「躍進する中国科学技術力」 有馬 朗人 財団法人日本科学技術振興財団会長 元科学技術庁長官 元文部大臣.

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「躍進する中国科学技術力」 有馬 朗人 財団法人日本科学技術振興財団会長 元科学技術庁長官 元文部大臣

目次 ・研究開発費及び研究者数の推移について ・教育状況について ・高等教育の状況について ・高校生国際科学オリンピックでの成績について  ・高等教育の状況について  ・高校生国際科学オリンピックでの成績について  ・研究者の留学歴について ・研究論文について  ・論文発表数シェアについて  ・論文関連の国際比較における位置づけ  ・論文共著関係について ・青少年の夢と希望について ・アジアにおける科学技術協力について

中国の研究開発費及び研究者数の推移について

 中国の研究開発費の総額は経済の発展と並行して急激に増加し、米国、日本及びEU全体には及ばないものの、韓国、フランス、ドイツなどより多くなり、 2006年では、 8600億ドルを超えている。

中国の研究開発費対GDP比率も同じ増加する傾向にあり、さらに、中国政府は2010年までに現在の対GDP比1. 4前後から2

1990年代の中国の研究者数は日本と同規模であったが、2007年では米国や欧州全体と同規模にあり、日本の2倍近くなり、122  1990年代の中国の研究者数は日本と同規模であったが、2007年では米国や欧州全体と同規模にあり、日本の2倍近くなり、122.4万人になっている。

 40代から50代前半の若手の活躍が際立っている。例えば、中国科学院の研究所所長の年齢構成について、約7割近くは40代に集中していることが分かる。

また、211プロジェクト各認定大学学長の年齢構成についても、約6割近くは40代後半から50代前半に集中していることが分かる。  また、211プロジェクト各認定大学学長の年齢構成についても、約6割近くは40代後半から50代前半に集中していることが分かる。

中国の教育状況について

中国の科学・工学系の博士号を取得した人材数が大幅に増えている(2000ー2004年まで約1  中国の科学・工学系の博士号を取得した人材数が大幅に増えている(2000ー2004年まで約1.9倍)。2003年には中国は既に日本や欧州主要国を抜いて米国に次いで世界第二位となった。

 中国の大学院への進学者数は急増している(2000~2007年まで約4倍) 。2007年では119.5万人になり、日本(26.2万人)の約4.5倍となっている。

また、2007年の大学院在学者の専攻内訳を見ると、中国では、理・工学を専攻している学生の数は約5割になっていることが分かる。  また、2007年の大学院在学者の専攻内訳を見ると、中国では、理・工学を専攻している学生の数は約5割になっていることが分かる。

一方、日本の大学院在学者の専攻内訳を見ると、社会科学全般と理・工学を専攻している学生はそれぞれ3割位となっていることが分かる。  一方、日本の大学院在学者の専攻内訳を見ると、社会科学全般と理・工学を専攻している学生はそれぞれ3割位となっていることが分かる。

 中国は高等教育が普及し、大学及び大学院など高等教育機関における入学者数は急増し(2000~2007までは約2.6倍)、2007年では、607.8万人になっている。一方、日本は90年代後半から高等教育機関への入学者数は逓減する傾向があり、2007年では、81.3万人となり、中国の約1/7の数となっている。

また、高等教育機関における在学者数についても、中国は急増し(2000~2007年までは約3. 4倍)、2007年では2004  また、高等教育機関における在学者数についても、中国は急増し(2000~2007年までは約3.4倍)、2007年では2004.4万人になり、日本の6.6倍となっている。

4年制大学における入学者数について、中国は1990年代半ばから急増し(2000~2007年までは約2. 4倍)、2007では282  4年制大学における入学者数について、中国は1990年代半ばから急増し(2000~2007年までは約2.4倍)、2007では282.1万人になり、日本の約4.6倍となっている。

4年制大学における入学者数の人口比について、中国は増加する傾向にあるものの( 2000~2007年までは約2. 3倍)、2007年では0  4年制大学における入学者数の人口比について、中国は増加する傾向にあるものの( 2000~2007年までは約2.3倍)、2007年では0.21%になり、日本の約1/2となっている。

4年制大学における在学者数について、中国は1990年代半ばから急増し(2000~2007年までは約3倍)、2007では1024  4年制大学における在学者数について、中国は1990年代半ばから急増し(2000~2007年までは約3倍)、2007では1024.3万人になり、日本の約3.6倍となっている。

