一連のドープ細線における バンド端とフェルミ端の構造 ’06 06月23日 秋山研究室打ち合わせ 一連のドープ細線における バンド端とフェルミ端の構造 Optical structures at the band edge and Fermi edge on the series of n-type doped quantum wires <アウトライン> 我々の実験 他の実験屋さんの論文 理論屋さんの論文 おまけ(FESべき発散を含んだ数値計算) まとめ
Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) 我々の実験結果① 通常のドープ細線 PL PLE 特徴 Band端 Fermi端 Our doped Twire Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) Peak no Sharp (非縮退) Broad FESの特徴はほとんど現われていない。
我々の実験結果② アクセプタードープ細線 ホールの局在によってPLのFermi端のピークが現われ、Band端のピークが消える。 PL PLE 我々の実験結果② アクセプタードープ細線 PL PLE 特徴 Band端 Fermi端 +Accepter Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) 正孔はAcceptorに局在 no Peak ? ホールの局在によってPLのFermi端のピークが現われ、Band端のピークが消える。
Callejaらの実験 彼らは「鋭いFESは1D特有、Band端は構造揺らぎで消失」と主張した(本当?) PL PLE 特徴 Band端 “Large optical singularities of the one-dimensional electron gas in semiconductor quantum wires” J. M. Calleja, A. R. Goni, B. S. Dennis, J. S. Weiner, A. Pinczuk, S. Schmitt-Rink, L. N. Pfeiffer, K. W. West, J. F. Muller, and A. E. Ruckenstein, Solid State Commun. 79, 911 (1991). PL PLE 特徴 Band端 Fermi端 Calleja’s wire Ef=4.8meV、間接遷移、太い 構造揺らぎ大 no Peak ? Sharp 彼らは「鋭いFESは1D特有、Band端は構造揺らぎで消失」と主張した(本当?)
Oberliらの実験 「ホール局在のほか、フェルミ端とサブバンドの共鳴がFESに必要な条件」 と主張するが、実験的には説得力が弱い。 PL “Optical studies of modulation-doped V-groove quantum wires: Fermi-edge singularity” D. Y. Oberli, A. Rudra and E. Kapon, Physica E 11, 224 (2001). PL PLE 特徴 Band端 Fermi端 Oberli’s V-groove wire Ef=25meV、構造揺らぎ大 サブバンドとFermi端が共鳴 Peak ? Broad 「ホール局在のほか、フェルミ端とサブバンドの共鳴がFESに必要な条件」 と主張するが、実験的には説得力が弱い。
テーブル PLにおいては、Band端とFermi端が出たり出なかったりする。 ホールの局在、高次サブバンドとの共鳴、がポイントのようだ。 PLE 特徴 Band端 Fermi端 Our doped Twire Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) Peak no Sharp (非縮退) Broad +Accepter Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) 正孔はAcceptorに局在 ? Calleja’s wire Ef=4.8meV、間接遷移、太い 構造揺らぎ大 Sharp Oberli’s V-groove wire Ef=25meV、構造揺らぎ大 サブバンドとFermi端が共鳴 PLにおいては、Band端とFermi端が出たり出なかったりする。 ホールの局在、高次サブバンドとの共鳴、がポイントのようだ。 PLEでBand端のピークを見たのは我々が初めて。 PLEで鋭いFESピークを見たのはCallejaだけ。 1Dでも2DでもPLEのFESピークは鋭かったりブロードだったりする。原因は不明。
細線の有限太さ、有限温度、ホール局在、高次サブバンドとの共鳴、間接遷移などを考慮してFES効果を含めた計算をしたが、ポイントが不明確。 Rodriguezらの理論計算 “Optical singularities in doped quantum-well wires” F. J. Rodriguez and C. Tejedor, Phys. Rev. B 47, 1506 (1993). “Fermi-edge singularities in the optical absorption and emission of doped indirect quantum wires” F. J. Rodriguez and C. Tejedor, Phys. Rev. B 47, 13015 (1993). 細線の有限太さ、有限温度、ホール局在、高次サブバンドとの共鳴、間接遷移などを考慮してFES効果を含めた計算をしたが、ポイントが不明確。
