細菌べん毛モーターを用いて泳ぐ仮想生物の寸法と速度の関係

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細菌べん毛モーターを用いて泳ぐ仮想生物の寸法と速度の関係 鳥取大学 工学部 応用数理工学科 生体システム解析学研究室 研究目的 べん毛が回転運動する菌はべん毛モーターを用いてらせん型べん毛を回転させることで推進力を発生させて運動する 細菌べん毛モーターを用いて泳ぐ仮想生物をモデルとして細胞の寸法を変えて数値解析 べん毛の進化 菌体(細胞) べん毛 回転運動 モーター特性と細胞の寸法から並進速度がどう変わるか調べる 細胞が大きくなると生存に必要な速度が増加してトルクが不足した べん毛モーター Vibrio alginolyticus YM4 暗視野顕微鏡写真 鞭打ち運動 細胞の寸法をどのくらい大きくすると生存に必要な速度が得られなくなるか検証 解析方法 細胞を円柱型と考えて、細胞の寸法と生存に必要な速度の関係を求める 長径 5.02(mm) 栄養の吸収Sは移動した表面積に比例するので SとRが比例の関係にあるので 1.37(mm) M:短径 L:長径 v:並進速度 短径 34.3° 0.032(mm) a,b,g,h :比例定数 栄養の消費Rは体積に比例するので べん毛の形状は一定 細胞の大きさを変えて数値解析 細胞の寸法が相似的に大きくなるとすると 解析結果 細胞の寸法を相似的に変えたときの細胞の寸法と速度の関係 生存に必要な速度の比例定数は4程度だと推定した シミュレーション結果とモーター特性の交点から最大発生トルクと周波数が得られ、そのときの最大速度が求められる まとめ 参考文献 [1] Torque-speed Relationship of the Na+-driven Flagellar Motor of Vibrio alginolyticus,Yoshiyuki Sowa, Hiroyuki Hotta, Michio Homma and Akihiko Ishijima,J. Mol. Biol. (2003) 327, 1043–1051. 生存に必要な速度の比例定数が4のときビブリオ菌の2倍程度の大きさになると生存できなくなるものと予想される [2] Jens Efsen Johansen,et al, (2002). [3] L. Locatello, et al ,(2008) [4]菊田誠之,et al,修士論文(2008年度). B03T8034M 中島崇晴