データ解析 http://coconut.sys.eng.shizuoka.ac.jp/data/ 静岡大学工学部 安藤和敏 2006.01.11.

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データ解析 http://coconut.sys.eng.shizuoka.ac.jp/data/ 静岡大学工学部 安藤和敏 2006.01.11

第4章 Excelで学ぶ因子分析 4-1 1因子モデルから学ぶ因子分析の考え方 4-2 1因子モデルから学ぶ主因子法 4-1 1因子モデルから学ぶ因子分析の考え方 4-2 1因子モデルから学ぶ主因子法 4-3 SMCモデルで共通性を推定

4-1 1因子モデルから学ぶ因子分析の考え方

因子分析とは 我々は,複雑な現象を単純な原因(すなわち因子)で理解することがよくある. 例) 「彼は理系の才能があるので理科が得意であるが文型の才能がないので国語が苦手である.」 複雑な人間の能力を「理系的才能」と「文系的才能」という2つの因子で単純に説明. 例) 「K君はO型だからいいかげんである.Lさんは,A型だから真面目である.」 複雑な人間の性格を「血液型」という1つの因子で単純に説明.

因子分析とは 因子分析とは,複雑な現象を単純な因子で説明するための,統計学的な手法である.

因子分析のデータ(変数が3個の場合) No 国語(x) 英語(y) 数学(z) 1 x1 y1 z1 2 x2 y2 z2 … i xi yi zi n xn yn zn この多変量データに対して,「学力」という1つの共通因子を仮定して,因子分析を行う. この多変量データは標準化されていると仮定する.

標準化(第3回のスライドから) 標準化された変数の平均は0,分散は1になる.(証明せよ.)

因子分析の記法 「学力」という共通因子を変数Fで表してみる. No 因子(F) 1 F1 2 F2 … n Fn 国語(x) 英語(y) 数学(z) x1 y1 z1 x2 y2 z2 … xn yn zn 学籍番号iの学生の学力はFiである.これをi番目の学生の因子得点と呼ぶ.

共通因子と独自因子 各科目の得点が共通因子Fだけで説明できることはありえない. 変数 x は,共通因子で説明できる部分と,共通因子で説明できない部分に分けることができると考える. 変数x 共通因子で説明できる部分 共通因子で説明できない部分

因子分析のモデル 因子負荷量 共通因子 独自因子

因子分析のモデル (3変数の場合)

因子分析法のパス図 共通因子 F 国語 x 英語 y 数学 z ex ey ez

因子分析のデータ(変数が3個の場合) No F x y z 1 F1 x1= ax F1 +ex1 y1= ay F1 +ey1 z1= az F1 +ez1 2 F2 x2= ax F2 +ex2 y2= ay F2 +ey2 z2= az F2 +ez2 … i Fi xi= ax Fi +exi yi= ay Fi +eyi zi= az Fi +ezi n Fn xn= ax Fn +exn yn= ay Fn +eyn zn= az Fn +ezn

因子分析の基本方程式(⇒WB)

重要な仮定 「共通因子と独自因子は,互いに無相関(⇒p.19)である」と仮定する. つまり,以下の式を仮定する.

因子分析の基本方程式

因子分析の基本方程式

最初の仮定 x, y, z は標準化されていると仮定した. つまり,以下を仮定する. さらに,F も標準化されていると仮定する.

因子分析の基本方程式 1

因子分析の基本方程式 (3変数の場合)

因子分析の基本方程式

因子分析の基本方程式を解く (9)式より,

因子分析の基本方程式を解く (10)式の両辺を(9)の各式で割ると,

因子分析の基本方程式を解く (11)の各式を(8)の各式に代入すると,

共通性と独自性 因子負荷量 共通因子 独自因子

共通性と独自性 変数xの分散 = 1 共通因子が説明する情報(共通性   ) 独自因子が説明する情報(独自性)

総共通性と寄与率 1 変数 x 全情報量 =3 変数 y 変数 z 総共通性 =

総共通性と寄与率

Excelで学ぼう ファイル:第4章/4_1

本日のまとめ 因子分析の考え方を理解した. 因子分析で用いられる言葉(因子負荷量,共通因子,独自因子,因子得点,寄与率など)の意味を理解した. 3変数の場合に,因子負荷量をExcelを用いて,計算する方法を理解した.