Hawrylakらの理論計算 Fermi端の発光ピークはホール局在が必要。 Band端の発光ピークは強いホール局在によって消える。 “Excitonic effects in optical spectra of a quasi-one-dimensional electron gas” P. Hawrylak, Solid State Commun. 81, 525 (1992). Fermi端の発光ピークはホール局在が必要。 Band端の発光ピークは強いホール局在によって消える。 (Band端が消えるカラクリを知りたいが、読んでもよく分からない。。。)
Ogawaらの理論計算 べきの値を電子正孔間相互作用、および電子間相互作用の関数として計算。 FESのべきの値は正孔のmassに依らない。 “Fermi-edge singularity in one-dimensional systems” T. Ogawa, A. Furusaki, and N. Nagaosa, Phys. Rev. Lett. 68, 3638 (1992). 電子正孔間引力 鋭い発散 電子間斥力 鋭い発散 べきの値を電子正孔間相互作用、および電子間相互作用の関数として計算。 FESのべきの値は正孔のmassに依らない。 これらの効果を実験的に見られるものなのかどうかは、今のところ不明。
1D DOSとFESにLorentzian畳み込んで計算
計算 続き
計算 続き べきの値を固定しても、発光スペクトルはホールのmassに大きく左右される。 → ホール局在によってFermi端のピークが強くなっても、 「FESがhole局在で強くなった」とはいえない。
計算 続き Callejaの結果に合わせた計算 我々の結果に合わせた計算 計算 続き Callejaの結果に合わせた計算 我々の結果に合わせた計算 べきの値を変えなくとも、mhやγ、Γの値を変えるとスペクトルが大幅に変化。 → 実験的にべきの値の変化を見るのは難しそう。まずはmh、γ、Γから!!
発光についてのポイント ①Fermi端に発光ピークが現われるのはFES効果によるもの。 PL PLE 特徴 Band端 Fermi端 Our doped Twire Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) Peak no Sharp (非縮退) Broad +Accepter Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) 正孔はAcceptorに局在 ? Calleja’s wire Ef=4.8meV、間接遷移、太い 構造揺らぎ大 Sharp Oberli’s V-groove wire Ef=25meV、構造揺らぎ大 サブバンドとFermi端が共鳴 ①Fermi端に発光ピークが現われるのはFES効果によるもの。 ②Band端やFermi端のピークが出たり出なかったりするのは、hole localizationが 大きく関与。(ただしhigher subbandとの共鳴や間接遷移であることも関与)。 ③べきの値がhole massに依存するかどうかは不明(発光からは分かりにくい)。
吸収についてのポイント ①電子ガスが縮退していなければ、Band端のピークも観測できる。 PL PLE 特徴 Band端 Fermi端 Our doped Twire Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) Peak no Sharp (非縮退) Broad +Accepter Ef=6meV、高品質、細い(1D limit) 正孔はAcceptorに局在 ? Calleja’s wire Ef=4.8meV、間接遷移、太い 構造揺らぎ大 Sharp Oberli’s V-groove wire Ef=25meV、構造揺らぎ大 サブバンドとFermi端が共鳴 ①電子ガスが縮退していなければ、Band端のピークも観測できる。 ② Fermi端のピークは鋭かったりブロードだったりする(1D、2D共通) ③吸収なので、正孔の分布は関与していない。 ならば、べきの値が変化?ブロードニングの違い? higher subbandとの共鳴や間接遷移であることの影響? 依然として未解決
まとめ 発光についてのポイント ①Fermi端に発光ピークが現われるのはFES効果によるもの。 ②Band端やFermi端のピークが出たり出なかったりするのは、hole localizationが 大きく関与。(ただしhigher subbandとの共鳴や間接遷移であることも関与)。 ③べきの値がhole massに依存するかどうかは不明(発光からは分かりにくい)。 吸収についてのポイント ①電子ガスが縮退していなければ、Band端のピークも観測できる。 ② Fermi端のピークは鋭かったりブロードだったりする(1D、2D共通) ③吸収なので、正孔の分布は関与していない。 ならば、べきの値が変化?ブロードニングの違い? higher subbandとの共鳴や間接遷移であることの影響? 依然として未解決