Perturbative Vacua from IIB Matrix Model

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Perturbative Vacua from IIB Matrix Model 佐藤松夫(京大理) 川合光氏(京大理、理研)との共同研究

行列模型と弦理論の関係 Ishibashi-Kawai-Kitazawa-Tsuchiya, Fukuma-Kawai-Kitazawa-Tsuchiya  IIB行列模型 IIB superstring 導出 type IIB の超対称性を保つ素朴な真空を議論 Motl,  Banks-Seiberg, Dijkgraaf-Verlinde-Verlinde  matrix string theory IIA superstring 等価 (cylinder 上の        super Yang-Mills ) (+ fermionic terms) しかし、行列模型が非摂動論的弦理論であるためには一つだけでなく、様々な 摂動論的真空を含む必要がある。

IIB行列模型にはlarge N でmoduliがある Naive reduced model diagonal elements               に対する1ループ有効作用 引力により一点につぶれてしまう。 supersymmetric な場合(ただしフェルミオンの対角成分を無視) IIB行列模型できちんとフェルミオンの対角成分の効果を取り入れると、 :1/N 補正 large N 極限では 同時対角可能な配位は安定: moduli space を成す ※ 1/N 補正でこれらの配位は不安定になる可能性がある。

IIB行列模型の1ループ有効作用 ただし : フェルミオンの対角成分 フェルミオンを積分する 高々2N個

Moduli spaceの点=perturbative vacuum (点を選ぶ操作=quenching) large N 極限ではIIB行列模型の同時対角可能な配位は安定であり、 均等に経路積分に寄与する。 一つの配位(moduli space の一点)の寄与だけを取り出すために large N reduced model でよく知られているquenchを行う。 IIB行列模型の large N moduli quench: 一つの同時対角可能な配位を背景として選び、 対角成分の揺らぎを0に固定する IIA ある点にquench cylinder上の super Yang-Mills (matrix string theory) IIB on type IIA superstring 別の点にquench 4dim. super Yang-Mills 上のtype IIB superstring moduli space の点は string の perturbative vacuumに対応 ※ 1/N 補正をいれるとmoduliは不安定になる。 Stringの非摂動効果で摂動論的安定な真空が不安定になる。

quench N個の をランダムに分布 離散的にquenchすることでコンパクト 空間上のゲージ理論を導出できる 4dim. super Yang-Mills cylinder上の         2dim. super Yang-Mills     (matrix string theory) 上のtype IIB superstring type IIA superstring

Gauge theories from IIB matrix model ex. cylinder上の        super Yang-Millsを導出 IIB matrix model redefine : UV cut-off , fixed : ‘t Hooft coupling, fixed [1] large N limit でplanar diagramのみが残る。 expansion quench (  図) : diagonal elements は0 このFeynman rule と       super Yang-Mills のFeynman rule が対応している

Free energy の一致 先ほどのようにquenchしたIIB matrix model と、 cylinder上の       super Yang-Mills は等価である。 つまり、free energy や 相関関数が一致する。 例として、free energy の一部のdiagramを見る。 IIB matrix model では、 Large N で

は factored out これは で計算する体積     あたりのfree energyの値と一致。

Type IIA superstring from IIB Matrix Model さらに にスケール変換、場の再定義、変数変換 [2] とおく を行うと matrix string theory を得る。  c はIIB行列模型のスケール   と実スケール   をつなぐ定数  スケール変換により、matrix string theory の cut-off は

Large N limit これまでの関係[1][2]からquench した行列模型の真空を表すパラメータと 弦理論のパラメータに関係がつく。 large N 極限はこの二つの弦理論のパラメータが有限であることと、 IIB行列模型、ゲージ理論両者とも planar diagram しか効かない条件 fixed fixed を満たすべき。 この四つの条件から行列側の四つのパラメータの振る舞いが決まる。  matrix string theory の cut-off

IIB matrix modelにはoverall scaleの再定義の自由度がある。 それを用いて行列のスケールを物理的スケールにあわせる。 に対し、 とした理論も等価 すると、 となる。 つまり、 物理的スケールに行列のスケールをあわせたとき、large N 極限 をとると、type IIA superstring が出現する。

conclusion IIB行列模型のlarge N 極限では同時対角可能な配位は安定で moduli spaceを成す。  moduli のある一点はtype IIA superstring を表す。別のある点は    AdS5 x S5 上のtype IIB superstring を表す。このことからmoduliは   stringの摂動論的安定な真空の集まりだと予想される。   IIB行列模型の一つの行列の対角成分を実数値に、もう一つの対角成分を   整数値の定数倍に、他を0にランダムに分布させる(quench)ことでmatrix string   theory を導出できる。つまり、 type IIA superstring を導出できる。   行列のスケールを弦の座標のスケールにとるとき、           を固定してlarge N 極限をとることでperturbative superstring を得る。