中級日本語 第 16 課 吉林華橋外国語学院 日本語学部 製作
背景知識 有人宇宙飛行(ゆうじんうちゅうひこう)とは宇宙船に人が乗り宇宙を飛行する事である。宇宙飛行を行うために特に訓練された者を宇宙飛行士と呼び、そうでない者が宇宙飛行を行う場合、特に宇宙旅行と呼ぶ。 宇宙ロケットに人間が乗り込むことには、依然安全上の大きなリスクがあり、実際に宇宙開発においては惑星探査などその多くをロボットが担っているが、人間が行わなくてはならない活動も少なくない。宇宙船内での高度な実験、宇宙ステーションの建設などを行うことは、すなわち宇宙開発の主導権を握ることを意味する。現在建設中の国際宇宙ステーションでは有人飛行実績の高いロシアとアメリカが、主導的な立場を担っている。
背景知識 有人宇宙飛行は国威発揚の側面が強く、成功しているのはアメリカ合衆国、ロシア連邦(初飛行時はソビエト連邦)とロシアの技術を導入した中華人民共和国の3カ国だが、人命の損失などそのリスクの高さに比べ、得られる利益が少ないことが日本や欧州の後続がなかった理由だ。 マーキュリー計画とは、1956年~1963年に行われたアメリカ初の有人宇宙飛行計画。アメリカ初の宇宙飛行士として7人が選ばれ、オリジナル7と呼ばれた(実際に宇宙に行ったのは6人)。1961年5月のマーキュリー・レッドストーン3号(フリーダム・セブン)によりアメリカ初の有人宇宙飛行に成功。この計画の成功により、当時ソ連より大幅に後れをとっていたアメリカの巻き返しが始まる。
背景知識 神舟計画 中華人民共和国では1992年から神舟計画を開始、2003年に神舟5号が、宇宙飛行士一人を乗せた有人宇宙飛行に成功した。2005年には神舟6号で、宇宙飛行士二人を乗せて2度目の有人宇宙飛行に成功した。2008年には神舟7号で、宇宙飛行士三人を乗せて3度目の有人宇宙飛行に成功した。
背景知識 今後の展望 ソビエト連邦の崩壊や世界経済が悪化した為、採算の取れない有人宇宙飛行への予算が大きく削減された。そのため一国の力では宇宙開発は不可能となり、世界で協力しながら宇宙開発を進めなければならなくなった。現在、主要先進国を中心に国際宇宙ステーションが建設されており、宇宙平和への実現を伺わせる。アメリカを代表する宇宙船であるスペースシャトルやロシアの代表的な宇宙船であるソユーズ等が現在の宇宙開発を支えている。各国も新たなる空間である宇宙を目指しているが、アメリカやロシアの宇宙船の技術にはかなわないのが実情である。それを言い換えればアメリカやロシアの宇宙船が止まれば、宇宙開発は急速に後退する事を意味している。事実、2003年にアメリカのスペースシャトル・コロンビアが大気圏内への再突入中に空中分解を起こした。アメリカ政府は直ちにスペースシャトルの運行を停止したため、宇宙開発に大きな遅れが生じている。ロシア政府は深刻な資金不足から、国際宇宙ステーションの維持に必要なソユーズの定期便の乗客定員の一部を、宇宙旅行のために事実上販売した。