4年制大学における在学者数の人口比について、中国は増加する傾向にあるものの( 2000~2007年までは約3倍)、2007年では0  4年制大学における在学者数の人口比について、中国は増加する傾向にあるものの( 2000~2007年までは約3倍)、2007年では0.78%になり、日本の約1/3となっている。

 また、中国は高校生の各種科学オリンピックで世界を圧倒している。数学、物理、化学、生物学、情報学のいずれの学科においても、中国の参加者は多くの金メダルを取っている。

中国の科学オリンピックでの金メダル獲得総数は近年、日本、米国、ロシアなどより多く、首位をキープしている。  中国の科学オリンピックでの金メダル獲得総数は近年、日本、米国、ロシアなどより多く、首位をキープしている。

 中国の主要研究機関や大学のトップには、海外留学経験者が就任している場合が多い。例えば、中国科学院研究所所長の75%は留学歴があり、特に米国へ留学経験者が最も多い21%となっている。

 また、211プロジェクト各認定大学の学長 も約7割は留学経験者であり、米国への留学経験者は最も多い23%になっている。因みに、日本の国立大学の学長について、留学経験者の割合は約32%になっている。

中国の研究論文について

中国の研究論文発表数は飛躍的に増大している。論文発表数シェアについて、2000年には3. 6%であったが、2006年には8. 2%となり約2  中国の研究論文発表数は飛躍的に増大している。論文発表数シェアについて、2000年には3.6%であったが、2006年には8.2%となり約2.3倍の急速な伸びを示し、日本、イギリス、ドイツと同水準になっている。

 全科学分野の論文シェアなどの国際比較について、中国の位置は着実に上昇している。全論文シェアでは、中国は14位(91~95年)から6位(01~05年)になっている。  注:科学技術政策研の分野分析について: Essential Science Indicators(ESI)の22分野分類(ジャーナル単位である。    http://www.in-cites.com/journal-list/index.html参照のこと。)を用いて、WoSデータベース収録論文を再分類し、集計した。

「トップ10%論文シェア」について、中国は18位(91~95年)から8位(01~05年)に上昇している。  「トップ10%論文シェア」について、中国は18位(91~95年)から8位(01~05年)に上昇している。

論文被引用数シェアについても、中国は19位(91~95年)から9位(01~05年)に上昇している。  論文被引用数シェアについても、中国は19位(91~95年)から9位(01~05年)に上昇している。

 論文の共著関係について中国と日本の関係は増強されており、両国の研究での協力関係が深まっている。 「91-95年」と、「01-05年」を比較すると、中国から見た共著相手国としての日本の位置が相対的に上昇しているのが分かる。とりわけ材料科学ではアメリカとの共著関係を追い越して、日本との共著関係がトップとなっている。

 一方、同様の国際共著関係を日本から見ると、全分野で6位(91~95年)だった中国が2位(01~05年)まで上昇していることが分かる。中国でも日本は1位になっている材料科学の分野は、日本から見ても中国は1位となっている。

青少年の夢と希望について

 日本青年研究所で行った国際比較調査の結果によると、人類にとって21世紀は希望のある社会になると思う」と答えた高校生の割合を見ると、中国の89%に対して、日本の方は僅かに35%であった。

 また、筑波大学留学センターが行った国際比較によると、「自分の将来に大きな希望を持っている」中国の中学生は91%であることに対して、日本の方は29%であった。

アジアにおける科学技術協力について

東アジア諸国を中心とした緩やかな科学技術連合体の結成が必要。  東アジア諸国を中心とした緩やかな科学技術連合体の結成が必要。 先端科学技術の研究には、多額の資金と豊かな人的な資源が必要とする分野は多くなっており、そのような膨大な資源は一カ国ではカバーできない時代になりつつある。 このような状況を受け、EUにおいて科学技術における諸国の協力が進行し、世界における科学技術の一極となっている。北米も米国を中心とした科学技術の一極を形成している。 アジアにおいても東アジア諸国を中心とした科学技術協力を発展させ、一カ国のみでは設立が困難な研究開発拠点を形成していくことが必要ではないか。

例えば、以下のような分野における研究開発拠点の共同設置が考えられる。  例えば、以下のような分野における研究開発拠点の共同設置が考えられる。 環境科学技術(新エネルギー開発、環境対策) 高エネルギー(大型加速器 等) 熱核融合 天文学(大型望遠鏡 等) 宇宙開発   等

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