns]

反応断面積の導出 1中性子角度分布 質量数スペクトル 10Be 11Be 12Be mass θn [deg.] [b/sr] [counts] 10Be アクセプタンス補正後 11Be 12Be アクセプタンス補正前 mass θn [deg.]

結果1 2中性子分解反応断面積 Multiplicity 2.1±0.3 n mn = 1 mn = 2 n n σ-2n [mb] 14Be + target 14Be + target Multiplicity (中性子多重度) 12Be + X 12Be + n + X → → σ-2n [mb] σn [mb] mn(σn /σ-2n) C 235±7 256±2 1.1±0.02 Pb 1030±130 2218±41 2.1±0.3 (中性子検出効率:20.3%) n mn = 1 mn = 2 n n 12Be 12Be Neutron counter

結果2 13Be相対エネルギースペクトル s軌道 14Be + C → 13Be → 12Be + n [b/MeV] α= 51 [MeV/u] a = -3.5 [fm] re = 0.78 [fm] EB = 1.5 [MeV] cf. S2n (14Be) = 1.34 [MeV] Erel [MeV] s軌道 G.F.Bertch and K.Hencken, Phys. Rev. C 57, 1366 (1998)

まとめと今後の課題 σ(12Be)~ 1barn (@鉛標的) Ex = 2 MeV付近にB(E1)~1W.u.の 大きなE1遷移確率がある 1 σ(12Be)~ 1barn (@鉛標的) Ex = 2 MeV付近にB(E1)~1W.u.の 大きなE1遷移確率がある mn~ 2 (@鉛標的) 14Beの分解反応では2中性子が 放出されるクーロン分解が支配的 2 13Beの相対エネルギーは300keV付近にピーク  価中性子の軌道はs軌道が支配的 11Beと同様にs軌道が下がっている 12Be + 2n の相対エネルギースペクトルを求め、 14Beの低励起エネルギーでのE1強度を確認し、 そのメカニズムを解明する