超小型航空機における 位置および姿勢の同定

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超小型航空機における 位置および姿勢の同定 鈴木・土屋研究室 航空宇宙工学科 学部4年 成岡 優

発表内容 研究背景 問題提起 解法 構成 今後の予定 参考文献 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

研究背景 超小型航空機においても通常の航空機と同様、精度よく位置・姿勢情報を取得したい 航空機用の慣性航法装置(Inertial Navigation System)は存在するが、超小型航空機で利用することは不可能 重量重い サイズ大きい 価格高い 現在、無人機をはじめとした超小型航空機の開発が様々なところで進められている 研究室でも愛知万博で無人機だしますよね 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

問題提起 一般の航空機と同様に、超小型航空機でも精度よく手軽に位置・姿勢情報を取得することができないだろうか 要求 精度よく(誤差数m程度)位置・姿勢情報が取得可能 重量軽く(100g程度)、サイズ小さい(数cm程度) 手軽に、すなわち安く(数万円程度) 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

要求1に対する解法 [要求1]精度よく位置・姿勢情報が取得可能であること 複数のセンサで状態量を観測する 加速度センサ ジャイロ(角速度センサ) GPS それらで得られた情報に対し、Kalman Filterを適用することで誤差修正を行う 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

要求2に対する解法 [要求2]重量軽く、サイズが小さい 機械的な機構が必要でないStrap-Down方式を採用(⇔Gimbal方式) MEMS(Micro Electro-Mechanical System)技術を用いた軽量・小型センサの利用 高性能マイコンの利用 Gimbal方式とは センサをGimbalと呼ばれる常に水平を保つ機械的な構造の上に設置する方式。センサから得られた値をそのまま積分するだけで航法座標上の状態量を取得することが可能である。機械的な構造を必要とするため、小型・軽量化は難しいが、計算量は少なくてすむので高性能なプロセッサは必要としない。また、誤差な機械的機構に由来する部分が大きく、ある程度以上の精度を出すことも困難である。 Strap-Down方式とは センサを機体に固定する方式。センサから得られた値を、各種の座標変換を用いて航法座標における値に変換し、各種状態量を算出する方式。機械的な機構は必要ではないため、小型・軽量化することが可能であるが、計算量が必要であるため、高性能なプロセッサを必要とする。また誤差評価を正しく行えば、Gimbal方式よりも精度を出すことが可能。 MEMSとは何ぞや 機械要素部品、センサー、アクチュエータ、電子回路を一つのシリコン基板上に集積化したデバイス マイコン コンピュータの主な機能を、1つのチップ内に収めた統合型プロセッサのこと。チップ1つで演算処理からA/D変換までこなすことが可能である。近年の小型電子機器や携帯電話の普及の黒子であり、その進化はとどまるところを知らない。 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

要求3に対する解法 [要求3]安く作成できること 民生品の利用 部品点数を少なくする 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成 全体の構成 加速度計 ジャイロ マイコン (Kalman Filter) GPS 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細1)-座標系、機器配置 座標系と機器の配置 i-Frame b-Frame 地面固定座標系(航法座標系) 航空機固定座標系 センサはこの座標軸に一致するよう配置 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細2)-変数 Input Output :b-frameでの加速度、加速度センサ(3) :ジャイロ(3)   :ジャイロ(3)   :i-frameでの位置、GPS(3) Output   : i-frameでの位置(3)   : i-frameでの速度(3)   :姿勢(4) 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細3)-Software 加速度センサ、ジャイロのデータを20Hzで取得し積分、状態量更新 GPS(reference)は1Hzで取得し誤差修正 運動方程式は非線形であるので、偏差に対して線形化を行い、その上で離散化したKalman Filterを適用する 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細3-1)-predict時 GPSからデータの取得がないとき 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細3-2)-correct時 GPSからのデータの取得があるとき 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細4)-Hardware 機器一覧 加速度センサ ジャイロ(ロール、ピッチ) ジャイロ(ヨー) GPS CPUボード 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細4-1)-加速度センサ 加速度センサ STMicroelctonics製『LIS3L02AS』 3軸1パッケージ、±6G検出 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細4-2)-ジャイロ① ジャイロ(ロール、ピッチ) マイクロストーン製『MG2-01Ba』 2軸1パッケージ、±90[degree/s]検出 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細4-3)-ジャイロ② ジャイロ(ヨー) STL Japan製『司21(HS-EG3)』 1軸1パッケージ、±60[degree/s]検出 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細4-4)-GPS GPS 古野電気製『GH-80』 重さ10g、16衛星追尾 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

構成(詳細4-5)-CPUボード CPUボード BestTechnology製『BTC080』 ルネサスSH7145(50MHz)搭載、RAM1MB、ROM2MB搭載、サイズ49x 57[mm] 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

今後の予定(1) 機器の製作 センサの校正 シミュレーション 特性の検出(ノイズ等) 環境試験 誤差モデルの作成 フィルタアルゴリズムの検証 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

今後の予定(2) リファレンス試験 実機搭載試験 ある程度運動がわかっているもので試験 ターゲットの例としては エレベータ ジェットコースター 実機搭載試験 模型飛行機に搭載し、実際にデータを取得 取得データの検証(ステレオ視など) 時間的に無理かも ステレオ視のアルゴリズム自体はネットから入手可能 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

参考文献 最適制御入門-レギュレータとカルマン・フィルタ(加藤寛一郎) Applied Mathematics in Integrated Navigation Systems, Second Edition(Robert M.Rogers) 2019/5/4 鈴木・土屋研究室

Appendix ARLISS2004プロジェクト(缶サット) 中須賀研B4+B3+成岡 空缶サイズの衛星 ミッションは位置および姿勢推定 搭載機器は加速度センサ、ジャイロ、GPS、磁気センサ 7/14、板倉というところで落としてきました 9月後半、アメリカでロケットから落とします 2019/5/4 鈴木・土屋研究室